2019年7月24日

勝ちを手放す緒方采配、バティスタの同点2ランが引き戻す。

7月23日、中日戦(マツダスタジアム)。延長10回、安部友裕のホームランで、巨人戦に続いてまたもサヨナラ勝ち。

緒方監督は試合後、「記憶に残るすごい試合」と言っていた(「日刊スポーツ」)。

まさかの逆転。でも、手放しで喜べないものが残った。私には別の意味で記憶に残る試合になった。

その1つがリリーフ起用。

先発は、7月16日のDeNA戦で逆転打を浴びて、ベンチで涙を流していたアドゥワ誠。

アドゥワにとっても見守るファンにとっても期するものがあっただろうけれど、毎回同じ相手・条件で戦うわけでなし、思ったようにいかないこともありましょう。5失点で5回途中降板。

しかし、今日も今日とて交代のタイミングが半テンポ、遅い。5回に1点取られた時点で(さらにもう1点追加される前に)交代の舵を切ってほしかった。

今のカープにとって、1点を取り返すこと(=1点を取られること)がどんなに大変なことか、ベンチはわかっているのかな。



ここでマウンドにあがったのは菊池保則。6回と7回は遠藤淳志。

こんなところで、4点リードされた場面で、この二人を出すのか。「1点も与えない。逆転する」という考えから来るものだとしても、リードしててもされてても、毎夜のように同じピッチャー・頼れるピッチャーを出し続けていては、選手が消耗してしまう。

自力優勝消滅と背中合わせのゲームが続く中、ベンチは余裕がなくって、貧すれば鈍すの状況に陥ってる(うんにゃ、貯金があるときでさえ同じようなことを繰り返している)。

菊池と遠藤が働き者なことをいいことに、何てことだ。これは年俸をどっかり上げて報いてあげてほしいと思うのだが、モチベーションが下がりそうな査定をする球団の体質が目に見えていて、今からもうゲンナリしています。

ベンチの余裕のなさとは裏腹に、選手はしっかり仕事した。菊池も遠藤も無失点に抑え、反撃の下地をまたしても作ってくれた。8回のレグナルト、9回の島内颯太郎、10回のフランスアも(劇場発動したけれど)無失点と続いてくれた。



もう1つ驚愕したのが、6回、満塁の場面で代打に野間峻祥を送ったこと。なぜここで、チャンスで打てない野間を、得点圏打率最低の野間を出すのか、と。

緒方監督が野間を大好きなことはもう重々知っています。でも、巨人戦で3連勝したツキをわざわざ手放すような采配に、相手が喜ぶような采配をまた繰り返すその鈍感さに、試合に勝つ気があるのか疑った。

リリーフの起用では、4点リードされていても必勝覚悟で勝ちパターンの選手をつぎ込んでいるにもかかわらず、代打には打ってくれそうな気が全然しない選手を送り込む、そのちぐはぐさ。



しかし、ベンチがどうあれ、ゲームを戦うのは選手。

9回、三好匠が代打でヒット、菊池涼介がタイムリーを打って、2点差に。さらにバティスタが同点2ラン。このつながり、ここぞのところで打った菊池とバティスタはとくに素晴らしいと思った。

そして10回、祖父江大輔の2球目を安部がとらえてサヨナラ勝ちしたわけだが。

安部は6回、満塁のチャンスで空振り。8回、1塁3塁の場面で併殺打(1点は入ったけれど)。ここで取り返せるのはとても素晴らしいことなのだけれど、自分でつけた火を自分で消しにいっているような。いつものサヨナラ勝ちほど爽快には感じなかったのも正直ありました。

好投したリリーフ陣と、逆転勝利を導いた菊池とバティスタの一撃は記憶に残った。ベンチのまずい采配と、そのことを振り返りもせず逆転勝ちを素晴らしいとたたえている監督の食い違い加減も、深く記憶に残った。


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