2018年4月30日

藪田和樹と松坂大輔、この日の四球の数は……

4月30日、阪神戦(マツダスタジアム)。
先発から中継に転向していた藪田和樹が、再び先発に抜擢。

先発としても、中継ぎとしても、なかなか投球が安定しなかった藪田。一度、二軍で調整しては? と思ったファンも少なくなかったはず。それをここまで一軍で投げさせ続けたのは、藪田への期待の表れなのだろうけれど。

しかし、現在の藪田の状況を冷静に(客観的に)見ているというより、昨年の奮闘ぶりが首脳陣の記憶に強く残っていて、それにとらわれすぎているような気がしてならなかった。

5回表、藪田がフォアを2回出し、1塁2塁になった2アウトの状況で、アドゥワ誠に交代。

「もう安心できない」と首脳陣にスイッチが入ったのかもしれないが、こうした状況は予想できたことなのに。こんなところで交代させるのなら、どうして先発させたのか。藪田に期待をかけて先発として送り出したのに、中途半端な采配だと思わずにいられなかった。

まだ1点もとられていないのに。藪田が期待に応えられなかったという話かもしれないが、選手に対するリスペクトがぶれているのを感じずにいられなかった。



この日、横浜戦で先発した中日の松坂大輔が、6回1失点に抑え、今季初勝利。よかった!

ところで、この試合で松坂が与えた四球は7。
どんな状況で出していたのかはわからないけれど、四球の数は、藪田と同じです。ちなみに藪田は自責点ゼロ。もちろん藪田の方が投げた回は少ないですが、松坂もけっこう四球が多かった。

4月22日に、プロボクサーの村田諒太さんの「誰かにどう見られてるかということに対して、恐怖を感じる」という印象深い言葉をご紹介しました。

松坂がソフトバンクを退団して、中日への入団が決まったときの会見での言葉、「まわりにどう見られようが、何を言われようが自分でまだやり切った、悔いのない野球人生と思えないので、そう思えるようになるまでは自分を信じて進んでいきたい」も併せて思い出してしまいます。

まわりにどう見られようが……力強い言葉に松坂の復活を待ちたいと、そのとき素直に思いました。

藪田は登録抹消されるとのこと。またぜひ、ガッツあふれるプレーを見せてくれるのを待っています。



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● もし誰も試合を見ていなかったら
 現役を続けるということ

2018年4月29日

いつもどおりで衣笠さんへ

4月28日、阪神戦(マツダスタジアム)。

この日は、4月23日に71歳で亡くなった、カープOBの衣笠祥雄さんの追悼試合でもありました。

8月6日に行われているピースナイターしかり、黒田博樹が引退後、全員が15番のユニフォームを着用して臨んだ2017年3月のセレモニー的な試合しかり、特別な試合には強くないイメージのカープ(と言っても、ピースナイターは、こちらがカープの試合を観戦するようになったのが2015年で、その後たまたま3年連続で負けていただけなのですが)。

そんなことを思い出したのは、ピースナイターにまつわる、こんな記事を読んだことがあったからです。1975年に初優勝した当時、カープの主砲だった山本浩二氏さんの言葉が忘れられなかったからです。

「やっぱり、野球は勝たないとイカン。はっきり言うて、初優勝したときのワシら選手は、原爆がどうだとか、広島市民のみなさんの気持ちに応えなきゃとか、そんなことはまったく考えとらんかったよ。だって、毎試合毎試合、勝つのに必死やったからね。その結果として優勝できて、勇気や希望を与えられたんや」

毎試合毎試合、勝つのに必死だった。……だから強かったのだとも思いました。力強い言葉です。

この日、衣笠さんへの感謝と尊敬の気持ちを胸に抱きつつも、思いがからまわりするような試合にならないことを臨んでいました。

ら、それはよけいな心配でした。通常どおり(当たり前ですが)ゲームは進み、鈴木誠也の満塁ホームランやタイムリーあり、好守備あり、中継ぎ陣の無失点リレーありで、勝つことができました。

誰かのためにという美しそうな言葉にまどわされることなく、いつもどおりで。で、いつもどおり、勝ったり負けたりしてゆく。



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もし誰も試合を見ていなかったら

2018年4月27日

野村祐輔と東克樹の間合いに差を見た!……バナナにも目が釘づけ


26日、横浜DeNAベイスターズ戦。

横浜の先発は、開幕から三連勝のドラ1・東克樹ドラフトのときから「即戦力左腕」と名高かった東の投げっぷりを見られるのが楽しみでもありました。目力、強いですね。

1回表、カープから3点先取されましたが、その後も堂々と投げていて素晴らしかった。この日、DAZNで中継の解説をしていた門倉健さんが、「間合いというのは天性のもの」と、東のマウンド上での間合いのよさもほめていた。

自分がマウンドの上に立っている。そのリズムがちゃんと基準になっているというか、腹がすわっているというか。それに対して、この日のカープの先発・野村祐輔は、門倉さん曰く「バッターの間合いに合わせていた」。

試合翌日の報道で知りましたが、野村が4回で降板してしまったのは、背中のハリが原因だったそう。とはいえ、東の、あのゲームの流れはそう簡単に渡さへんでぇ! という気迫が伝わってきそうな間合いは見応えありました。

その東。ベンチに下がるごとに、バナナを食べてエネルギー補給していました。あ、食べてる。あ、またバナナ食べてる。と、思わず声に出てしまったほど。

2006年、夏の甲子園で早稲田実業の斎藤佑樹(現・日ハム)が、ポケットからハンカチをとりだしマウンド上で汗をおさえていたのを見たときと同じくらい、新鮮な光景でした。

3回以降、3対3の同点が続き、こんなときゲームは1発が出て決まるもの……そんな予感がしていましたら、9回表、カープにまさかの1発が。

代打のエルドレッドが久しぶりの存在感! まさかの中日から三連敗のあと、まさかの横浜から三連勝。よしっ!



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横浜DeNAベイスターズに広島カープを見た!?

2018年4月26日

横浜DeNAベイスターズに広島カープを見た!?

4月25日、横浜DeNAベイスターズ戦。

連勝街道まっしぐらと勢いに乗っていた横浜相手に、3タテを覚悟していたので、24日に続き、ちょっと拍子抜けの勝ち越し。

横浜戦に入って、丸や松山にようやくヒットがお目見え。まるで対戦相手の打撃の導火線に火を付けてしまう(ボッ!)広島のいつもの役割を、昨日今日と横浜が肩代わりしてくれているみたいで、なんとも妙な心持ちです。そうは言っても、この日もしっかり3ホーマー浴びていますが。

23日と24日は、相手のエラーや、スタジアムの照明が影響したと思われる外野守備など、カープにとってラッキーなことが続いた感は否めませんが、勝てるときに勝っておきましょう。

87球と、まだ余力を残して降板したカープの先発・岡田明丈。7回5失点の内容は本意ではないでしょうが、勝たせてもらえたことはよしとしましょう。

開幕から3連勝を続けていた、横浜の先発・京山将弥(まさや)。この日は1回2/3という早い降板になりましたが、打たれてもマウンドで表情を変えない19歳。黒田博樹と少し顔つきが似ているように感じて、対戦相手といえど応援したくなる選手がまた一人出てきました。



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野村祐輔に黒田博樹を見た2017年

2018年4月23日

もし誰も試合を見ていなかったら

逸材を発掘し、育てることに定評があると言われているカープですが、ビシエド、ゲレーロ、アルモンテ、モヤ……と、毎回のように結果を残す外国人選手を見つけてくる中日のスカウトも、心憎いではないですか(ゲレーロは巨人に移籍した今年、今のところ目立った活躍はなし)。

中日ドラ1のニューフェイス、鈴木博志の、あの重そうな球も、何度見てもしびれます。そんな週末の3連戦でした。

ナゴヤドームの観客席で、一生懸命応援しているファンの子どもたちを見ていて、ふと、黒田博樹の言葉を思い出した。

「僕は、常にどんなマウンドでも、強いプレッシャーを感じながらマウンドに立つ。それは、勝ち負け以前に、投手としてマウンド上でたたかう姿勢を見せることが大切だと思っているからだ。なぜなら、その試合は、投手の僕にとってはシーズンのうちの1試合にすぎないかもしれないが、球場に来てくれたファンや、昔、大阪球場にわくわくしながら通った僕と同じような子どもたちにとっては、思い出に残る大切な1試合かもしれないからだ」

これは、黒田が『決めて断つ』の中で、語っていたこと。
また、ヤンキースに在籍していたころ、あるテレビ番組で、こんなことも話していました。

「マウンドに上がるときはやっぱり怖い」
「ニューヨークの家にベランダがなくてよかったなと思ってました。ベランダがあったらもしかしたら……と思ってましたから」

それはドキッとするくらい、野球に対する覚悟の強さを感じる言葉でした。それは、試合を見に来てくれるファンに対する覚悟の強さと言った方がいいのかもしれません。

開幕して一時期、首位打者だったころの丸は、バッターボックスに立ったとき、何かやってくれそうな雰囲気、この人が今一番頼りになる、そんなオーラが確実に出ていました。しかし、このところ、そんな気配がまったく消えている。そういうのって、おもしろいほど観客に伝わってくる。

ファンはもちろん勝つ試合が見たいけれど、覚悟を感じるプレーをじつは見たいんじゃないかと思ったのだ。



プロボクサーの村田諒太さんが、4月1日放送の「ジャンクSPORTS」(フジテレビ)で、興味深いことを話していました。

Twitterで募集された視聴者からの質問に答える企画で、「一番怖いものは何ですか?」という質問が出たときのこと。

番組MCのハマちゃんこと浜田雅功さんから「対戦相手に怖さってありますか?」と聞かれ、「いや、もうないですね」。

「でも、結局、何と戦ってるかと思うと、誰にどう見られるかっていうことと戦ってるんですね」

「たとえば、誰もいないところで、マイク・タイソンとスパーリングしてみてくれと言われたら、それはそれでやってみたい」

「でも、そこに観客が生まれることによって、怖さって生まれるじゃないですか。本質的な殴り合いに恐怖があるんじゃなくて、誰かにどう見られてるかっていうことに対して、恐怖を感じる」

「自分の一番の敵は自分」とはよく言われていることで、自分でも実感することがあるけれど、客観的にものが見えている人なのだと感動してしまった。

基本的に技術的なことが大きく関わっているのかもしれないけれど、もし、誰も試合を見ていなかったとしたら、岡田明丈や藪田和樹はフォアボールを連発するのだろうか。

しかし、誰も見ていない試合なんて、そもそもプロスポーツの試合として成立していないとも思える。誰かに見られているなかで、力を発揮することは難しい。でも、それがないと充実感はきっと得られない世界なのだ。



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客商売という姿勢

2018年4月21日

なんてこと

4月20日、中日戦(ナゴヤドーム)。

先発・野村祐輔がピリッとしません(この「ピリッとしない」は野球独特の用語ですね)。なんだか体が重そうです。6回投げて11安打を浴び、4失点。

それでも、調子が悪いなりになんとかこれで踏みとどまって6回まで投げたところは、岡田明丈との小さそうで大きな違いでしょうか?

しかし7回表、カープは一挙に5点をあげ、逆転。よし、まだまだこれから。昨夜の5時間近くに及ぶ総動員の延長試合を制したムードのよさを引き継いでいきたいところ。

とくに安部友裕は、昨日の最終回、ツーアウトで二塁打を打って下水流昂の逆転打につないだあの集中力をもってゲームにのぞんでいるのが伝わってきました。ハ・キ!

そして、ちょっと席を外していたら……ぬ? 後続の中田廉がツーアウトまでこぎつけもう一息というところで、連打連打を浴びているではないですか。ザ・ブルーハーツばりに飛び跳ねたくなりました。

そんな状況でも、ベンチの腰は重く、5点を献上したところで、アドゥワに交代。その後も2点献上。

なんてこと。中継ぎ陣の疲労が並々ならぬこととは言え、1回に7点はちょっと。

以前、カープOBの大野豊さんか、安仁屋宗八さんだったでしょうか。中継ぎは、1回を投げるのだから(1回しか投げないのだから)、集中して1点もとられないようにしてほしいと言っていたことが忘れられません。さすがの豪腕の言葉に重みがあります。

先発とはまた違った調整の難しさがあるのは承知の上で、中継ぎのエキスパートとして、ぜひまっとうしてほしいと願っています。



でも。毎回、こんな試合の後、緒方監督は「自分のミス」「責任は自分にある」という言葉を発している。

全体の責任を負うのはトップに立つ人の仕事で、ミスを認めるのは潔いことではある。

でも、毎回、紋切り型のように「責任は自分にある」と言われても、響いてこない。どの部分でどうしたことについてそう言っているのか。次に生かされている感じがしない。ベンチ入りの投手の数を増やすとか、中継ぎ陣の重い負担をへらす具体的な策を取っていただけないものでしょうか。

4月19日のヤクルトとの延長戦を制したときの、選手たちの晴れやかな顔を思い出すと、あのムードを打ち消すようなベンチの腰の重さ、アクションのなさが、もったいなく思われてしかたありませんでした。



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ラミレスの采配見ていて考えた(一句)
サヨウナラ〜。

2018年4月20日

まさかの総力戦、安部が下水流につないだ劇的な結末

4月19日、ヤクルト戦(マツダスタジアム)。

先発・岡田明丈は4回4失点で降板。その間、守りでの小さなほころびも積み重なって、中盤まで、カープのフィールドからは緊張感というか集中力が感じられない。温度の低さを感じるゲームでした。

岡田のあと、中継ぎ陣は0点に抑え、9回表、アドゥア誠。2つのフォアを出したり、自らのフィルダースチョイスがあったりで、1死満塁のピンチ。

しかし、雄平の内野ゴロを菊池が俊敏なランニングスローでホームに返球。俊足の山田哲人がランナーだったにもかかわらず、見事な返球でツーアウトに。続く荒木をゴロで打ち取って3アウト。

ピンチと劇場ムードを招きはしましたが、バレンティンからの三振といい、アドゥワの打者に向かっていく姿勢はとても応援したくなるものでした。この9回裏、球場がアドゥワへのエールに包まれていて、感動してしまった。試合の前半、どうにもカープのフィールドの温度が低いように感じて仕方なかったのが、いつのまにか、熱を帯びてきた。

9回裏、2アウトで田中広輔にヒット、そしてこの場面で盗塁成功!
バッターは菊池涼介。守りでいいプレーが出たあと、攻撃によい影響を与えることもある。そんな結果を願っていたら、三塁打で同点に! 試合は延長戦に突入。

11回の表、堂林翔太のよい守備も見ることができました。その裏の攻撃、ツーアウト満塁のチャンスで、堂林。9回の菊池のときのようになるか……と見守るも、この回は秋吉に軍配。試合は最終回へ。



12回裏、2アウトノーランナーで安部友裕が爽快な2塁打。続く、下水流昂が初球をねらって、安部が生還! 

安部と下水流ががっしりと抱き合っている姿を見て、そのまわりに喜び合う選手たちの輪が出来て、選手スタッフがハイタッチしていて……まるで優勝のときのようなシーン。素晴らしかった!

下水流のヒーローインタビューで「安部が行く前に、“必ずつなぎますんで”と言ってくれたので、僕が絶対にかえしてやろうと、打席に入りました」という言葉を聞いて、あの二人のガシッとした抱擁の意味を知る。

でも、安部が下水流につなぐまでに、中継ぎ陣が踏みとどまり、菊池や堂林の好守、菊池の同点打とつないでいった印象的なシーンがいくつもあって、えぇ、野球を堪能させていただきましたよ!

夜遅くまでパソコンで中継を見ていたのと、劇的な結末とで、脳が刺激され覚醒してしまったみたいで、寝付くのにかなりと時間がかかってしまいました。



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ヒーローは誰だ? ほぼまんべんなく活躍中

2018年4月16日

プロ野球、143試合は多いのか?


プロ野球が開幕して約2週間。セ・リーグは首位と最下位が4.5ゲーム差のだんご状態。2015年の再来となると、面白そうです。

ところで開幕3連戦は「毎日のように野球を楽しめる季節がやってきたんだなぁ」と、春の幸せを味わったものでした。(カープが3連勝したので、なおのこと幸せ感が大きかった)。

冬のシーズンオフ以外は、ほぼ4月から9月の約半年間、毎日のように何かしら、ネットで、ラジオで、テレビで観戦できるなんて、やっぱり野球は日本人に親しまれているスポーツなのだと思いました(地上波放送やラジオ中継は減っていますが……)。

野球選手とサッカー選手は、男の子が「大人になったらなりたい職業」の上位の常連。

しかし、サッカー(Jリーグ)の試合が行われるのは、基本的に週末。
野球はシーズン中、月曜以外なら平日も見られる。これはファンにとって贅沢な話。



そこでもうひとつ思い浮かぶのが、大相撲。こちらも年に6回、2週間かけて(平日から週末まで)取り組みをテレビで見ることができる。ちなみに、相撲は2ヵ月に一度、次のスケジュールで行われています。毎年恒例というか、季節の行事のようで、いいですね。

1月場所(国技館)、3月場所(大阪)、5月場所(国技館)、7月場所(名古屋)、9月場所(国技館)、11月場所(福岡)。

さて、プロ野球とサッカーと相撲の年間試合数(日数)は……

プロ野球は、1チームあたり143日。
サッカー(J1)は、1チームあたり34日。
大相撲は、本場所(公式戦)は、15日×6回で、年間90日。

ニュースでも日常的に試合結果が報道されているプロ野球と大相撲。メジャーなスポーツに報道が偏よっているんじゃないの? もっといろんなスポーツも取り上げて知らせると面白いんじゃないの ?と思ったことも。でも、試合数(量)が多いことも、取り上げられてきた理由の一つかもしれませんね。

と、かなりざっくりした話でしたが、野球が日本人にとって(大半の、ではないですけど)日常的に親しまれているスポーツなんだなぁと、ふと数量的に見て思った次第です。



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143分の1の大きな勝利……大人のカープ感じた田中広輔のヒーローインタビュー

2018年4月13日

岡田明丈、阪神戦で負の連鎖断ち切る!

4月12日、阪神戦(甲子園)。岡田明丈とメッセンジャーの投げ合いで始まる。

1回裏、岡田が先頭打者・高山にフォアボール(出た〜)。続いて、岡田が鳥谷のゴロをファンブル(やっても〜た〜)。そして、糸井がヒットで、あっという間にノーアウト満塁。ロサリオの犠牲フライでトントントンと、阪神に1点。

しかもこの日、岡田は2度の送りバント失敗もありました。

昨年なら、このまま負の連鎖が続くのでは……と思われそうな展開が幾度となくありましたが、ミスを引きずることもなく、フォアの連発もなく、「腕を振って、テンポよく投げた方がいい」との磯村のアドバイスが功を奏し、野手の援護にも恵まれて、終わってみると、6回1安打1失点という手応えある投球内容。

4月5日、初登板のヤクルト戦でも、 先頭バッターにいきなりフォアを与えるなど、つい昨年のフォア連続大量失点が脳裏をよぎり、見ている側としては期待しないように……と防御反応が起きたりもしたものでした。

しかし、初先発の日に続き、この日も大崩れすることなく、チームの4連敗もストップ!

チームの4連敗ムードだけでなく、昨年からファンが岡田に対して抱いていた「フォアフォア病」のイメージをもこの日は断ち切ってくれました。

昨年春のキャンプで、宮本慎也さんや三浦大輔さんが予言してくれていたように、いずれカープの柱になるためのこの1年を期待させてくれる投球でした。

打撃も大好きという岡田。この日の2度の送りバント失敗を胸に刻み、さらに打撃練習に意識をもってのぞんでくれることでしょう。でも、岡田にはいっそ普通に打たせてみたらどうでしょう? なんて思ってしまいます。こちらの赤いユニフォームでも、投打に期待していますよ。



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4月5日、岡田、打った、抑えた!
坂倉将吾と岡田明丈を見てくれている人がいた

2018年4月9日

〔ミニ情報〕鈴木誠也のインタビューが2冊の漫画雑誌に!

4月4日、下半身の張りで登録抹消された鈴木誠也。復活が待たれます。そんな待ってる間に、ちょっと嬉しい「耳寄り誠也情報」をお届けします。

ただいま発売中の『グランドジャンプ』No.9(集英社、4月4日発売)と『モーニング』18号(講談社、4月5日発売)。この2冊は違う出版社から発行されている漫画雑誌ですが、このたびコラボ企画が実現。鈴木誠也が2冊同時にインタビューに登場しています。

『グランドジャンプ』に連載中の「プレイボール2』のコージィ城倉さんと、『モーニング』に連載中の「グラゼニ」の原作者・森高夕次さんは、じつは同一人物。2つのペンネームを持つ作家です。

コージィ城倉さん&森高夕次さんと、鈴木誠也の対談がそれぞれの雑誌で読めるというわけです。

『グランドジャンプ』では、「プレイボール2」にちなみ、下町で育った野球少年時代を語る「A面」が。

『モーニング』では、プロ野球と切り離せないお金の話題を取り上げ話題になった大人の(?)野球漫画「グラゼニ」ならではの、マネートークが繰り広げられる「B面」が掲載されています。

「A面」では、誠也が子ども時代、好きだったプロ野球選手は、巨人の二岡智宏だった。高校2年まで、プロ野球選手になるなんて考えてもいなかった。……などなど、興味深いお話が。

「B面」では、一軍での活躍がめざましくなり、年俸が1700万円になったとき、どんな変化が現れたか。どんな車を買ったのか。6000万になったとき、どんな行動をとったのか……。そして、年俸の額にかかわらず、先輩が後輩に食事をおごるのは当たり前というプロ野球の世界にあって、年俸があがるにつれ、先輩を自分から食事に誘いづらくなったお話などなど、誠也の人柄にひとえに愛らしさを感じます。

今ならまだ間に合います、本屋さんへGO!



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2018年4月7日

野村祐輔、真のエースにまた一歩近づいた

4月6日、横浜戦。先発の野村祐輔が8回3失点で、2勝目。

前回の登板は6回まで。「次は7回以上投げられるようにしたい」の言葉通り、8回まで投げてくれました。

この日のヒーローインタビューは、堂林翔太とのツーショット。
最初にマイクを向けられた野村は、開口一番「最高でーす」。これには意表を突かれました。

昨年まで、作文を読んでる小学生みたいな受け答えだったのに(それはそれで持ち味と思うことにしていましたが)。

鈴木誠也のようにドッコーンと突き抜けた言い方ではないけれど、ちょっと斜め下を向いて、野村なりにシャウトしているような一発。殻を一つ破ったか? チームのムードのよさゆえか? 新しい野村を見た気分です。



この日は、6回の打席でスクイズを決め、追加点。昨年の優勝を決めたゲームでも、野村は大事なところでスクイズをしっかりと決めていました。

ここぞという緊張する場面でも、きっちり結果を出せる。そんな一つのたとえとして、サッカーなら、「PK戦でゴールを決められる人」。
野球なら、「ホームランやタイムリーヒットを打てる人」はもちろんのこと、それと同じくらい「バントを決められる人」も素晴らしく感じています。

以前、黒田博樹が「エースの条件は?」とたずねられ、「(巨人の)桑田さんのように、打席でも結果を出せる人」といった意味のことを話していたことがありました。打率の善し悪しというより、6日の野村のように、たとえばチャンスでバントをしっかり決められるような人のことを言っていたのだと思います。

数年前までは、マウンドで、何かあると顔に出ていた野村のようですが、今ではたんたんと一球一球投げている……エースの覚悟・風格を少しずつ感じるようになりました。黒田というお手本になる人と過ごした2年の大きさを感じます。

そんなピッチングと打席での姿勢からも、野村にまた一つ、エースらしさを感じています。



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黒田はまだそこにいる……黒田博樹が残したもの
野村祐輔に黒田博樹を見た2017年

2018年4月6日

4月5日、岡田、打った、抑えた!

4月5日、ヤクルト戦(神宮球場)。カープは岡田明丈が先発。

昨年、キャンプを視察していた宮本慎也さんから、「注目している選手。15勝行けます」と評価していただいていた岡田。今年からヤクルトのヘッドコーチをつとめる宮本さんの前で、「俺の目に狂いはなかった」と言わせるピッチングをぜひとも。

対するヤクルト、37歳の館山昌平。いろんな経験をしてきたベテランならではの佇まい、カープの石原慶幸と、阪神の鳥谷敬を足して2で割ったような渋みのあるルックスにも目が釘づけに。

さて初回。先頭バッター、山田哲人に対していきなりフォア。あー。昨年の岡田のフォアフォア病を思い出し、胸がざわざわ。
しかし、山崎晃大朗、バレンティン、青木宣親を打ち取って、無事スリーアウトチェンジ。

2回・3回・4回は三者凡退。と、4回まで、投手戦が続きます。

そして5回表、先頭打者・岡田がヒットで自ら出塁。

昨年、8打点あげている岡田。力、入っていないように見えるのに、時々ポーンと出るヒット。ピッチングはもちろんのこと、打席に立つ岡田を見るのもじつは楽しみ。
投手では珍しく、専用のマスコットバット(素振り用の重いバット)で、日々練習もしているそう。得点へのたゆまない意欲、素晴らしい。

岡田のヒットを皮切りに、田中がヒット、丸が3ラン! 4回まで、ヤクルト・館山との投手戦が続いていたところに、3点リード!



し・か・し。援護点をもらったあと、なぜか突如崩れ出す昨年の岡田を思い出し、ハラハラと見守る。
「とられた後、きっちり取っていきたいヤクルト」というアナウンサーの声を聞きながら、「取った後、きっちり抑えていきたい岡田」と心の中で呼応するわたくしでしたが、ここも切り抜けました。

5回まで無失点の岡田。まるで昨日のヤクルト・ハフのよう。しかしここで、フォアが2つ(出た〜)。バレンティン、青木のヒットで2点を献上。

しかし、負の連鎖は続くことなく、ここでふみとどまり、6回2失点で今村猛に引き継ぎます。今村、三者凡退。よっしゃー。

今村と言えば、4月4日、ヤクルトの川端慎吾の頭部に死球を与え、動かない川端に球場全体が不安に包まれました。
しかし、この日、今村が登板したとき、ヤクルトファンからの野次は聞こえなかったそうです。

4月5日、ヤクルトのマスコット・つば九郎はブログで、ヤクルトファンに向けて、「ひんのない、きたないやじはやめましょう」と呼びかけてくれていたそうなのです。(こちらの記事をどうぞ)

つば九郎は、赤松さんが病気を好評したときも、ブログでエールを送ってくれていました。野球と野球選手への愛情、感じます。ありがとうね、つば九郎。



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2018年4月5日

高橋昂也、5失点デビューも、怒濤の同点劇で負けは消える


4月4日、ヤクルト戦。2年目、高橋昂也(こうや)が一軍で初先発。

4回5失点のホロ苦デビューとなりましたが、ピンチでも表情が変わらない。いい面構えではないですか。俄然、応援したくなりました。

かたや、ヤクルトの初先発、新外国人のハフ。前評判通り、ヤクルトの先発の柱となってくれそうなピッチングでスタート。カープ、なっかなか打てません。

しかも、マウンド上での眼鏡姿はビジネスマンのようで、素敵。ベンチにいるときは眼鏡をはずし、いつもパーカーをかぶっていて、なんか可愛らしい。

5点リードされた5回。このまま行くと、ハフのノーヒットノーラン達成か。それだけは避けて。もうヒットが1本だけでも出てくれればいい。そんな低望み(高望みの反対語)の姿勢でいましたら、代打・磯村が1発!

続いて、エルドレッドが3ラン! 松山が1発! と、一気に5対5の同点に。神宮球場の左半分の赤い人たちが活気づきます。球場が熱気に包まれてきました。わっしょい、わっしょい。

何が起こるか予測できない。それがゲームというもの。だから「今日はもうダメかぁ……」なんて思っていませんでしたよ。でも、磯村が口火を切って、一気に同点に引き込んでくれるとは! 素晴らしい。

その後、リードされ、巻き返すことはできなかったけれど、ワンサイドゲームで終わらなかったことは、よかった。



しかし、自然と「ホロ苦デビュー」というフレーズを使っていたのですが、他のカープファンの方のブログや、スポーツ新聞の記事を見ていると、この高橋昂也の初先発を「ほろ苦デビュー」と表した記事のなんと多いこと。

ところで、「ほろ苦い」は、英語で「bittersweet」。甘さと苦さ、うれしいこと悲しいことが混じり合ったニュアンス。

4回5失点。本来なら、「滅多打ちデビュー」と書かれてもおかしくないかもしれないところ。しかし、怒濤の同点劇で負けが消えたこともあってか、「ほろ苦」と二段階くらいアップ。

それに、打たれても、呆然と青ざめることもなく、しゃがみこむこともなく、立っていた高橋の姿を見ていると、えっと、滅多打ちでしたっけ? と思ってしまうような印象。

やっぱり人間、堂々としているに限ります。



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2018年4月3日

メヒアと通訳のクレートさんはベンチで何を見ていたのか?

カープが開幕3連勝。一番しあわせなとき、それは今。順調すぎて、幸せすぎて、こわい。って、まだ3ゲームしかやってへんやないか〜い。
そんな、ちょっと弱気で幸せな休日。つまり、ゲームのない月曜日。

ところで、4月1日の中日戦の9回表。
カープのベンチにカメラが回ったそのとき、私は見た。メヒアと通訳のクレートさんが何か見ながら話しているのを。クレートさんの手には、プロ野球選手名鑑が。

ポケットサイズで、黄色い表紙。やっぱり球場ではハンディサイズの名鑑がもってこいですね。二人はベンチ前の手すりに寄りかかって話していたので、くっきり見えました。

表紙の感じからいくと、『プロ野球カラー名鑑2018』(ベースボール・マガジン社)かと思われます……。



クレートさんとメヒアは、中日のどの選手をマークしていたのでしょうか。まさか、カープのチームメイトをチェックしていたのではあるまいな? ちなみに、そのときマウンドには、九里亜蓮が立っていましたが、何か?



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2018年4月1日

ヒーローは誰だ? ほぼまんべんなく活躍中

中日との開幕3連戦。
いずれもワンサイドゲームとならず、見応えある3連戦でした。
終わってみれば、3連勝。だからカープファンとしてはそう余裕を持って言えるのかもしれませんが。

でも、大差のないゲームをものにできたのは(かと言って、競り勝ったというほどではなかったけれど)、今のカープの強さを、同時に中日の勢いの届かなさを表しているのでしょうか。

今日のヒーローインタビューでは、久しぶりに下水流昂のカラッとした元気な声が聞けました。浮世絵顔を見ることができました。よかった、よかった。(下水流は、名字だけでなく、お名前も珍名さんですね)

捕手が固定しているチームは強い……と言われることがありますが、昨日は石原が、今日は磯村が存在感を出してくれたのも、今のカープにとっては豊かな感じがして、見ている側としては面白いです。

終盤になると、がっちりと守備固めに立つ、美間と野間。卓球のダブルスにならって、「みまのま」コンビと呼びたいです。

それにしても、この3連戦。いずれも、「今日のヒーローインタビューはあの人? この人?」 と、複数の選手の顔が思い浮かんでくるゲームでした。

2016年と2017年のリーグ優勝のときのMVP選びのよう。誰か突出した存在がいたというより、いろんな人が多様な活躍を見せていて、カープらしさを感じました。



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