9月26日のDeNA戦、9回、カープが8対10と逆転勝ち。しのぎを削る熱戦というより、底辺を抜け切れないチーム同士、どちらも突き放せず、取って取られて、接戦となった試合といえるかもしれない。
それでも、ヒットが出ず、出ても打線がつながらず、工夫のない淡白な試合を見せられ続けていたので、打線がつながって、取られても取り返すゲームが見られて、面白かった(
9月26日のブログ)。
でも、おなかの底から「面白かった」とは言えなかった。森下暢仁と塹江敦哉のことが、引っかかれた傷みたいに残った。
6回ウラ、押し出しで1失点、3対3の同点になってマウンドを降りた森下。また勝ちをつけてあげられなかった。
そこに7回、林晃汰がホームラン! 一回消えた森下の勝ち(の可能性)が復活した! ベンチで森下の嬉しそうな顔が見えた。
投手にとって、味方が点を取ってくれるのはどんだけ嬉しいか、勝ちがつくのがどんだけ嬉しいか(それなのに、何度も何度も何度も援護のない試合続いてさ
その直後、塹江敦哉がオースティンに満塁ホームラン。待ち望んだ森下の勝ちが消えた(予感はあった)。
取り返しのつかないことをしてしまったという塹江の表情、森下の嬉しそうな顔が残って、おなかの底からは喜べなかった。
投手に勝ちがつかない理由は、言うまでもなく3つ。1.投手が打たれ自滅する。2.打線の援護がない。3.リリーフ陣が逆転される。
森下の場合、1は、あんまりない。2は、野手に頑張ってもらうしかない。3は、ベンチの采配で防げることもある。
9月26日の「
石橋貴明のGATE7」(TBSラジオ)で、ロッテOBの黒木知宏さんが、「今年のロッテの強さの秘密は何?」と問われ、「マネージメント力」と即答していた。
主力選手が大きなケガをすることなく、1年通して戦い続けている、長期離脱している選手もそれほどいない。選手がガス欠しそうなときには休ませてみたり、ボリュームを落としてみたり、上手く起用している。
ブルペンでも、3連投以上はさせない(2連投まで)。やむなく3連投することがあったら、必ず1日2日あけるとか、回し方が上手い。
1年間戦力になる選手がずっとベンチに入っているので、平均より上の戦いは確実にできる。勝ちにいくときと、そうでないときの使い分けが上手くできている、と。
カープは今年、新型コロナ感染の影響もあった(今も目に見えないところで後遺症とつきあってる選手がいるのではないかと心配)。それを差し引いても、ケガで離脱した選手が何人も浮かぶ。
いま、定位置が決まっているリリーフ陣は、栗林良吏だけ。ケナム誠、島内颯太郎、塹江らは、勝ちパターンだったり負けパターンだったり、何でもあり。
どの場面でも、投げろと言われりゃ力を尽くすのがプロ。それでも、「この場面で」と準備しやすい、力出しやすい状況を作るのが監督・コーチの仕事。なんか考えナシに闇雲に選手を回して疲れさせて。
昨日の7回ウラも、そういうマネジメントがしっかりできていたら、防げたかもしれないと思ってしまった。ゲームは何が起こるかわからないものだけど。
でも、それ以前に、あの場面で塹江と聞いて、いやな予感がしたカープファンは少なくないと思う。現場にいる監督・コーチは経験則や肌で感じてないの? あきれるしかないんだけど。
そんなことを考えていたら、今日、たまたま関係ある記事を二つ見つけた。
アスリートはたいてい首脳陣にコンディションの不安を伝えない。そこで、選手の身体をよく知るトレーナーが、ときには選手起用を首脳陣に進言することも3連覇時代にはあった。今のカープの首脳陣と選手、トレーナーはうまくコミュニケーションがとれているのか、という記事。
(「
今季のカープ低迷の要因!? リードオフマン野間峻祥の負傷離脱を招いた、3連覇のチームにはなかった“欠如”とは」Number Web)
そして、里崎智也さんのロッテ時代のお話。
日本人的な発想だと、負けているときにレギュラー陣を休ませて、バックアップメンバーを使う傾向がある。でも、勝っている試合に、控え選手を起用することは良いことなんです。ボビー・バレンタインは「勝っている試合に多くの選手を使うことによって、チーム全体で勝ちを共有できる」と話していたそうです。
(「
首位・ヤクルト、大量リードを奪い控え選手を起用 里崎氏が「良い作戦」と話すワケ」
BASEBALLKING)
「主力選手を休ませるため」と考えて起用するのと、「チーム全体で多くの選手と勝ちを共有しよう」と考えるのでは、発想というか哲学が全然違いますね。
バレンタイン監督のもとでプレーしていたロッテの選手は、野球を楽しもうという監督のメッセージを受け取って、楽しそうだったイメージがあります。
佐々岡監督は現場にはいるけれど、哲学なさそう。方針や連携なくては、舵取りできない。向いてない人を置くのは、もう今年で終わりにして。
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