前回お届けした、木村元彦さんの「日本のプロ野球の現役選手たちが、自分たちで声をあげ、選手会(労働組合)を作った」という話にはじんわり感動してしまいました。
パーソナリティの砂鉄さんが、「この本(『労組日本プロ野球選手会をつくった男たち』)を読むと、選手のイメージがガラッと変わるっていうか、グラウンド外でどういうアプローチをしてきたかっていうのがほんとにわかる一冊ですね」と話していて、その通りと思いました。
労組をつくるためのリーダーとなった中畑清さん。
2004年、近鉄とオリックスの合併問題から起きた球界再編問題のとき、仮処分申請を出して、裁判所まで持っていった選手会。そこからいろんな圧力を受けながらも、過去に一度もやったことのないストライキを遂行した古田敦也さん。
ストライキを決断させたのが高橋由伸さんの一言だったこと。
2011年、東日本大震災のとき、セ・リーグの開幕を遅らせるため、動いた新井貴浩さん。
なんだか、それぞれの(元)選手を見る目が変わりそうです。
もう一つ、忘れられないのが田尾安志さんのお話。
2004年のストライキのあと、楽天イーグルスができたとき、せっかく選手会が勝ち取った新球団だからと、田尾さんが火中の栗を拾うような形で、最下位になるのはわかっていたけれど、自ら監督に名乗り出た。それだけではなく、プロ野球っていうは何のためにあるのかという礎を作った。
田尾さんは、「地域のために将来のために、監督というのは選手やファンを幸せにするために存在するんだ」と言っていたのだそうです。なんて素晴らしい!
この言葉を聞いたとき、木村さんは「この人をちゃんと取材したい」と思ったそうです。そして、取材していて、とても清々しかったと話していました。
創設1年目の楽天は、戦力不足で最下位、38勝97敗1分けの散々な成績。何も知らない私は、田尾さんにとって不名誉な経歴になってしまったなと思っていた。
でも、その後の楽天の歴史の礎になってくださったんだなと、感じ入るものがありました。リスペクトの気持ちが止まりません。
木村さんの、「自らあげた声によっていろんな選択肢を勝ち取っていったというのは、野球界のみならず、日本の民主主義を考えていくうえでも書き残していきたいと思った」という言葉も力強かったです。
もう一人のパーソナリティ、西村志野さんはもともと野球が大好きで、「ライオンズナイター」にも出演されていて、野球選手を近くで見てきた人。
「レギュラーシーズンたたかうだけでも相当なプレッシャーがある中で、野球選手として一番いい時期、脂がのっている時期に、個人の成績よりも何よりも球界のために動いているっていうことに驚きもしましたし、感動もしたんですけど、それを今の現役の選手たちとかファンのみなさんて、どれくらい知っているのかな」と話していました。
この本、ぜひ読みたいと思ってます。プロ野球ファンはもちろん、そうでない方にも読んでほしくなりました。
「選手会の会長が無償で、なんのメリットもない」という話にも驚きました。今でこそ経費は多少あると思うけれど、中畑さんの頃は移動するのも自腹だったとか。
「そんな中で、会長になろうとする人に対するリスペクトを我々は持つべきじゃないか」という木村さんの言葉にもグサグサきました(新しい会長は、ソフトバンクの近藤健介です!)。
そんなこともあって、秋山翔吾が、日本プロ野球選手会の会長をつとめてきた會澤に対して、「選手会の会長という、やったこともない、想像もつかない大変さの中で、プレーしていた選手が隣にいてっていうのは、これは貴重な体験。すごい男と同じチームにいるというのは改めて感じました」とラジオで話していたことに、グッときました。(こちらです)
そんなことも知らず、新井さんや會澤について、今までいっぱいネガティブなこと書いてきて、ごめんなさい。
いや、そのことと采配やプレー(現在の力量)とはまた別の話ではあるけれど、選手会会長という大変な仕事をしてきたことへのリスペクトは忘れないようにしたいと思ったのでした。
しかし、新井さんがそんなリーダーシップを発揮していたとは。むしろ監督より、フロントに入ってチームを改革した方が向いているのでは?(もしくは打撃コーチ、2000本安打の人だもの)
そして今年も會澤が護摩行に臨んだというニュース。(「デイリースポーツ」)
「やらないと気持ち悪いというか、スイッチが入る」と話す會澤。ずっと続けているとむしろ歯磨きのようなもので、そらやらないと落ち着かないかもね。
とは思うのだが、「そこじゃないんだ、そこじゃ」と思うのであった。
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