野村祐輔が待望の(本人にとってもファンにとっても)開幕投手に。
テンポよく初回を終えたかと思いきや、突如として球数が増えテンポが悪くなったり。今日も定時出社、いや早引きか……と、ため息をつきかけた直後にまたテンポ復活。1試合にいろんな波はありましたが、援護にも恵まれ、クオリティスタート。嬉しい1勝です。
開幕4番スタートの鈴木誠也のタイムリーヒット、逆転されたあとのエルドレッドの同点ホームラン、開幕1軍を飾った代打メヒアのヒット、打席には立ちませんでしたが、1塁で好守を見せた美間優槻……心躍るシーンがいくつも。
開幕戦白星は4年ぶり。開幕戦を勝たなくてもリーグ二連覇しているのですから、関係ないとわかってはいても、白星スタートはやっぱり気持ちいいです。
中日の開幕投手・小笠原慎之介から5点を奪いはしましたが、小笠原の投球にもろさを感じることはなく、この1年、手強いことには変わりはないと、ふんどし(装着してませんけどね)を締め直したい心持ちでした。
この日、3安打2打点と活躍した田中広輔が、エルドレッドとともにヒーローインタビューに。
「143分の1なんですけども、すごい嬉しいです」という言葉が印象的でした。
かたや、田中広輔と高校・大学でチームメイトだった巨人の開幕投手・菅野智之。登板2日前に受けたテレビの取材で、「(開幕戦を)143分の1だと考えていない」と話していました。
1週間に一度登板する先発投手と、連日グラウンドに立つ野手とでは、1試合の感覚が少し違うのかもしれませんし、開幕投手としての菅野の責任感や強い意志が表れた言葉なのかもしれません。
しかし、田中広輔は、勝てたことを素直に喜びつつも、この日の3安打という自分の成績を「ちょっと出来すぎなのでまた明日、気を引き締めて頑張りたい」と、浮かれることなく話していました。
黒田博樹が「目の前の1試合1試合を戦っていくだけ……」と、よくヒーローインタビューで話していたのを思い出します。その後、ほかのチームメートも、その言葉を自分たちに言い聞かせるように口にするのも、たびたび目にしました。黒田が引退をした後も。
昨年と今年のカープのキャンプを訪れた何人もの解説者が、「王者の風格を感じた」「大人のキャンプを感じた」と評していて、驚いたことがあります。え、そうなの? というか、他球団はどんななの? と。
でも、この日の田中広輔のヒーローインタビューを聞いていて、そのことがなんとなくわかった気がしました。
スポンサーリンク
〔関連記事〕
●2018年の開幕投手を野村祐輔に
●黒田はまだそこにいる……黒田博樹が残したもの
●野村祐輔に黒田博樹を見た2017年