2026年1月8日

プロ野球選手のイメージが変わる! ファンなら知っておきたい「選手会」という名の労働組合


12月29日、『労組日本プロ野球選手会をつくった男たち』という本を書いた、木村元彦(ゆきひこ)さんのお話がとても面白く、聴けてよかったとしみじみ思ったのでした(「武田砂鉄 ラジオマガジン」文化放送)。


よく耳にする「日本プロ野球選手会」。これには、「労働組合」と「一般社団法人」の二つがあるようです。今日お話するのは、「労組」の方(この違いについてはWikipediaを見てね)。

今でこそFAやポスティングの権利があるけれど、労組ができる前、選手は最初に入った球団にずっと縛られていた。やめる権利しかなかった。

サッカーには代理人がいたけれど、代理人をつけることもできず、ずぶの素人の選手自身が契約交渉していた。


一方、メジャーリーガーも、
オーナーのアクセサリーと呼ばれ、ものすごく安い年棒でプレーしていた時代があった。

そんなメジャーの選手会は、今では世界最強労組と呼ばれている(そんな環境なら、当然行きたくなりますよね、日本の選手も)。

その待遇のよさは、メジャーの選手会が労組になってから勝ちとっていったもの。

これを率いたのが全米鉄鋼労連の事務局長だったマービン・ミラーというやり手の労働活動家。彼がドンドンいろんな改革をして、メジャーの選手たちの待遇を改善していった。


一方で、日本の選手会はそういう事務方のプロフェショナルではなくて、
当事者である現役選手たちが声をあげて、自分たちで交渉して、たたかって権利を勝ちとってきた(途中から顧問弁護士もつく)

これはメジャーに対して誇るべきところだと、木村さん。

中畑清さんが動くことによって、1985年、選手会の労組が誕生。中畑さんというと、絶好調男のイメージ。本の取材中もその名のごとく、オープンだったそうです。

でも、中畑さんには緻密な部分もあって、段階を経て進めていった。中畑さんでなければ12球団の選手をまとめられなかっただろう、と木村さん(人徳もあった)。


「(プロ野球は)日々競争社会ですし、下手すると自分自身もレギュラーをとられてしまうんではないかという状況の中で、毎週いろんな連絡を取り合いながら活動していた」

「とくにこの本で言うと、広島の今の監督をされている新井貴浩さん

出たー。新井さん! 2008年から4年間、7代目の選手会会長をつとめていた新井さん。

「3.11という未曽有の大震災のときに、セ・リーグの開幕を遅らせるべきではないかと文科省まで巻き込み、ときに弊害というか、疎外するような動きをするコミッショナーやプロ野球機構、読売グループとたたかいながら、勝ちとっていった

新井さんの話は、WBC関連の選手の権利の話のところでも出てきました。


いま、選手会にいるメリットがないということで脱退していく選手がいるんですけども、得られた権利は行使できる。ただ、なんのメリットもないというそのメリットが、いかに享受できるようになったのは知っておくべきではないか

先人たちが自分の仕事を後回しにしてでも、10年20年後の後輩・選手のために、ひいては野球界のためにたたかってきたということは、やっぱり多くの人に知ってもらいたい」

そんな気持ちが、今回本を書く大きな動機になったそうです。

選手会に加入するのは任意だから、入らないのも自由。でも、いろんな権利を勝ちとってきた選手会についてのリスペクトは忘れていけないなと思いました(佐々木朗希の顔が浮かんだのは私だけだろうか)。


サッカーを取材している人からすると、
代理人や肖像権のことなど、プロ野球のあまりのガラパゴス状態に驚くそうです。

「むしろファンも、野球選手ってそういんもんだろうと麻痺していたのでは? ところが、あまりにちょっと理不尽なものが多すぎる」

選手が気持ちよく幸せを感じてプレーしていないと、見ている側もその辛さが伝わってきますよね。それくらい、あまりに経営者側の力が強かった。コミッショナーもなかなか正当なジャッジをしなかった」

この言葉には深くうなずいてしまった(小園海斗~)。

わ~。まだお伝えしたい話があるのですが、長くなりました。続きは次回に!

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2026年1月6日

期待の若手は?……オーナーと小園の温度差


昨日のブログで、木村元彦さんの『労組日本プロ野球選手会をつくった男たち』のお話を予告していましたが、ちょっとその前に別の話題を。

1月5日、仕事始めの日、松田オーナーが期待する選手として、佐々木泰の名前をあげた。

「佐々木がポーンと出て活躍してくれれば、負けていられないという選手たちが出てくると思う。一人がびっくりするぐらい出てきたらその世代の選手が続いてくる。それを期待したい」(「スポニチ」)


他球団のオーナーの言動まで追いかけていないのでわかりませんが、こんなふうに選手の個人名をあげるオーナーっているのでしょうか?

いるのかもしれないけれど、松田オーナーに名前を出されると、なんでこんなに気持ちがざらつくんだろう。

深い意味はないかもしれないが、選手への単なるエールなのかもしれないが、「お気に入り」の選手を公言されたような気持ちになって、距離を置いて見てしまう。


契約更改ひとつとっても、実際の働き以上に評価され、優遇されていると感じる選手は何人かいる。

その一方で、今季、もっとも評価されていい首位打者と最高出塁率の2冠をとった小園海斗の契約更改は1月下旬になる見通しとか。

WBCも控えているし(まだ発表はされていないが私の中で小園は代表確定)、心置きなく準備をさせてあげたいのに。


でも、プロ野球選手って、困難はつきものだから。

小園は高校を卒業して入団してからも、田中広輔に忖度する球団とベンチからフラットな扱いを受けていると思えなかった。スター選手を素直に起用できない球団に見えました、私には。

若くして小園は逆境(?)を経験してきているので、このことでシーズンやWBCの準備に支障が出ることはないでしょうけれど。

オーナーの「お気に入り」かどうかはさておき、佐々木が球団から推されているのはなんとなく感じる。ドライチだったのだし、期待されて当然。

でも、小園もドライチだった。4球団競合の中、指名して迎え入れたのに(しかも活躍しているのに)、この扱いは何?


そんな小園が「期待の若手」について問われると、「いないですね。昨年、シーズンの最後の方にたくさん1軍に上がってきましたけど、まだまだだなという感じです」と、バッサリ。(「デイリースポーツ」)

佐藤啓介や前川誠太、昨年1軍出場はなかったけれど、中村貴浩ら、活躍してほしい若手はいます。でも、オーナーの言葉より、小園の言葉の方が自分の感覚と近い。

ポーンと出て活躍してくれたら嬉しいけれど、それだけの選手なのかどうか、私の中ではまだ佐々木は様子見選手。

さすが優勝を目指していない(その程度の気分で語る)オーナーと、現場に身を置くトッププレーヤーとの温度差を感じる。

ドラフト会議のときにも毎回出てくるし、選手について口を出してくるし、ほかにたくさんやることあるでしょうに。マツダスタジアムのスタンド、ガラガラなんだから!
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2026年1月5日

秋山、今年もラジオで語った!……若手に抜かれる怖さ・キャリアローからの逆襲・會澤へのリスペクト


1月3日のブログで、「プロ野球戦力外通告2025」は冬の風物詩と書きましたが、ここ数年、私の新年のお楽しみの一つになっているのが、文化放送の「秋山翔吾の打って守ってしゃべります」。

文化放送と言えば、シーズン中、西武の実況中継をメインに放送しているラジオ局。この秋山の新春特別番組は今年で5回目だとか。

秋山が西武に在籍していたのは2019年まで。西武を離れてから始まっている番組。どんだけ秋山、愛されてるの?  それ以前に、現役のプロ野球選手が冠番組持ってるって、稀有では?

秋山のトークが面白いからこそ続いているんでしょうね。秋山はいつも自分の言葉を持っていて、話したいことがたくさんあって、リスナー(野球ファン)に向けて話してくれるそのサービス精神、いつもいいなと感じてます(ヒーローインタビューも)。


昨年は盟友・前田健太をゲストに迎え、約1時間の放送。前田効果でスポンサーがついたと言ってました(やるじゃないか、マエケン)。

今年は4年ぶりに秋山がソロで放送。放送時間が30分だったのはちょっと寂しかった。まるで打席数が減ったシーズンと重なって。

カープ4年目のシーズンを終えた秋山。昨年11月に開催されたカープのレジェンドゲームでは、いろんなOBの方にもご挨拶。少しずつカープの後輩として認識されてるのかなって感じたそうです。

そして2025年の振り返り。64試合、157打席、145打数、38安打、打率2割6分2厘、ホームラン1本、打点5。これはカープに来てからすべてキャリアローの数字。スタメンの数は29試合。


開幕3戦目(阪神戦)で負傷。あの試合、ファビアンが初ヒット。

「オープン戦からなかなか結果が出ず、外国人選手として慣れない環境の中、すごく明るくて他の選手ともコミュニケーションとってやってくれてたんですよ。(1塁上にいた)僕もすごく嬉しくて、サードまで確実に行けるな、ファビアンも2塁まで行けるかなと思って、サードのベースを回る前にいつもより早く体を内側に向けようとしたら、ベースの外側にまわってしまった」

その上で起きたアクシデントだったようです。「何万回踏んできたベースでそういうことになるのかと、まだまだレベル低いな」と振り返っていました。

でも、ケガがすべてじゃない。取り返す自力がなかったと自ら語っていた秋山。自分の力量に謙虚、客観的。2軍でいい結果が出ていたからまだやれると退団した田中広輔との違いはここなのでは?


スタメンが少なくなり代打の試合数が増えことで、運動量が落ちるので、練習にかける時間がかなり長くなったそう。

また、今季、ライトでのエラーが記憶に残る秋山でしたが、シーズン前、両翼につく準備をしていなかったとのこと。2024年の成績からすると、「来年もセンターでやるだろうな」と思っていたそうです。私もそう思ってた。

「センターはいつでもできるような簡単なポジションだと思ってほしくないんですけど、僕の中ではフィールドに立ったとき、一番不安感が少ないんですよ。なのでレフトとかライトとか怖いから、練習でいろんな打球を受けて、こういう打球もある、こういう追い方をしなきゃいけないというのをなるべくやっておかなきゃな」と、練習量を増やしていたそうです。


若手に抜かれる怖さはありましたから。だからこそフルイニングで試合に出続けることを意地に思ってやっていた」

「本能的にこの怖さをイメージできてたんだろうな、と。体が痛いから全力を尽くせない、試合に出られない。そのことより、身体が元気なのに出られない怖さ、それが早まっていく怖さがあったんだと思います」

この感覚はプロ野球選手としてまっとうなものだと思うけど、秋山がカープの外から来たからこそ、よけいヒリヒリしたものを持っているような気がした。

どの選手だって危機感持ってやっていると思うのだけど、このヒリヒリ感(臨場感)、野間峻祥から感じられます?

「2年連続同じことになるんだったら、あ、これ3年目も4年目も下手したらチームは残してくれないなという想像が容易についてしまうので、2年分まとめてやってやるぞという思いに秋山翔吾、いま火がついてます」

ボッ! ファイヤー!


それから、とっても印象的だったのが、會澤翼に言及していたこと。田中将大の200勝、前田健太のNPB復帰、オランダに行く石川歩と、いろんな動きのあった88年世代。

2021年から日本プロ野球選手会の会長をつとめてきた會澤は、このオフ、ソフトバンクの近藤健介にバトンを渡した。 

「選手会の会長という、やったこともない、想像もつかない大変さの中で、プレーしていた選手が隣にいてっていうのは、これは貴重な体験。すごい男と同じチームにいるというのは改めて感じました」

来季からは會澤にとって、プレーに集中できる環境。「逆に言うと、アツが野球に集中したときの爆発力がこの1年あるんじゃないかと想像できるんですね」と、秋山


選手会会長という、縁の下の力持ちのような仕事を4年間担ってくれていた會澤へのリスペクトを感じる言葉、実はなかなか聞かない言葉とも思いました(會澤に爆発力が残っていると嬉しいけれど、そこは……)。

と思ったのも、『労組日本プロ野球選手会をつくった男たち』の著者、木村元彦さんのお話を、年末にラジオで聴いたばかりだったからなんです。


これはプロ野球ファンにも(そうでない方にも)知っておいてほしくなるお話だったんです。(つづく)
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2026年1月3日

新年早々、プロ野球戦力外通告


1年間愛着あった2025年から(5の倍数ってなんとなく書きやすい)、2026年になりました。2026年も「(ほぼ)毎日カープ」をどうぞよろしくお願いいたします!

遅まきながら、12月29日放送の「プロ野球戦力外通告2025」をTVerで見ました(新年早々、戦力外の話かーい)。

番組名は「プロ野球戦力外通告」なのに、つい「戦力外通告の男たち」と呼んでしまう(「プロ野球選手の妻たち」に引っ張られ。この番組、最近放送ありませんね)。


プロ野球ファンには冬の風物詩となっているこの番組ですが、年々深夜枠に追い込まれているような。これもまたプロ野球人気低下の表れの一つなのか……。

今回は、セ・リーグから、北村拓己(元ヤクルト)、山本大貴(元ヤクルト)、宇草孔基(元カープ)の3人。「元」と付いてしまうことにまだ馴染めない。まだ宇草はカープにいるような気がしてしまう。

トライアウトのシーンでは、山本と対戦した韮澤雄也も登場(ヒット打った!)。まだあんまり会話をかわさもないうちに転校していったクラスメイトのような気分です、韮澤~。松山竜平コーチの登場はなかった、見たかった。


宇草はトライアウトではノーヒット。あぅ~。1軍でスタメンはってる選手だって、何打席連続ノーヒットなんて、ざらにあるとは言え……。

トライアウトでヒット打って声がかかる世界ではないけれど、ほぼ引退を覚悟していたように見えた山本は、得意のスライダーで三振2つとって終われたことが清々しそうに見えた。

トライアウトに参加する選手にはみな、まるでドラフト指名された選手の活躍を願うのと同じように、声がかかればいいなと思ってしまう。が、そうは行かない現実。

プロ野球選手になれるのは、ほんの一握りの人たち。そこで長く活躍できるのは、それ以上に一握りの人たちなのだという当たり前のことに毎回つきあたる。


これまで一緒に自主トレを行っていた秋山翔吾がトライアウトを控えた宇草の練習に付き合っていた。

バッティングについてのアドバイスや、「球を見ているだけでも違うから」とモチベーションがあがるような声をかけていたのがとても印象的だった。

将来、カープでコーチをやってくれないか~(石井琢朗さんのように)。と心の中で叫んだのは言うまでもない。
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