2018年3月31日

143分の1の大きな勝利……大人のカープ感じた田中広輔のヒーローインタビュー


3月30日、マツダスタジアムで開幕した、中日との初戦。

野村祐輔が待望の(本人にとってもファンにとっても)開幕投手に。
テンポよく初回を終えたかと思いきや、突如として球数が増えテンポが悪くなったり。今日も定時出社、いや早引きか……と、ため息をつきかけた直後にまたテンポ復活。1試合にいろんな波はありましたが、援護にも恵まれ、クオリティスタート。嬉しい1勝です。

開幕4番スタートの鈴木誠也のタイムリーヒット、逆転されたあとのエルドレッドの同点ホームラン、開幕1軍を飾った代打メヒアのヒット、打席には立ちませんでしたが、1塁で好守を見せた美間優槻……心躍るシーンがいくつも。

開幕戦白星は4年ぶり。開幕戦を勝たなくてもリーグ二連覇しているのですから、関係ないとわかってはいても、白星スタートはやっぱり気持ちいいです。

中日の開幕投手・小笠原慎之介から5点を奪いはしましたが、小笠原の投球にもろさを感じることはなく、この1年、手強いことには変わりはないと、ふんどし(装着してませんけどね)を締め直したい心持ちでした。



この日、3安打2打点と活躍した田中広輔が、エルドレッドとともにヒーローインタビューに。

「143分の1なんですけども、すごい嬉しいです」という言葉が印象的でした。

かたや、田中広輔と高校・大学でチームメイトだった巨人の開幕投手・菅野智之。登板2日前に受けたテレビの取材で、「(開幕戦を)143分の1だと考えていない」と話していました。

1週間に一度登板する先発投手と、連日グラウンドに立つ野手とでは、1試合の感覚が少し違うのかもしれませんし、開幕投手としての菅野の責任感や強い意志が表れた言葉なのかもしれません。

しかし、田中広輔は、勝てたことを素直に喜びつつも、この日の3安打という自分の成績を「ちょっと出来すぎなのでまた明日、気を引き締めて頑張りたい」と、浮かれることなく話していました。

黒田博樹が「目の前の1試合1試合を戦っていくだけ……」と、よくヒーローインタビューで話していたのを思い出します。その後、ほかのチームメートも、その言葉を自分たちに言い聞かせるように口にするのも、たびたび目にしました。黒田が引退をした後も。

昨年と今年のカープのキャンプを訪れた何人もの解説者が、「王者の風格を感じた」「大人のキャンプを感じた」と評していて、驚いたことがあります。え、そうなの? というか、他球団はどんななの? と。

でも、この日の田中広輔のヒーローインタビューを聞いていて、そのことがなんとなくわかった気がしました。



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黒田はまだそこにいる……黒田博樹が残したもの
野村祐輔に黒田博樹を見た2017年

2018年3月28日

スリリングです、カープ

いよいよプロ野球開幕まで、あと2日。胸がズンズン高まりますね。

そんな高鳴る胸とは裏腹に、あれ? 藪田和樹が3月27日の登板で、6回7失点。どうした〜? 藪田。しかも、二軍戦と来たもんだ。

そう言えば、巨人のエース(いや、球界のと呼びたいくらいだ)菅野智之は、年に1回くらいは大量失点するゲームがあると言っていました。うんうん、そういうこともある。って、まだオープン戦やないか〜い。

前田健太がメジャーに移籍したときも、黒田博樹が引退したときも、先発の大きな柱がいなくなったことを不安視していた評論家の方たちが、少なくありませんでした。誰がその後、カープがリーグ優勝すると、ましてや二連覇すると考えていたでしょうか(カープOBの安仁屋さんは考えていました。私も想像していました)。

でも、誰かいなくなると、その穴を埋めようと、飛び出してくる人がいるもの。一人いない状態がそのまま続くような単純なものではないと、私は大きく構えていましたよ。

人との間にも化学反応は絶えず起こるもの。えぇ、物質ではないですけれども。いや、人間の体も原子で出来ているから、物質と言ってしまいましょう。いろんな人がいて作用しあう、それがチームというものだとなんとなく感じていたからです。

開幕前、2戦続けての荒れっぷりに、開幕先発ローテーションの確約も保留となった藪田。この時期に、開幕まであと2日なのに、ローテーションが決まっていないなんて、カープ、スリリング。

予定通りに行かないことなんて、人生でも社会の中の出来事でも、しょっちゅう起こること、結構、結構。

今年はどんな化学反応が起きるか? 明けてのお楽しみ。パッパラ〜♪(幕あけのイントロ)



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やきもきオープン戦にはワケがある

2018年3月26日

新井貴浩も宮原知子もこうして大きくなった!

3月21日、ランニング中に左ふくらはぎを痛め、1軍での開幕スタートを見送ることになった新井さん。調整は順調と聞いていただけに残念です。でも、一番悔しいのは、きっと本人。

今までならOKだった同じトレーニング内容や動作でも、年齢が影響して、少しずつ体への負荷が大きくなっているのでしょうか?

新井さんというと、2016年4月26日、神宮球場で2000本安打を達成した試合でのヒーローインタビュー、「まずは丈夫に生んでくれた両親に感謝したいと思います」という言葉が忘れられません。

やっぱり基本は「体(からだ)」なのだと、スコーンと響きました。

平昌オリンピックで、ショート、フリーともに自己ベストの演技で4位をマークした、フィギュアスケートの宮原知子さん。
表彰台を飾った3人の選手の演技は迫力ある素晴らしいものだったけれど、宮原さんにしか出来ない表現の世界、やわらかな演技は心に残るものでした。

羽生結弦さんやメドベージェワさんも、大きなケガを経てオリンピックに臨みましたが、宮原さんも2017年1月、左股関節の疲労骨折で、昨年の世界選手権を欠場。オリンピック前のシーズンをケガと向き合い過ごしました。

フィギュア界では体重が軽い方がジャンプを跳べる、という考えが定着。でも、骨折を完治させるため、その常識に反して、宮原さんは体重を増やすことに踏み切ったそうです。

これまで30キロ台後半だった体重が、40キロ台に。すると、19歳にして、身長が2センチも伸びたそう。

オリンピックの舞台での宮原さんは大きく見えた。ケガを経験して精神的に一回り大きくなったことと、指先まで気持ちの行き届いた美しい演技に磨きがかかったことの表れかと思っていたのだけれど、身長が伸びたこと(体重がほんの少し増えたこと)も関係あったのかもしれません。



宮原さんの栄養・食事のサポートをしている味の素の栗原秀文さんは「跳ぶのに必要なのは、筋肉」と宮原さんに伝え、見守ったそう。

からだと食べることが大きく関わってるのは承知していたつもりでしたが、華奢な宮原さんの体重が増え(それでもとても華奢ですが)、身長が伸びたことには、目からウロコです。よろしければ、こちらの記事をどうぞ。

味の素の栗原さんは、羽生さんのサポートもしているそう。かつて、フリープログラムの後半になると、体力が持たなくなっていたイメージの強かった羽生さんも食が細かったそう。栗原さんは食事の大切さ(質だけでなく量も)を伝え、筋肉もつき、ジャンプの成果につながっていったようです。

ところで、新井さんも黒田も、からだ大きいです。面白いことに二人とも、カープの若手陣から「(年齢のわりに)よく食べる」と言われていました。もちろん、ご両親から授かったものが大きいとは言え、やっぱり体と食事は切り離せませんね。

新井さーん、モリモリ食べて、4月中の1軍復帰を待ってます。



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スランプの原因とはいったい何か?

2018年3月24日

元カープ・木村昇吾がクリケット日本代表に!

2008年から2015年、カープに在籍していた木村昇吾さんが、23日、クリケットの日本代表選手に選ばれました。

昨年、西武を自由契約となり、12球団合同トライアウトにも参加していた昇吾さん。その後の消息が気になっていたので、このニュースには驚きました。

名前は聞いたことがあるけれど、そもそもクリケットって、どんな競技? なんとなく勝手にゴルフに近い競技をイメージしていたので、YouTube で「クリケット」と検索して、納得。

動画でゲームの様子を見てみると、ボールを投げて、打つスタイル。そこのところは、ものすごく大まかに言うと、野球に近いように見えます。それもそのはず、野球の原型になったスポーツと言われているそうです。

なぜクリケット? どんなルートで? 素朴な質問が尽きません。
知り合いを通じて転身をすすめられたのがきっかけだそうです。



日本ではまだメジャーではありませんが、競技人口はサッカーに次いで世界第2位。インド、スリランカ、オーストラリア、ニュージーランドなどでは人気の競技で、年収30億を超えるトップ選手もいるとか。

日本ではマチュアリーグしかないため、海外リーグでプロとしてプレーすることを目指しているそう。そのためには、日本代表に選ばれる必要があるとのことですが、その扉の一つをまず突破したわけです。

プロ野球を戦力外になって、独立リーグに進む人、一般企業に就職する人、セカンドキャリアはほんとに人さまざまですが、クリケットに転身した人は初めて。

「すべての面で能力が突き抜けて高い。十分活躍できると思います」と、クリケットの元日本代表選手からも高い評価を受けているそうです。野球と似ているとはいえ、似て非なるもの。これから数々の実戦やトレーニングを重ねて力を磨くことになるのでしょうが、やっぱりさすがの身体能力。

カープで過ごした2015年のオフ、退路をたってFA権を行使したことも思い切った決断でしたが、この転身も、縁を大切にした決断。チャレンジングな人なのだと思いました。

がんを克服して一軍復帰をめざすカープの赤松真人さん同様、プロ野球からクリケットへの転身も前例のないこと。次に続く人たちの道を作る仕事となるかもしれません。

昇吾さんの転身についての、こんな記事も見つけました。クリケット姿の昇吾さんの写真も凛々しいです。応援しています。



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どんな仕事でもきっと誰かが見ていてくれる

2018年3月21日

やきもきオープン戦にはワケがある

野村・ジョンソン・藪田・大瀬良・岡田で、5枠は決定的と言われていたカープの開幕先発ローテーション。

3月20日、オリックスとのオープン戦で、藪田が5四球6失点と大荒れ。しかも、前回登板の13日の日ハム戦でも、6四死球5失点と、2試合続けての荒れ模様。試合後、緒方監督は、次回の登板内容次第で、藪田を開幕ローテから外す可能性も示唆していたとか。

Yahoo!のトップニュースにも出ていましたよ。それはそれで、すごいことです。

17日の楽天戦で、岡田は左脚に打球の直撃を受け、打撲と診断され、先発がグレーゾーンに。暗雲がジリジリと……。と思ってしまいそうなムードですが、この日々の一喜一憂感、シーズン中と同じですね。



週刊ベースボール』2018年3月19日号で、堀内恒夫さんが連載コラム「多事正論」の中で、「野球をよくご存じの人ならお分かりだとは思うが」と断りつつ、こんな話を紹介していました。

オープン戦の序盤ですごく活躍するルーキーや新外国人選手がいるけれど、そのまま開幕を迎え好調な選手もいれば、ばったり打てなくなる選手も。

「オープン戦の序盤、ベテラン投手になると、あえてルーキーや新外国人選手には打たせるようにするのだ。どのコースに、どんな球種の球を投げれば打つのかというデータをチーム全体として取るからだ。(略)打たせることで得意なコース、球種を確認したほうが確実だ」

オープン戦はお試し期間とはよく言われますが、なるほど、なるほど。逆にオープン戦で、応援しているチームの打撃好調な選手を手放しで喜ぶのはまだ早いとも言えますが。

昨年のオープン戦の結果を振り返って見ると、1位はロッテ。カープはお尻から2番目。オープン戦の結果がシーズンの結果に直結しているわけではないのは、いつもながらのこと。さよう。せめて開幕前は、泰然自若といきまっしょい。



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2018年3月19日

黒田博樹の極意 …… 鈍感力でいこう


2015年、黒田博樹がカープに復帰した4月。家族が黒田のインタビュー記事を見つけてきてくれました(『朝日新聞』4月10日)。メジャーから8年ぶりに日本に復帰した40歳に、注目が集まっていた時期でした。

その中でも、とくに印象的だったのが、「鈍感になるのも必要」という話。

「(アメリカでは)たとえば時差があって、いつもと起きる時間がずれたとき、神経質になり過ぎると、ストレスを感じ、普段通りできない部分がでてくる。時の流れに任せて、あえて鈍感にやった方がいいなと思ってました」

「食事も普通なら登板前日は炭水化物をとる、栄養バランスを考える、となるけど、アメリカでは日本食レストランがないところもある。〈これを食べないといけない〉って考えたらストレスの一つになってくる。(略)だから、サバイバル力というか、そういうものは身についてますね」

対照的だったのが、黒田と同世代で、メジャーも経験した松井稼頭央。2015年、松井が2000本安打を達成したとき、こんな新聞記事を読んだことがあります。アメリカで生活していたとき、食事にも気を配って、日本食が手に入る店をなんとか探し出していた……というものでした。

東京とミラノを拠点として活躍しているデザイナーの佐藤オオキさんは、「物にできるだけこだわりを持たない」よう気をつけているそうです。デザイナーというと、こだわりのものを大切にしている人が多いイメージがありますが。

たとえば、このペンでないと、このメモ帳の質感でないと、いいアイデアが浮かばない……仕事道具にそうしたこだわりが増えると、いざそれがない環境になったとき、集中力を発揮できなくなってしまいかねない。決まったペンやメモ帳がなくても、いつでもいいアイデアが浮かぶようにしておいた方がいいと言うのです。(『400のプロジェクトを同時に進める 佐藤オオキのスピード仕事術』より)



佐藤さんは、1ヵ月のうち半分を海外出張で過ごすという生活を通して、自分の思い通りの環境が整っていない場所でもフラットに生活する方法、こだわりを捨てる術を経験上身につけていったと思うのです。

こだわりが強さを生むこともあるかもしれないけれど、こだわりを捨てるのは、大きな強さになると感じたのでした。



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客商売という姿勢
広島テレビのアナウンサーが追い続けた黒田博樹

2018年3月17日

控えの選手もフル回転 …… 目に見えない闘い

フィギュアスケーターの無良崇人さんが引退を発表。

平昌オリンピックで、男子シングルのショートプログラムにて、羽生結弦さんが演技を終えた時、無良さんは「これで自分の役目は終わったな」と感じたといいます。

その一文だけを読んで、どういうことなのかと思っていたら……。
無良さんは、この大会の補欠選手として選ばれていたので、平昌オリンピックまで練習を続け、体調を整えていたそうです。

そうか。選ばれた選手が突然、試合に出られなくなる可能性だって、あります。いつ何が起こるかわかりません。選ばれて表舞台に立っていた選手以外にも、オリンピックに臨戦していた選手の存在を知りました。

大きなケガから復帰した羽生さんが無事ショートの演技を終えたのを見届けて、そう感じた無良さんの心情が伝わってきました。



昨年のシーズンオフ、ジャイアンツを戦力外になり、その後、日ハムへの復帰が決まった實松一成。控えのキャッチャーとして、チームを支え続けたジャイアンツ時代について、實松はこう語っていたそうです。

「もちろん試合に出ていたほうが充実感はありますよ。でも試合に出なくても、試合に出ているキャッチャーと同じように配球を考えながら試合に入り込んでいなければならないのが僕の仕事でしたから、いつ行くか分からないという緊張感、プレッシャーは、試合に出ているときと変わりませんでした。試合が終わったとき、体が疲れることはありませんけど、頭と心は相当、疲れていますからね」
「高卒松坂世代・實松一成“もういっちょ”の勝負」/『週刊ベースボール』の連載コラム「石田雄太の閃球眼」より)

いつでもプレーに入っていけるよう、スタンバイ。控えだからと言って、フル回転なのは変わらない。

スケートも、プロ野球も、そういう選手の存在を意識してみると、さらに実戦の緊張感やきびしさが感じとれて、世界が増幅して見えます。坂倉将吾も、ベンチの中でも闘って、育ってほしい。



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坂倉将吾と岡田明丈を見てくれている人がいた

2018年3月13日

中村奨成よ、もっとビッグマウスであれ!…… 野村克也さんをガッカリさせた一言とは

野球解説者の野村克也さんが、スポーツニュース番組「S☆1」(TBS)で、カープのドライチ・中村奨成と対談。

野村さんのような人と対談できるなんて、とても恵まれたこと。「投手の信頼を得るために、毎日の生活が大事。〈あいつ、野球勉強してるな〉っていうのをどんどん投手に見せないと」などなど、捕手の大先輩からの金言の数々が、どうか中村に届いていますように。

さて、昨夏の甲子園での活躍ぶりに、「20年に一度の逸材」と中村を絶賛していた野村監督ですが、この対談であることに「がっかりした」そう。その中味とは……。

今季の目標を聞かれ、「持ってる力を出し惜しみなく、1軍にしっかりアピールできるように、上がれるように頑張りたいと思います」と答えた中村に、「そんなこと誰でも言えるんだよ。誰も言わないこと言ってみろ。何が何でも俺は1軍に上がるんだとかレギュラー獲るんだとか、そういう意気込みを持ってもらいたい」と、指摘。

中村は、「何が何でもオープン戦から1軍に上がれるように頑張りたいと思います」と言い直したようです。(詳しくはこちらの記事を)


キャンプ中から大きな注目を集めている、ハムのドライチ・清宮幸太郎。昨年、プロ志望を表明したときの会見で、「(早実の先輩でもある)王貞治さんのホームラン記録(868本)を超えたい」と話していたのには、かなり驚いた。

今まで、そんなことを言った人はいなかった。これは、タダモノじゃあ、ない。驚いたけれど、清宮なら言っても受け入れられる何かを感じます。王さんもこんなふうに話す気概のある後輩が現れて、生意気と感じるより、嬉しかったんじゃないかと思ったのでした。

2010年の楽天のキャンプで、「4年連続の岩隈(久志)さんから、開幕投手を奪い、沢村賞をとります」と宣言し、まわりをアッと驚かせた、田中将大のことも思い出します。

その年の開幕投手は岩隈でしたが、田中はその後、球界を代表するエースとなり、2013年、楽天を優勝に導きます。2011年と2013年には沢村賞も受賞。

中村奨成もキャンプを経験し、プロの現実を目の当たりにして、入団前よりおのずと発言も謙虚になっているのかもしれませんが、ぜひ大きく育ってほしいです。

そう思いつつ、坂倉将吾にもカープを(球界を)代表する選手になってほしいし、もっともっと石原慶幸のリードとキャッチングを何より見たいし、あぁぁぁぁ、贅沢な悩ましさです。



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中村くんと新井さん …… 選手の呼び方考
どんな仕事でもきっと誰かが見ていてくれる

2018年3月11日

プロ野球選手名鑑、わが家のおすすめはコレ!

オープン戦たけなわですね。オープン戦が始まる手前頃から書店さんにプロ野球選手名鑑がズラリと並ぶのは、もはや野球ファンにとって、早春の風物詩。

初めて選手名鑑を買ったのは2015年。カープを応援するようになったシーズンでした。あまりにたくさん種類があるので、どれがいいのか迷った思い出が。

球場での観戦のおともにぴったりの持ち運びに便利なポケットサイズから、じっくり家で読むのを楽しめる大判のムックまで。基本的な情報にしぼったコンパクトなものから、球種やゾーン別成績まで取り上げたデータが充実しているものまで、ほんとうに様々。それぞれの利点があるので、迷います。

書店さんで実際に手にとった印象で決めてから、毎年、わが家はコレ。『週刊ベースボール』の『2018 プロ野球全選手カラー写真名鑑号』です。



老舗雑誌の臨時増刊号として出ているものです。雑誌特有の軽さ、ページめくりのしなやかさ。そう、持ち心地が決め手でした。

掲載されている情報は……生年月日(年齢)/身長・体重/出身地/球歴・入団経路・ドラフト順位/推定年俸といった基本的なもの。好きなタイプや愛車、趣味・特技が書かれていることも。的を射た番記者寸評も魅力です。

雑誌の臨時増刊号なので、通常号と同じく、特集記事や連載コラムなど読むところが多いところも魅力です。雑誌好きな方におすすめです。もっと詳細なデータを楽しみたい方には、データが充実した名鑑がもちろんおすすめです。

ゲームを見ながら、気になる選手が出てきたときページを開くこともあれば、時間のあるとき、パラパラと雑誌をめくるように眺めるのを楽しむことも。

今やネットですぐに選手情報を見られるご時世ですが、選手が一同に介した名鑑は、単発的に個々の選手のデータをネットで見るのと違って、地図のようにあれこれ眺めていて、思いがけない発見をする楽しみも大きいです。

最初、べつに選手名鑑は持ってなくてもいいかな? と思っていたのですが、家族が「あると、きっと楽しいよ」と乗り気で、買ってみたところ……。一冊あるとないとでは、野球観戦の楽しさが大違い! 毎年の定番となりました。



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珍名さん、カープにいらっしゃ〜い。
続・岡田。愛されるピッチャーであり続けて
2018年の開幕投手を野村祐輔に

2018年3月8日

野球版・天皇杯が見たい!

3月7日、マツダスタジアムで行われたプロアマ交流戦、カープ 対 社会人オール広島。

6-0でカープが勝利。ジョンソンが好投し、ドラフト1位・中村奨成も本拠地で2安打デビューを飾ったようですね。

交流戦と聞いて思い浮かぶのが、5月から6月にかけて行われるセ・リーグとパ・リーグの交流戦。こちらは2005年から始まっていますが、プロアマ交流戦は技術向上などを目的として、2006年に始まったようです。

今回は、県内の社会人野球チームから選抜された「社会人オール広島」が対戦相手でしたが、各球団とも、社会人野球チームとの対戦がいろいろ組まれているようです。日程はこちらをどうぞ。

毎年、元旦に決勝戦が行われるサッカーの天皇杯(天皇杯全日本サッカー選手権大会)。高校生や大学生が、プロのクラブチームと対戦するチャンスがあるのは素晴らしいこと。トーナメントの一発勝負なので、プロのチームがアマに負けることもなくはないです。この番狂わせ。これぞジャイアントキリングの醍醐味。

野球でも、強豪高校や大学が、プロ相手にどれくらいの戦いを見せてくれるのか、見てみたいです。というか、プロとアマの差がどれほどのものなのか、素直に見てみたいと思うのです。

圧倒的にプロが強いとしても、アマチュア選手にとって一流選手との対戦が経験できる素晴らしい機会が用意されている……というのも、いいと思いませんか?

プロがアマに負けたら洒落にならないなんて小さなことは言わず、野球界でも実現したら面白いと思うのですが。プロの力を見せつけてくれればいいのですから。

歴史の違いはもちろんあるけれど、そんなサッカー界から学べること(まねできること)を取り入れることができたら、視点も新しくなって、プロ野球ももっとファンサービスできることがあるかも? と思ってしまうくらい、サッカー界にはなにかと風通しのよさを感じます。



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高校野球とプロ野球の大きな違い、実はここ

2018年3月7日

覆面かぶってプレーをしよう

キャンプインの季節になっても移籍先が決まっていなかったイチローのマリナーズ復帰が決まった。

上原浩治の移籍先のニュースもなかなか聞かないなと気になっていたら、こちらも古巣の巨人移籍が濃厚とか。

イチローも、上原も、この1年、まだまだ充実したプレーを見せてくれるのでは? と思わせてくれる昨シーズンだった。メジャーって、「実力主義」のスカッとした世界かと思っていたので、年齢という表面的なデータがそんなに問題になるのかと、意外だった。

しかし、この冬、メジャーのFA市場は停滞していて、ほかにもまだ所属の決まっていないトップ級の選手も少なくないという(イチローや上原より若い選手ですら)。そんな巡り合わせのよくない状況だったことも影響していたようではあるのですが、それにしても。



『週刊 ベースボール』の連載コラム「石田雄太の閃球眼」の「神戸にいるマスクマン(2018年1月2日)が面白い。

データ重視が進むメジャーなのに(だから)、「1973年10月22日生、44歳」というデータがネックとなって、今回、なかなか移籍先の決まらなかったイチロー。

「もしイチローがマスクをかぶり、一切のプロフィールを明かさずにプレーしたら、“一番・ライト”でオファーする球団は必ずある。それは、神戸での練習を見れば、誰もが納得するはずだ」というのです。

年齢というフィルターに、人が左右されてしまうことは少なくない。でも、そんな先入観から自由になれたときは、とっても楽しい。

以前、こちらにも書いていますが、80歳を過ぎてからプログラミングを学んで、「hinadan(ひな壇)」というiPhoneアプリを作った若宮正子さんのような人に出会えたとき、おなかの底からそう思います。

たとえばカープの菊池涼介は守備の名手のアイコンのような存在となっていますが、菊池がもしマスクをかぶっていたとしても、そのプレーにきっと魅了されるでしょう。

新井さんがマスクをかぶっていたら、松坂君がマスクをかぶっていたら、坂倉将吾がマスクをかぶっていたら(キャッチャーマスクはかぶっていますけど)……そんな目で選手を見てみるのも、フラットでいいかもしれません。メキシコプロレス的な楽しさも。オーラ!(メキシコの挨拶の言葉「やあ!」)



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始まりはイチローだった
イチローと黒田がどこにいても。
星野仙一さん
あっちこっちで伸び盛り

2018年3月5日

行きずりの人は言った。「マツダスタジアムって雰囲気いいんですよ」

カープの公式サイトを見ると、修学旅行カープ観戦!の可愛いらしい案内が。

むかーし、むかーし、昭和の頃。
歌番組(公開収録してるタイプのもの)を見ていると、司会者の「今日は、○○県の○○学校のみなさんが観覧にいらっしゃってま〜す」という声を合図に、客席で手を振っている学生さんたちが映る、という場面を時おり見かけたものでした。

ライブの空間を味わえる機会は、なかなか得難いもの。修学旅行だもの。出演者を選ぶことはできないけれど、いいな〜とテレビを眺めていたものでした。

球場で野球を観るというのも、またしかり。カープファンの子どもばかりとは限らないけれど(そもそも野球を見るのが好きなのかどうかも)、球場のあの雰囲気を味わって何か感じてもらえたとしたら、野球ファンとしては嬉しいかぎりです。



マツダスタジアムで行われた2015年のオールスター第2戦を見たのは、温泉地でした。宿泊施設の温泉の休憩所にて、大画面テレビの前で黒田博樹のピッチングをかぶりついて見ていた私と家族。

すると、お風呂に入りにきた人、お風呂から出てきた人が、入れ替わり立ち替わり、「あ。黒田」と、しばし足を止めて、ゲームを見てゆくのでした。

そのとき、30代くらいの男性が連れの人に「マツダスタジアムって、すごい雰囲気いいんですよ。家族で楽しみに来てる人も多くて」と話していたのが、とても印象的でした。

野球を観戦するだけでなく、スタジアムそのものを楽しめるようボールパーク化をすすめているマツダスタジアムの試みはいろんなところで紹介されていますが、何気ないゆきずりの人の会話からそのことを知ることができるなんて。取材記事を読んだとき以上に心に残ったのでした。

そう言われてみると……。数年前、東京ドームに巨人広島戦を見に行ったとき、客席に家族連れはあまりいませんでした。平日の夜でしたから、当然と言えば、当然。

どちらかというと、野球が好きで見に来ている人、野球おたくっぽい人たちが多い印象でした。そんな人たちが、いそいそ、わらわらと、球場に向かうさまを見ているのは、それはそれで味わいあって面白かったです。

どっちにしても、球場に足を運ぶのは心浮き立ちますな〜。



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野外スタジアムの空気はやっぱりいい

2018年3月3日

2018年の開幕投手を野村祐輔に

週刊ベースボール』2018年2月23日増刊号の『2018 プロ野球全選手カラー写真名鑑号』。

選手名鑑がついているにもかかわらず、通常号どおり、特集記事や連載コラムもあって、嬉しいお得感があります。

今回は、カープの野村祐輔と、明治大学の先輩でもある武田一浩さん(元日本ハム)との対談もあります。カープ(ノムスケ)ファンにはお得感が倍増です。



武田さんは、大学時代に始まり、今でも野村の試合を見てくれていて、ゲームが終わってからLINEでワンポイントアドバイスを送ってくれる間柄なのだそう。武田さんと野村は24歳違い(お父さんレベル?)。タテのつながりの深さを感じます。

武田さんは「開幕投手を期待しているよ」と野村にエール。
「開幕戦の先発マウンドに立つとすっごい緊張するぞ。俺はダイエー時代の97年にやったけど、1回の表の記憶がまったくない」
「一度はやったほうがいい」
という言葉がとても印象的です。

立ってみないとわからないその景色の違い、ぜひ今年、野村に経験してほしいです。

ところで、この対談。武田さんのこんな言葉で始まっています。
「何だか顔立ちがすっきりしたね、どうしたの?」
「何でですかね? よくそう言われるんですけど」と野村。

たしかに写真を見ていると、どこかスッキリ感が。顔の中に爽快な風が吹いている感じ。キャンプ中といい、本日の西武とのオープン戦といい、なかなかに充実感がたちのぼっている模様。それが顔立ちにも表れているに違いありません。

愛くるしい顔の中にも、エースとしての落ち着き、たたずまいが形成されていく経過を見ていられるのは、そのことに立ち会えるのは、感動的な出来事。

ますます楽しみな開幕。早くピッチングが見たいです。ヒーローインタビューはもはや作文の音読調でもかまいません。



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黒田はまだそこにいる……黒田博樹が残したもの
野村祐輔に黒田博樹を見た2017年

2018年3月1日

カープと中国新聞……地元密着のジャーナリズム

2月28日の記事でご紹介した中国新聞社のホームページ、中国新聞αアルファ。カープの最新情報が日々発信されています。

続きを読みたくなるような記事タイトルと導入部分にいつもそそられています(会員登録しているわけではないので)。

基本的に、カープを応援しているスタンス。チームや選手に愛情感じる記事がもちろん多いです。しかし、時に、ふがいないプレーがあったときには、ビシッと指摘。応援しているからと言っていつも手放しでほめているばかりではないところにまたひかれます。

以前、旅先で、『読売新聞』を読んだときのこと(ふだん読んでいないけれど、宿泊先などに置いてあることが多い『読売新聞』)。

昨日の広島巨人戦の記事を味わおうとスポーツ欄を開くと……。さよう、広島が快勝した翌日のことでありました。

すると、巨人は負けたにもかかわらず、「○回の阿部(慎之助)のヒットは素晴らしかった」といった、巨人を褒め称える一文が入っていたりするのをよく見かけました。ポリアンナちゃんのいいこと探しみたいな?

もちろん、親会社ですから。巨人ファンのお客さまが読んでいる新聞ですから。でも、負けたことに目をそらすような記事が、選手のためになるとは思えません。いえ、阿部のヒットはもちろん素晴らしいです。だがしかし。手ぬるいという日本語が今、思い浮かびました。



2016年10月16日に放映された「情熱大陸 」の「広島東洋カープに密着!」で、こんなシーンを見つけて、食い入るように画面に見入ったことがあります。

黒田博樹がメジャーに移籍するまで使っていたロッカーが、球団に保管されていた。そのことを黒田に知らせるシーンでした。

そのロッカーには、黒田が滅多打ちされた試合について書かれた新聞記事が貼ってありました。自分を奮い立たせるために、常に自分の目につくところに置いておこうと黒田自らが貼っていたものがそのまま残されていたのです。

それは、『中国新聞』2004年6月16日の切り抜き記事でした。「もはやエースではない」という見出しで、3連続ノックアウトを酷評した新聞記事は、エースの闘志に火をつけた。ボッ!

その翌年、黒田は最多勝のタイトルをとりました。

どんと構えている地元のジャーナリズムとの関係性が素晴らしいと思う。



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昨年も今年も、大人の気配漂うカープのキャンプ