2018年4月30日

藪田和樹と松坂大輔、この日の四球の数は……


4月30日、阪神戦(マツダスタジアム)。

先発から中継に転向していた藪田和樹が、再び先発に抜擢。

先発としても、中継ぎとしても、なかなか投球が安定しなかった藪田。一度、二軍で調整しては? と思ったファンも少なくなかったはず。それをここまで一軍で投げさせ続けたのは、藪田への期待の表れなのだろうけれど。

しかし、現在の藪田の状況を冷静に(客観的に)見ているというより、昨年の奮闘ぶりが首脳陣の記憶に強く残っていて、それにとらわれすぎているような気がしてならなかった。

5回表、藪田がフォアを2回出し、1塁2塁になった2アウトの状況で、アドゥワ誠に交代。

「もう安心できない」と首脳陣にスイッチが入ったのかもしれないが、こうした状況は予想できたことなのに。こんなところで交代させるのなら、どうして先発させたのか。藪田に期待をかけて先発として送り出したのに、中途半端な采配だと思わずにいられなかった。

まだ1点もとられていないのに。藪田が期待に応えられなかったという話かもしれないが、選手に対するリスペクトがぶれているのを感じずにいられなかった。



この日、横浜戦で先発した中日の松坂大輔が、6回1失点に抑え、今季初勝利。よかった!

ところで、この試合で松坂が与えた四球は7。

どんな状況で出していたのかはわからないけれど、四球の数は、藪田と同じです。ちなみに藪田は自責点ゼロ。もちろん藪田の方が投げた回は少ないですが、松坂もけっこう四球が多かった。

4月22日に、プロボクサーの村田諒太さんの「誰かにどう見られてるかということに対して、恐怖を感じる」という印象深い言葉をご紹介しました。

松坂がソフトバンクを退団して、中日への入団が決まったときの会見での言葉、「まわりにどう見られようが、何を言われようが自分でまだやり切った、悔いのない野球人生と思えないので、そう思えるようになるまでは自分を信じて進んでいきたい」も併せて思い出してしまいます。

まわりにどう見られようが……力強い言葉に松坂の復活を待ちたいと、そのとき素直に思いました。

藪田は登録抹消されるとのこと。またぜひ、ガッツあふれるプレーを見せてくれるのを待っています。



スポンサーリンク


〔関連記事〕

● もし誰も試合を見ていなかったら
 現役を続けるということ

2018年4月29日

いつもどおりで衣笠さんへ


4月28日、阪神戦(マツダスタジアム)。

この日は、4月23日に71歳で亡くなった、カープOBの衣笠祥雄さんの追悼試合でもありました。

8月6日に行われているピースナイターしかり、黒田博樹が引退後、全員が15番のユニフォームを着用して臨んだ2017年3月のセレモニー的な試合しかり、特別な試合には強くないイメージのカープ(と言っても、ピースナイターは、こちらがカープの試合を観戦するようになったのが2015年で、その後たまたま3年連続で負けていただけなのですが)。

そんなことを思い出したのは、ピースナイターにまつわる、こんな記事を読んだことがあったからです。1975年に初優勝した当時、カープの主砲だった山本浩二氏さんの言葉が忘れられなかったからです。

「やっぱり、野球は勝たないとイカン。はっきり言うて、初優勝したときのワシら選手は、原爆がどうだとか、広島市民のみなさんの気持ちに応えなきゃとか、そんなことはまったく考えとらんかったよ。だって、毎試合毎試合、勝つのに必死やったからね。その結果として優勝できて、勇気や希望を与えられたんや」

毎試合毎試合、勝つのに必死だった。……だから強かったのだとも思いました。力強い言葉です。

この日、衣笠さんへの感謝と尊敬の気持ちを胸に抱きつつも、思いがからまわりするような試合にならないことを臨んでいました。

ら、それはよけいな心配でした。通常どおり(当たり前ですが)ゲームは進み、鈴木誠也の満塁ホームランやタイムリーあり、好守備あり、中継ぎ陣の無失点リレーありで、勝つことができました。

誰かのためにという美しそうな言葉にまどわされることなく、いつもどおりで。で、いつもどおり、勝ったり負けたりしてゆく。



スポンサーリンク


〔関連記事〕

もし誰も試合を見ていなかったら

2018年4月27日

野村祐輔と東克樹の間合いに差を見た!……バナナにも目が釘づけ


26日、横浜DeNAベイスターズ戦。

横浜の先発は、開幕から三連勝のドラ1・東克樹ドラフトのときから「即戦力左腕」と名高かった東の投げっぷりを見られるのが楽しみでもありました。目力、強いですね。

1回表、カープから3点先取されましたが、その後も堂々と投げていて素晴らしかった。この日、DAZNで中継の解説をしていた門倉健さんが、「間合いというのは天性のもの」と、東のマウンド上での間合いのよさもほめていた。

自分がマウンドの上に立っている。そのリズムがちゃんと基準になっているというか、腹がすわっているというか。

それに対して、この日のカープの先発・野村祐輔は、門倉さん曰く「バッターの間合いに合わせていた」。

試合翌日の報道で知りましたが、野村が4回で降板してしまったのは、背中のハリが原因だったそう。とはいえ、東の、あのゲームの流れはそう簡単に渡さへんでぇ! という気迫が伝わってきそうな間合いは見応えありました。

その東。ベンチに下がるごとに、バナナを食べてエネルギー補給していました。あ、食べてる。あ、またバナナ食べてる。と、思わず声に出てしまったほど。

2006年、夏の甲子園で早稲田実業の斎藤佑樹(現・日ハム)が、ポケットからハンカチをとりだしマウンド上で汗をおさえていたのを見たときと同じくらい、新鮮な光景でした。

3回以降、3対3の同点が続き、こんなときゲームは1発が出て決まるもの……そんな予感がしていましたら、9回表、カープにまさかの1発が。

代打のエルドレッドが久しぶりの存在感! まさかの中日から三連敗のあと、まさかの横浜から三連勝。よしっ!



スポンサーリンク


〔関連記事〕

横浜DeNAベイスターズに広島カープを見た!?

2018年4月26日

横浜DeNAベイスターズに広島カープを見た!?


4月25日、横浜DeNAベイスターズ戦。

連勝街道まっしぐらと勢いに乗っていた横浜相手に、3タテを覚悟していたので、24日に続き、ちょっと拍子抜けの勝ち越し。

横浜戦に入って、丸や松山にようやくヒットがお目見え。まるで対戦相手の打撃の導火線に火を付けてしまう(ボッ!)広島のいつもの役割を、昨日今日と横浜が肩代わりしてくれているみたいで、なんとも妙な心持ちです。そうは言っても、この日もしっかり3ホーマー浴びていますが。

23日と24日は、相手のエラーや、スタジアムの照明が影響したと思われる外野守備など、カープにとってラッキーなことが続いた感は否めませんが、勝てるときに勝っておきましょう。

87球と、まだ余力を残して降板したカープの先発・岡田明丈。7回5失点の内容は本意ではないでしょうが、勝たせてもらえたことはよしとしましょう。

開幕から3連勝を続けていた、横浜の先発・京山将弥(まさや)。この日は1回2/3という早い降板になりましたが、打たれてもマウンドで表情を変えない19歳。黒田博樹と少し顔つきが似ているように感じて、対戦相手といえど応援したくなる選手がまた一人出てきました。



スポンサーリンク


〔関連記事〕

野村祐輔に黒田博樹を見た2017年

2018年4月23日

もし誰も試合を見ていなかったら


逸材を発掘し、育てることに定評があると言われているカープですが、ビシエド、ゲレーロ、アルモンテ、モヤ……と、毎回のように結果を残す外国人選手を見つけてくる中日のスカウトも、心憎いではないですか(ゲレーロは巨人に移籍した今年、今のところ目立った活躍はなし)。

中日ドラ1のニューフェイス、鈴木博志の、あの重そうな球も、何度見てもしびれます。そんな週末の3連戦でした。

ナゴヤドームの観客席で、一生懸命応援しているファンの子どもたちを見ていて、ふと、黒田博樹の言葉を思い出した。

「僕は、常にどんなマウンドでも、強いプレッシャーを感じながらマウンドに立つ。それは、勝ち負け以前に、投手としてマウンド上でたたかう姿勢を見せることが大切だと思っているからだ。なぜなら、その試合は、投手の僕にとってはシーズンのうちの1試合にすぎないかもしれないが、球場に来てくれたファンや、昔、大阪球場にわくわくしながら通った僕と同じような子どもたちにとっては、思い出に残る大切な1試合かもしれないからだ」

これは、黒田が『決めて断つ』の中で、語っていたこと。
また、ヤンキースに在籍していたころ、あるテレビ番組で、こんなことも話していました。

「マウンドに上がるときはやっぱり怖い」

「ニューヨークの家にベランダがなくてよかったなと思ってました。ベランダがあったらもしかしたら……と思ってましたから」

それはドキッとするくらい、野球に対する覚悟の強さを感じる言葉でした。それは、試合を見に来てくれるファンに対する覚悟の強さと言った方がいいのかもしれません。

開幕して一時期、首位打者だったころの丸は、バッターボックスに立ったとき、何かやってくれそうな雰囲気、この人が今一番頼りになる、そんなオーラが確実に出ていました。

しかし、このところ、そんな気配がまったく消えている。そういうのって、おもしろいほど観客に伝わってくる。

ファンはもちろん勝つ試合が見たいけれど、覚悟を感じるプレーをじつは見たいんじゃないかと思ったのだ。



プロボクサーの村田諒太さんが、4月1日放送の「ジャンクSPORTS」(フジテレビ)で、興味深いことを話していました。

Twitterで募集された視聴者からの質問に答える企画で、「一番怖いものは何ですか?」という質問が出たときのこと。

番組MCのハマちゃんこと浜田雅功さんから「対戦相手に怖さってありますか?」と聞かれ、「いや、もうないですね」。

「でも、結局、何と戦ってるかと思うと、誰にどう見られるかっていうことと戦ってるんですね」

「たとえば、誰もいないところで、マイク・タイソンとスパーリングしてみてくれと言われたら、それはそれでやってみたい」

「でも、そこに観客が生まれることによって、怖さって生まれるじゃないですか。本質的な殴り合いに恐怖があるんじゃなくて、誰かにどう見られてるかっていうことに対して、恐怖を感じる」

「自分の一番の敵は自分」とはよく言われていることで、自分でも実感することがあるけれど、客観的にものが見えている人なのだと感動してしまった。

基本的に技術的なことが大きく関わっているのかもしれないけれど、もし、誰も試合を見ていなかったとしたら、岡田明丈や藪田和樹はフォアボールを連発するのだろうか。

しかし、誰も見ていない試合なんて、そもそもプロスポーツの試合として成立していないとも思える。誰かに見られているなかで、力を発揮することは難しい。でも、それがないと充実感はきっと得られない世界なのだ。



スポンサーリンク


〔関連記事〕

客商売という姿勢

2018年4月21日

なんてこと


4月20日、中日戦(ナゴヤドーム)。

先発・野村祐輔がピリッとしません(この「ピリッとしない」は野球独特の用語ですね)。なんだか体が重そうです。6回投げて11安打を浴び、4失点。

それでも、調子が悪いなりになんとかこれで踏みとどまって6回まで投げたところは、岡田明丈との小さそうで大きな違いでしょうか?

しかし7回表、カープは一挙に5点をあげ、逆転。よし、まだまだこれから。昨夜の5時間近くに及ぶ総動員の延長試合を制したムードのよさを引き継いでいきたいところ。

とくに安部友裕は、昨日の最終回、ツーアウトで二塁打を打って下水流昂の逆転打につないだあの集中力をもってゲームにのぞんでいるのが伝わってきました。ハ・キ!

そして、ちょっと席を外していたら……ぬ? 後続の中田廉がツーアウトまでこぎつけもう一息というところで、連打連打を浴びているではないですか。ザ・ブルーハーツばりに飛び跳ねたくなりました。

そんな状況でも、ベンチの腰は重く、5点を献上したところで、アドゥワに交代。その後も2点献上。

なんてこと。中継ぎ陣の疲労が並々ならぬこととは言え、1回に7点はちょっと。

以前、カープOBの大野豊さんか、安仁屋宗八さんだったでしょうか。中継ぎは、1回を投げるのだから(1回しか投げないのだから)、集中して1点もとられないようにしてほしいと言っていたことが忘れられません。さすがの豪腕の言葉に重みがあります。

先発とはまた違った調整の難しさがあるのは承知の上で、中継ぎのエキスパートとして、ぜひまっとうしてほしいと願っています。



でも。毎回、こんな試合の後、緒方監督は「自分のミス」「責任は自分にある」という言葉を発している。

全体の責任を負うのはトップに立つ人の仕事で、ミスを認めるのは潔いことではある。

でも、毎回、紋切り型のように「責任は自分にある」と言われても、響いてこない。どの部分でどうしたことについてそう言っているのか。次に生かされている感じがしない。ベンチ入りの投手の数を増やすとか、中継ぎ陣の重い負担をへらす具体的な策を取っていただけないものでしょうか。

4月19日のヤクルトとの延長戦を制したときの、選手たちの晴れやかな顔を思い出すと、あのムードを打ち消すようなベンチの腰の重さ、アクションのなさが、もったいなく思われてしかたありませんでした。



スポンサーリンク


〔関連記事〕

ラミレスの采配見ていて考えた(一句)
サヨウナラ〜。

2018年4月20日

まさかの総力戦、安部が下水流につないだ劇的な結末


4月19日、ヤクルト戦(マツダスタジアム)。

先発・岡田明丈は4回4失点で降板。その間、守りでの小さなほころびも積み重なって、中盤まで、カープのフィールドからは緊張感というか集中力が感じられない。温度の低さを感じるゲームでした。

岡田のあと、中継ぎ陣は0点に抑え、9回表、アドゥア誠。2つのフォアを出したり、自らのフィルダースチョイスがあったりで、1死満塁のピンチ。

しかし、雄平の内野ゴロを菊池が俊敏なランニングスローでホームに返球。俊足の山田哲人がランナーだったにもかかわらず、見事な返球でツーアウトに。続く荒木をゴロで打ち取って3アウト。

ピンチと劇場ムードを招きはしましたが、バレンティンからの三振といい、アドゥワの打者に向かっていく姿勢はとても応援したくなるものでした。

この9回裏、球場がアドゥワへのエールに包まれていて、感動してしまった。試合の前半、どうにもカープのフィールドの温度が低いように感じて仕方なかったのが、いつのまにか、熱を帯びてきた。

9回裏、2アウトで田中広輔にヒット、そしてこの場面で盗塁成功!
バッターは菊池涼介。守りでいいプレーが出たあと、攻撃によい影響を与えることもある。そんな結果を願っていたら、三塁打で同点に! 試合は延長戦に突入。

11回の表、堂林翔太のよい守備も見ることができました。その裏の攻撃、ツーアウト満塁のチャンスで、堂林。9回の菊池のときのようになるか……と見守るも、この回は秋吉に軍配。試合は最終回へ。



12回裏、2アウトノーランナーで安部友裕が爽快な2塁打。続く、下水流昂が初球をねらって、安部が生還! 

安部と下水流ががっしりと抱き合っている姿を見て、そのまわりに喜び合う選手たちの輪が出来て、選手スタッフがハイタッチしていて……まるで優勝のときのようなシーン。素晴らしかった!

下水流のヒーローインタビューで「安部が行く前に、“必ずつなぎますんで”と言ってくれたので、僕が絶対にかえしてやろうと、打席に入りました」という言葉を聞いて、あの二人のガシッとした抱擁の意味を知る。

でも、安部が下水流につなぐまでに、中継ぎ陣が踏みとどまり、菊池や堂林の好守、菊池の同点打とつないでいった印象的なシーンがいくつもあって、えぇ、野球を堪能させていただきましたよ!

夜遅くまでパソコンで中継を見ていたのと、劇的な結末とで、脳が刺激され覚醒してしまったみたいで、寝付くのにかなりと時間がかかってしまいました。



スポンサーリンク


〔関連記事〕

ヒーローは誰だ? ほぼまんべんなく活躍中