2018年6月29日

巨人・菅野をじわじわ攻略した打線、高橋昂也は菅野よりマウンドにとどまって初勝利。


6月28日、巨人戦(マツダスタジアム)。

連敗ストップを託された巨人のエース・菅野智之に対するは、19歳のサウスポー・高橋昂也。高橋は今シーズン3度目の先発で、お待ちかねの本拠地デビュー。

4月4日にヤクルト戦で一軍デビューしたとき、打たれても表情を変えない面構えと投げっぷりを見て以来、応援したくなる選手に。

好調な打線は菅野を打ち崩すことができるのか。高橋の初勝利をバックアップしてくれるのか。

期待と興味に満ちた、オールで経過をじっくりと味わいたいゲームでしたが、この日はかなわず、部分部分を観戦。



5回、ツーアウト1塁2塁の場面で、野間峻祥が3ランで逆転。この場面を運良くリアルタイムで見ることができました。

その場面を見た時点で、それまでの経過はわからなかったのだけど、5回を投げ終わった時点で菅野の球数が113球と知って、おどろく。

打線がねばって、菅野に球数を投げさせたことが想像できました。菅野から4点。しかも、菊池涼介ともども、ホームランが2本。いつものように一線級の相手に淡泊なまま終わらず、それまでの粘りが実を結びました。

菅野は5回で降板。高橋は菅野より早くマウンドを降りることなく、6回2失点でクォリティスタート。先発としての役割を果たして、待望の初勝利です。

マウンド上では表情を変えず、たんたんと投げていた高橋も、ゲームが終了し、初勝利の瞬間には笑顔がほわっとこぼれ、可愛らしかった〜。

これからも、ふてぶてしく投げて、打って(初ヒットもありました)、カープの主力になってくだされ〜。



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高橋昂也、5失点デビューも、怒濤の同点劇で負けは消え

2018年6月28日

打線快調で巨人に2連勝! 真価を問われる3戦目。

6月27日、巨人戦(マツダスタジアム)。

試合開始から少し過ぎて経過を見たら、カープが初回に4点先制していておどろく。今日もまた飛ばしていますな。

その後も、巨人が得点した3回と6回の裏に、カープはきっちり得点し、リードを守る。追いつこうとしても、なかなか追い越せない巨人。

今日も打つ打つカープ。見ていて気持ちいいです。巨人の投手陣の不調・乱調あっての結果ですが、これだけ見ていると強いチームと見まがいそう。

シーズン前半、横浜や中日、ヤクルトの打線を勢いづかせてしまったカープの役割を、交流戦後の阪神や巨人が今まさにカープ相手に体現してくれているという感じ。打てるときにどんどん打っていこう、波に乗っていこう。



サードのスタメンが小窪哲也だったことにも驚く。ファームで結果を出していたとも聞いていないが、なぜ?

小窪はこの日、ノーヒット。もちろんそんな日もあります。しかし、7回に悪送球で1失策。チームの連続無失策記録がとぎれたのでは? いえ、記録なんてどうでもいい(しばられなくていい)。失策はムードを不穏にする種。蒔かないで、蒔かないで。

7回には代打を出され、西川龍馬と交代。同じ打たないのなら、美間優槻を出して。なぜ小窪?(2回言った) 思い出作り?

3戦目は、菅野智之 vs.  高橋昂也。巨人(いえ、日本球界の)エースと、19歳のサウスポー対決。これも楽しみな一戦。

交流戦後のここまで、相手ピッチャーの不調と乱調にも助けられてきた側面もある5連勝。

打てない一線級のピッチャーをどう打ち崩すかは、カープ打線の課題。2連覇していたシーズンでさえもそうでした。

これまで快調に飛ばしてきた打線の本領がどの程度のものかを知るにも、かなり興味深い一戦です。



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野村祐輔復活、長打連発、そして伸びる連続無失策記録!

2018年6月27日

またも打ち返すどころか大漁節で、フランスアが初勝利!

6月26日、巨人戦(マツダスタジアム)。

カープの先発でいま最も頼りになるジョンソン。のはずが、初回から4失点。どうした、ジョンソン。

初回打たれることがあっても、2回以降、落ち着くことが多いジョンソン。焦らず待ちましょうと構えていると、その裏、松山竜平の満塁ホームランで、同点に。

3回、岡本和真のソロホームランで逆転された直後、丸佳浩がソロホームランで同点に。その後、怒濤の5点追加。終わってみると、14対5という大勝に。

初回の4失点で、投手陣と野手陣に溝が生まれる……などまったくなく、打ちも打ったり、ド派手に圧勝。

3回で早々に降板したジョンソンの後を受けて出てきたのは、フランスア。ロングリリーフが期待できる人が、さよう、ここにおりました。

当初、第3戦で、菅野智之とフランスアが投げ合うという情報も出ていたので、それも見てみたかったところですが、5回を投げての無失点で、待望の初勝利。

9回は飯田哲矢が三者凡退でフィニッシュ。

いつもなら、ジョンソンにもう少し投げてもらって……というパターンとは違った展開となり、新鮮でした。しかも、快勝です。



交流戦の直後が、対阪神、対巨人という、なぜか相性のよいカードでよかった。交流戦で投打ともにズタズタになりかけた悪いイメージを払拭するには、最適でした。勢いをつけることのできた、めぐまれた対戦スケジュールでした。

稼げるときにはどんどん稼いでおかなくては。暖色系のチームにはなぜか強いが、青いユニフォームの3チームには苦戦しているカープですから。

阪神での3連勝といい、この日の1勝といい、相手投手陣の不調や崩壊に助けられた側面もあり。

問題は、打てない投手が出てきたとき、どんな試合を見せてくれるか。残る2戦が楽しみです。



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2018年6月25日

とられたら打ち返す、9回表のビッグイニング

 6月25日、阪神戦(阪神甲子園球場)。兵庫の実家にてテレビ観戦。

カープは1回、早々に1点を先制。このところ、不調らしき阪神。阪神ファンの母や兄はカープにリードされるたび、「おもろない」と、諦めモード。

いつもなら、チャンネルを変えたりしているようですが、久しぶりに帰ってきているわたくしのために、チャンネルはそのまま。「すいません、すいません」と頭を下げつつ(「どうぞどうぞ」と言われ)、盛り下がる周囲の中、しぶとく見続けました。

カープの先発・岡田明丈は初回から力味のない投球。バズーカストレートはあまり見なかったような。

4回、福留孝介にホームランを打たれ、同点に追いつかれるも、6回にビッグイニング。カープ打線は5点を追加。

その裏、岡田は2つのフォアを出して、失点する前に、飯田哲矢に交代。飯田も、飯田に続いた永川勝浩も打たれ、2失点。

7回は、今村猛が3つのフォアとタイムリーで1失点。今村の満塁置き土産をアドゥワ誠がきれいにホームに返して、合計3失点。6対6の同点に。

出てくるごとに、ドミノ倒しのように打たれるリリーフ陣。6回と7回で、合計5人のピッチャーが投げたカープ。1イニングで複数人を投入というのが3日続いている。ちょっと異常事態。

このまま延長戦になったら、投げる人がいなくなります〜。んで、8回はアドゥワが続投。若い者にしわよせが……。



このまま延長12回で、ピッチャーを全部使い果たす徒労試合になるのかと思いきや(阪神戦でありがち)、9回表、またしてもビッグイニングが。

西川龍馬の2塁打、堂林翔太の相手エラーを誘う好バント、続いて犠打にフォアに敬遠で満塁となったところで、4番・鈴木誠也のあっぱれホームラン。5点追加で、まさかの大逆転。

しかし、味方に点をとってもらったすぐ後、ピリッとしないことが続く岡田。

交流戦の終わりからリーグ戦再開にかけて、ジョンソン、九里、大瀬良、野村と、先発陣がよい投球を見せてくれてきただけに、岡田がその波に乗りきれなかったのは残念。

久しぶりに石原慶幸とのバッテリーを見たいのですが、プリーズ。

この夜、サッカーW杯の日本 VS. セネガルの試合は2対2で勝ち点1。日本代表が予想を覆す善戦を見せてくれました。もちろん選手は善戦なんて言葉で全く満足していないと思いますが。

試合後のインタビューで、身体を張ったディフェンスをたたえられた吉田麻也は、「2点取られてるんで何とも言えないですけど、フォワード陣には感謝しなきゃいけないですね。無失点で抑えたかった」と。

この競技でも、ディフェンスとフォワードの役割が響き合っていることを感じて、野球と重ね合わせる。

投手と野手がそれぞれの役割を果たしつつ、響き合う。そういうゲームを1ミリでも積み重ねていってくだされ〜。



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2018年6月24日

野村祐輔復活、長打連発、そして伸びる連続無失策記録!

6月23日、阪神戦(阪神甲子園球場)。

この日の午後は、兵庫の実家へ帰るため、新幹線の中。デーゲームなので、映像での観戦はもともと諦めていましたが、てっきり雨天中止と思っていました。

15時過ぎに試合が始まったと聞いて、びっくり。阪神園芸さん、グッジョブ!

試合の最後の方なら、実家に着いて見られるかも……。と、移動中に見たテキスト速報に感激。打っては、丸佳浩がホームランを2本、西川龍馬の3ランと、スカッと感が満載。

投げては、野村祐輔が無失点で抑え、いやぁ。先発ローテーションがこれでグッと落ち着きを増しますね。これは映像観戦していたら至福を感じそうな内容でした。

しかし、夕方、実家に着いてテレビをつけたところ、7回、マウンド上のアドゥワ誠を野手陣が囲んでいるではないですか。あれ、さっきの快調な展開はどこへ……?

1イニングの中で、はやくも永川勝浩に交代していますし。前日のジャクソン→今村リレーを思い起こし、不穏な空気が。大きな傷にはなりませんでしたが、すべて快調とはそうは問屋が卸しません。

しかし、その後の8回・9回でも追加点をとり続け、不穏な空気は一掃される。途中交代の下水流昂のホームランも嬉しかった。控えの選手がチャンスを与えられたときにしっかり期待に応えるのは、胸がすく思い。応援したくなります(堂林翔太もがんばれ!)。



先発が試合を作り、随所でくまなく点をとる打線。それだけで見ていて充実感があったでろうと思われるゲームでしたが、連続試合無失策の記録が12に伸びているそうですね(「中国新聞」)。

交流戦が始まってカープ投壊と叫ばれ出したころ、大量失点の底には、エラーが重く鎮座していました。

このところのリリーフ陣の乱調は少し気にかかりますが、ようやく先発の柱が整いつつあり、投壊現象がおさまりそうな気配。

そのカゲには、失策のなさ、守りの軽快さが支えてくれている。いや、投球が安定していると、守りにも相乗効果が出るというお互い様状態なのか? そのことが実は一番ホッとする材料だったりします。

ちなみに、阪神ファンが多数派の実家では、「おもしろない」と、その後すぐチャンネルを変えられました。



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2018年6月23日

この妙な安堵感はなに?

6月22日、阪神戦(阪神甲子園球場)。

交流戦が終わって、リーグ戦が再開。
なんなんでしょう。この家に帰ってきたようなホッとする感じ。

強者どもが集うパ・リーグ打線から解き放たれて、顔なじみの相手たちと、やぁ、久しぶりだね! 選手たちもどこかホッとしているような。試合中、時おり両チームの選手からグラウンド上で微笑む姿が。お互い、あそこではひどいめに合いましたな、的な?

そんな、ホッとしている場合では毛頭ないのだけど。

しかし、大瀬良大地が先発の日は、よく打ちます。

4回に丸佳浩がソロホームラン。先制点をあげます。

5回には、野間峻祥がねばって、阪神の先発・ 秋山拓巳から13球投げさせます。この打席は空振り三振で終わるも、次の打席への布石を感じさせるものでした。その予感は的中。7回、ヒットで出塁し、ホームベースもきっちり踏んでくれました。



大瀬良は7回100球を投げて、ジャクソンと交代。大瀬良をとらえきれていない阪神打線。この時点で5対0。5点差あるとはいえ、ここはもう1回、大瀬良で行ってほしかった。いえ、5点差あったから交代したのでしょうが。

しかしなんでしょう、両手をあげて喜べない交代劇。

それみたことかで8回、ジャクソンはツーアウトをとったところで2失点。さらに乱調は続き、2連続のフォア。緒方監督は、たまらず今村猛にスイッチ。

ここで交代させるのなら、1個目のフォアで代えてほしかった。予兆満々でしたもの。しかし、今村に代わったからと言って、安心感とはここでも無縁です。

不安は的中、今村が早々に1失点。緒方監督、またも早めの交代で、中崎翔太にスイッチ。なんとか逃げ切りましたが、8回に3人を投入するとは。しかも、巷では勝利の方程式と呼ばれている三人衆。

方程式の正答率は高くないもうこの呼び方、やめましょう?

ともあれ、白星発進。とはいえ、パ・リーグとの力の差を見せつけられた交流戦のあと。セ・リーグ村のこぢんまりとした感じは否めません。この庭の中でさえ、楽に勝てる世界ではないのに。



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2018年6月22日

2018年ほぼ折り返し地点、最もノーミソに刻まれたカープのトピックスはこれでした。

プロ野球、前半戦を終えるのはまだ3週間ほど先とはいえ、セ・パ交流戦が終わり、ほぼ前半を終えたような気分です。

交流戦の前半あたりまで、私の中でカープのトピックスと言えば、野間峻祥の覚醒。続いて、大瀬良大地の次期エースを期待させる投球でした。

もし仮に仮に、カープが今年リーグ優勝を成し遂げたとしたら、今の時点でMVPは野間か大瀬良?と、勝手に妄想エントリーしていたほどでした。

しかし、交流戦も後半に差しかかると、野間のバットから快音と「何か起こしてくれる」ムードが少しずつ影をひそめていきました。

大瀬良は、6月15日のソフトバンク戦で、ホームランを3本打たれ、気前よく7失点。

大量失点した投手陣と、チャンスで点を取れなかった野手陣の印象とが重なって、野間と大瀬良の活躍の印象がグッと薄くなってしまいました。

というくらい、交流戦での負けっぷりが色濃く刻まれたほぼ前半。順位もお尻から3番目。もちろん、後半、二人がどんな打撃&投球をしてくれるか、楽しみにしたいと思います。



しかし、前半のカープ、わたしが最もひっかかってしまったのは、5月31日の西武戦、薮田和樹が先発したときのこと。

薮田が1イニング10失点したことより、試合後の緒方監督の言葉でした。薮田の話になると、「そっちで評価して」と、足早に切り上げたという。

負けたゲームのあと、いつも「俺の責任」と語ることの多い緒方監督の切り捨てたような言葉。選手へのリスペクトが感じられなかった言葉。じつは今シーズン、一番ショックな出来事でした。

それだけ、緒方監督が薮田に期待をしていたが故の失望の現れだとしても。薮田が期待に応えられなかったのは事実としても。薮田に先発を託したのは自分なのに。

黒田博樹も1年目のキャンプが終わったとき、2軍で1イニング10失点したことがあるそう。当時の2軍監督は安仁屋宗八さん。そのときのことを黒田はこう語っています。

「ただ、すごかったと思うのは、安仁屋さんだ。あの試合以降も初回にいくら大量点を取られても、僕を絶対に変えなかった。どんな状況になっても、〈お前を使う、育てていくんだ〉という気持ちが、僕には嫌でも伝わってきた」(『決めて断つ』より)

1軍と2軍を同じに語れないとしても、黒田は安仁屋さんからのメッセージを受けとって、この経験を土台にしていった。

薮田はこのとき、緒方監督からどんなメッセージを受けとったのだろう。

それまでのゲームでも、薮田がまだ失点もしていないのに、フォアを連発したところで降板させたり、先発で結果が出ないと中継ぎとして投げさせたり。

中継ぎで調整させるという方法も実際にはあるのかもしれないが、それでどうにかなるような調子には見えなかったし、選手に恥をかかせているように感じてしまったくらいだった。



6月12日、日ハムの斎藤佑樹が阪神戦で4回投げて7失点したとき、栗山監督は試合後、「本人もいろいろと感じる思いもあると思う」「苦しめば苦しむほど生まれるものもある」と語っていた(「スポーツ報知」)。

斎藤に対して栗山監督は寛大すぎると思うこともありますが。栗山監督でなかったら、斎藤にこれほど何度もチャンスは与えられていないかもしれないと思ったりしますが、それも人の縁。斎藤も栗山監督のメッセージを受け止めてしっかりしないと、もう。

マスコミに報道されていないところで、緒方監督が薮田に直接どんな言葉をかけたか(かけなかったか)はわかりません。でも、人が聞いている(見ている)場所で伝わっていく言葉は大切。人の上に立つ仕事をしている人ならなおのこと。

今日からリーグ戦が再開。新井貴浩は、投手と野手の垣根をとっぱらってカバーしあおうと、呼びかけたとか(「デイリースポーツ」)。また1ミリずつ、積み重ねていってくだされ〜。



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薮田のトンネル状態続く。謎の采配も続く。
菊池涼介・野手と投手のあいだに立って

2018年6月19日

交流戦、歯切れ悪いまま終わる。福井とフランスアの違いも発見


6月18日、日ハム戦(マツダスタジアム)。交流戦、最終戦です。

先発の福井優也は、5回を投げて、4失点。

前回、6月12日の登板では、6回を投げて4失点。今日こそはと期待しつつ、期待を裏切られることも想定内。後者の予想がまた当たってしまった。

6回を投げたのはフランスア。先頭打者、中田翔にフォアを出すも、その後は三者連続三振。豪快、爽快。

フランスアが出てくると、なぜか身体が画面にひきつけられていく。そのココロは……力のある球と、可愛げと見た。応援したくなる選手なのです。

以前にも書いたのですが、フランスアを見ていると、フィールドに立っている喜び、野球を楽しんでいることが伝わってくる。可愛らしさの秘密はそこかも。

そう考えると、福井は野球を楽しんでいるのだろうか。そんな単純に楽しめるプロの世界ではないだろうけれど。黒田博樹は中学時代までを除いて野球を楽しいと思ったことがないと語っていたけれど、マウンドに立っている意気はいつも感じていました。

いつまで与えられるかわからないチャンス。ガチガチになれなんて言わないけれど、せっかく与えられた機会を福井は何とかしようとしているのか(永川勝浩なんかものすごい気迫が伝わってきますもん)。フィールドに立てている喜びが見ている側には伝わってこなくて、プスプスと不完全燃焼な気持ちにもなる。

ところで、この日のフランスア。何かが違う……。あっ。ユニフォームがストッキングを見せるクラシックスタイル(オールドスタイル)だったのが、ロングスタイルに変わっていた。軽やかで好きだったんだけどなぁ、クラシックスタイル(赤松さーん)。



1対4と、勝ちゲームではありませんでしたが、登板間隔のあいていた中崎翔太が9回に登場し、鶴岡慎也に2ランを打たれる。

間隔があいていたとはいえ、肩慣らしじゃないんですから。練習試合じゃないんですから。お金払ってお客さんが見にきてくれているゲームなんですから。

打線は打線で、初回に丸佳浩がホームランを打ったあと、追加点はなし。2塁に行くまでがやっと。

9回、バティスタにホームラン。そのあとフォアとエラーもあって、最後の最後、やっと3塁までたどりつくも、會澤翼のはぎれ悪いピッチャーゴロで、飛び出した新井貴浩がホームインしようとしてタッチアウト。今日も打線がにぶっていた。前日の猛打は一夜限り。これも想定内のこと。

交流戦は、楽天の3連勝以外は、すべて負け越し。

一振りで勝負を決められない、ホームランバッターのいないチーム。豪快な野球がカラーではないのだったら、緻密な野球をしていくしかない。

そう思うと、今シーズンからヤクルトに移った石井琢朗と河田雄祐両コーチの存在は大きかったのだなと改めて思う。が、そんな過ぎたより、そこで得たものをもう一度思い起こして、基本から1ミリずつでも積み重ねていってくだされ〜。



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地味にスゴイ?! オリックス打線と投手陣にカープのこの静けさはいったい……。

2018年6月18日

打つ打つ打線と、九里亜蓮の初完投で連敗ストップ!

6月17日、ソフトバンク戦(福岡ヤフオク!ドーム)。

止まりました、5連敗。止まったどころか、13対4の大差をつけて。

1回、松山竜平のタイムリーのあと、新井貴浩に代わってDHに起用されたバティスタが3ランを放って、初回に4点先制。

初回に点を入れたまま、そのまま凪のようなしずか〜な状態になることが多々あるカープ。

しかし、そこだけでは止まらなかった。6回、松山とバティスタの連続ヒットに始まり、野間峻祥と菊池涼介と丸佳浩のタイムリー、鈴木誠也の2ランで、8点を追加。9回にも下水流昂のタイムリーが出て1点。

 松バティコンビが大活躍。まるで呪いが解けたよう。ビッグイニングも、スタメン全員安打も、二桁得点も、もう何もかもが久しぶり。

ソフトバンクは投手陣が炎上しての大量失点。この日は立場が入れ替わり、とても他人事とは思えない。

6回以降、カープは徐々に主力を休ませ、控え選手がちらほらと登場。ここでも前日のソフトバンクとの逆現象が起こり、まさかの展開でした。



カープの先発は九里亜蓮。この日も、ボールを受けとってからモーションに入るまでの時間が短く、テンポよく投げていく九里。

5連敗してドヨ〜ンとふっきれない空気のカープの中にあって、この躊躇のなさがフラットで、清々しくて、とてもよかった。

九里とバッテリーを組んだ磯村嘉孝のリードもよかった。この日は、バティスタと磯村の起用が見事に活きました。

九里は5回、デスパイネにホームランを打たれるも、その直後引きずることなく、テンポよく三者凡退。
101球を投げて、いよいよ9回のマウンドに立ちます。

あと1アウトというところで、塚田正義とデスパイネ(またしても)にホームランを打たれ、3失点。すんなりとは行かなかったけれど、課題がまた見つかったけれど(それもまたよし)、九里にとって初めての完投。攻めのピッチングをして、しかも無四球です。

「9回のマウンドはしびれるものがあった」の言葉は、そこに上がったことのある者にしか言えない言葉。しびれました。



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2018年6月17日

泥沼に咲く一輪の白い花のよう、ジョンソン

6月16日、ソフトバンク戦(福岡ヤフオク!ドーム)。

カープの先発はジョンソン。4連敗していたカープにとっては、やっと安心して見ていられるピッチャーが出てきてくれたという感じ。

そうは言っても勝負ごと。何が起こるかわからないので見ていて緊張はしますが、今のカープの投手陣の中でジョンソンは、やっぱり一人、立っているステージが違う。

1回、ヒットで出塁した田中広輔が、死球と相手エラーでホームイン。1点を先制します。前日、完封されていたので、まずは幸先のよいスタート。

ところが、このあと松山竜平が申告敬遠で満塁となるも、チャンスを生かせず、1点どまり。ソフトバンクの采配が見事に生きます。ココロニクイデスネ。

3回、鈴木誠也のソロホームランで、1点を追加。4番のホームランは嬉しい。でも、ほら、やっぱりこのさき何が起きるかまだわからないので、小さく喜ぶ。

打たせてとる(ゴロの山を築く)カープのジョンソンと、毎回のように三振をとるソフトバンクのバンデンハーク。見応えある投手戦が続きます。

6回、ジョンソンはストライクと確信していた球をボールと判定され、即座に感情は出たけれど、そのあとイライラを出すこともなく、ノーアウト満塁のピンチを1点で切り抜ける。1点で踏みとどまったこの場面は素晴らしかった。



7回からは今村猛が登場。勝利の方程式というけれど(いうけれど)。2対1と1点差のリードを守りきれるのか、なんとなく不安。ジョンソンが充実したピッチングを続けていたのだから、紋切り型はやめて、もう1イニングまかせてもよかったのでは?

球数が100球近かったからなのか、6回のピンチの場面で集中力を使った後という配慮があったのか、内情はわからないけれど。こういうことがあるたび、ベンチでどんな話がされていたのか、聞いてみたくなります。ともあれ、「勝利の方程式」という言葉を落ち着いた気分で聞けるほど、リリーフ陣が安定していると思えない空気をなんとなくこの日は感じた。

結果的に、今村が4失点。故障のため2軍で調整していた内川聖一は、2軍でもホームランをかっとばして1軍に戻ってきたばかり。早々にチャンスの場面でしっかりホームランを打つ内川、さすがです。

カープは6回と8回にもチャンスがあったけれど、またも生かすことはできず、6対2でゲームは終了。せめて僅差で終わりたかった。

勝つか負けるか2分の1の確率なので、予想はできたこと。できれば、その予想を裏切ってほしかったが、5連敗となって、いよいよシ ー ー ー ン。

ですが、ジョンソンの好投は素晴らしかった。負けたけれど、粛々としたピッチングは胸に静かに残った。石原慶幸のリードも。

できるだけ石原のフィールド上での姿を見ていたいけれど、早くバッテリーコーチとなって、カープの捕手陣を、的確に柔軟に教育してほしい気持ちも満々です。石原先輩!



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2018年6月16日

圧倒的な差を1ミリでも埋めるために

6月15日、ソフトバンク戦(福岡ヤフオク!ドーム)。

0対8。3日続いての大差負けどころか、完封です。
「昨年のリーグ覇者同士の対決」というキャッチコピーに、ぽっ(赤面)。あぁ、そんなこともありましたか……と思い出す始末。その響きに見合わない試合内容となりました。

カープのエース的存在・大瀬良大地は、デスパイネから3ラン、高田知季から2ラン、上林誠知から2ランと気前よく打たれ、4回・76球で降板。ここまで大差がついたのなら、いっそもう1イニング大瀬良に預けて、リリーフ陣を休ませてあげてほしかった。

カープは今のところ、かろうじてセ・リーグの首位にいるけれど、その先を見すえて戦わないと。オリックス戦に続き、セとパの世界の違いを感じる。あんなに苦戦していた中日や横浜が手ぬるく感じるほど。

ソフトバンクもやりがいがなかったかも。やっていてつまらなかったかも。と思ってしまうような圧倒差。まるでサッカー日本代表とブラジル代表の試合のよう。最後には、ソフトバンクの控え選手が続々出てきて、これも屈辱的なことでした。

そもそも昨年、横浜とのCSのゲームを落としたときから、カープの劣化というか、周囲からの信用をひとつ確実に落とした感じが私の中ではずっと続いています。

CSまでブランクがあって試合勘を取り戻せなかったことも、球団として一つの準備不足だったと思うし。社会人代表(アマチュア)との試合でいくら大勝しても……。

選手も、球団も、常にスキを見せず、プロフェッショナルな姿勢を見せてほしいです(あ、もちろんリラックスするときはリラックスしてね)。



そんな中にも、この日のゲームで見つけた明るい光が3つ。

6回・7回を投げた飯田哲矢が連続三者凡退(しかも5奪三振)。素晴らしかったです。

4回、新井貴浩が千賀滉大(こうだい)のおばけフォークの落ちてくる軌道を読んでミートした技ありの場面。さすが2000本安打は伊達じゃない。
(しかし、6回の打席では、1アウト2塁3塁のチャンスの場面でゲッツー。そう言えば、2015年からカープの試合を見始めたとき、ネット上で「新井さんのツラゲー」という言葉が使われていて、何だろう?と検索。その意味を知って脱力したことも、今ではカープ1年生の懐かしい思い出です)。

9回表、最後の攻撃で、先頭打者の松山竜平がクリーンヒットで2塁へ。走るのが得意じゃない松ちゃんが一生懸命2塁まで進んだのを見て、じぃんとなった。松ちゃん、孤軍奮闘しています。

しかし、ここで代走を出さなかった緒方監督。逆転は無理としても、1点入れて終わりたいじゃないですか。上本崇司はすでにもう代走したあとだったけど、まだ堂林翔太がいるでしょうが。まだゲームは終わっていないのに、監督からあきらめの姿勢を感じて、脱力してしまいました。

明日の先発はジョンソンとバンデンハーク。もうひとつのエース対決と言ってもよいカード。石原慶幸のリードにも期待したいです。

しかし、投手陣を一朝一夕で立て直すのは難しいとしても、1ミリでも今より状態がよくなるよう、黒田博樹を臨時投手コーチに呼ぶというのはどうでしょう。黒田魂とプロフェッショナルな姿勢を再注入だ!



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サヨウナラ〜。
これはもう采配の問題というレベルではなく、選手の個々の力の差では?

2018年6月15日

これはもう采配の問題というレベルではなく、選手の個々の力の差では?

6月14日、オリックス戦(京セラドーム大阪)。

3連戦が始まったとき、ほとんど選手の顔がわからなかったオリックス(こちらが馴染みなく詳しくなかっただけです)。これを機にオリックスの選手を覚えようとしていたら、この日は前日のゲームに出ていなかった選手が数人。さらに追加。覚えられるかしら……。

そちらさまも右左(みぎひだり)病ですか。それとも連勝の余裕で、まさか消化試合的な? 出てない選手も試しておこう的な? と自虐的になりそうな、2連敗の後。

それにしても、オリックスのベンチの雰囲気よさそうなこと。明るい。爽やかな風が吹いている。

オリックスとはウェスタンリーグで戦っている間柄。交流戦では初お目見えのフランスアも実はまったくの初ものとは言えず、ウェスタンで対戦成績のよかった中島宏之がスタメンに。中島は抜擢の期待に応え、4回、フランスアからタイムリー。采配が見事に当たりました。

フランスアは5回3分の1を投げて4失点で途中降板となりましたが、でも、また見たいと思わせる球の力が。応援したくなる何かを感じます。

後を継いだ一岡竜司がさらに打たれ、しかも8回、一軍にあがってきたばかりの中村恭平が3失点。おーい。

その中にあって、7回、3連投の永川勝浩の三者凡退には意気を感じました。でも、3連投って。大事にしてあげて。



このまま完封されるかと思われた7回、松山竜平と新井貴浩の連続2ランには、一時的に胸のすく思いが。この勢いで、3点差をつめよりたいカープでしたが、オリックスの好守にも阻まれ、ここまで。

これはもう采配の問題というより、オリックスの方が個々の選手の「心技体」が1枚上手(うわて)という感じがしました。

3連戦が始まる前、ほとんどオリックスの選手の顔がわからず、地味? などと感じていましたが、今はもう、存在感がドーン。カープの前に立ちはだかる壁のよう。楽天に3連勝できたのは、楽天打線の不調が幸いしていたことが大きかったとよくわかります。

カープがこんなことになっている間に、セ・リーグではヤクルトが快進撃を。これはもしかして、今シーズン、カープからヤクルトに移籍した石井琢朗、河田雄祐両コーチの影響がじわじわと出ているのでしょうか。

そんなに早く効き目が出るもの? いやしかし、ヤクルトは2015年のリーグ優勝チーム、下地はあるはず。両コーチがいなくなったカープの停滞ムードと対照的です。

両コーチから次の塁を狙う意識を教わってきたのに、いなくなったとたん、その意識が低下しているような。プロの選手なら、師匠がそばにいなくとも、心の中に師匠の声を聴き、行動するものと思うのだけど。そういう姿勢の差が一流かそうでないかを分けていく気がします。なんだか今のカープの選手が頼りなく見えます(新井さんは別)。

黒田博樹が引退してまだ1年あまりしか立っていないのに、黒田から学んだものが早くも投手陣から薄れているように感じるのも同様です(今シーズンの大瀬良大地には黒田魂が残っているのをほのかに感じます)。

人って、すぐに忘れるのね。こんなときは何度でも思い出して、基本に立ち返って!

ところで、15日の予告先発は、オリックスは西勇輝、対するベイスターズは東克樹。その名がエリアをも表す東西対決(ある意味、珍名さんペア)。こちらも見ものです。

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2018年6月14日

岡田、いつもと違った気配でスタート、そしてガラガラガラと……(崩壊)。

6月13日、オリックス戦(京セラドーム大阪)。

初回に、田中広輔、菊池涼介の連続ヒットが飛び出し、鈴木誠也がホームラン。3点先制でスタートです。

援護点があったらあったで心配なカープの先発・岡田明丈、この日は珍しく初回を三者凡退でスタート。

しかも、初回から150km台を出してます。今シーズンは、回を追うごとに力みのないフォームで投げていたイメージがあったのですが、この日はいつもと違って、力(気合い?)が入っている感じ。最初からとばしている感じ。いいぞいいぞバズーカ砲。そう思いつつ、いつもと違う気配にこれは完投ペースではなさそうな。どこへ行こうとしている岡田?

ベンチに下がったときの顔つきも、キリッと尖っていて、気合い入っている。ポワンとしていない。いつもと様子が違います。どうした岡田?

しかし、2回裏、死球とヒットをはさんで、T-岡田の3ラン。すぐ追いつかれる。せっかく4番に3ランを打ってもらったあとに、これは、うぅぅん。

しかしまた、4回表にカープは2点を追加。ありがたきことです。

それなのに、その直後、吉田正尚にホームランを浴びて、1点差につめよられる。

味方に点を取ってもらっては、すぐまた点を取られている岡田。5回裏にはフォア2つのあと、4連続ヒット。あとを継いだアドゥワ誠も打たれて4失点。

オリックスの先発・山岡泰輔は4回5失点で早々とマウンドを降りましたが、岡田も粘れず、5回途中まで8失点で降板です。

しかも、このあと出てきた永川勝浩、藤井皓哉もみな打たれる。5対12と大差のゲームに。

どんなにリードされていても最後まで見届けるのが、カープファン。そんなイメージがあったのですが、9回最後の攻撃を待たずにソロソロと席を立って移動し始めるお客さんたちが映し出される。あまり見たことのない光景。この日の試合内容が透けて見えてくるようでした。

週に一度の岡田デー。スカッと終わることを今日こそはと楽しみに待ち望んでいるのですが。



今日の野間は、前日に続いてノーヒット。この間、打席に立っていても、あのなにかやってくれそうな雰囲気がない。だんだん、もとの野間に戻ってる。アルジャーノンか〜?

安部友裕にいたっては、32打席連続ノーヒットだとか。安部のスタメンを知ったとき、今日は勝つ気がないのかな? と疑ってしまったほど。

前日、ホームランを放った新井貴浩がなぜ入っていない? なんなんでしょう。あえて流れにのせないこのオーダー。今シーズン、何度もあった。緒方監督は何に固執しているのでしょう。誰か監督に進言できる人はいない……の?

もういいでしょう(水戸黄門で)。頼むから安部を一度ファームで調整させてあげて。ベンチウォーマーでなく、打席に立って、自分のリズム取り戻してきて。

3戦目は、金子 vs フランスア。年俸5億円 vs 880万。ここまで差が大きければいっそ、その落差を、何が起こるかを楽しみたいと思います。



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地味にスゴイ?! オリックス打線と投手陣にカープのこの静けさはいったい……。
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2018年6月13日

地味にスゴイ?! オリックス打線と投手陣にカープのこの静けさはいったい……。

6月12日、オリックス戦(京セラドーム大阪)。

カープの先発は福井優也。お待ちかねの登板です。長い間、どこ行っとったんやー(ちょっと由宇まで)。

福井は初回からほぼストライク先行で、テンポももたつくことなく、球に力も感じたし、なかなかいい感じに思われました。表情もなんかこう、ネガティブな感じがなくて。

しかし2回、オリックスは大城滉二にホームランが飛び出し、2点先制。その前に出したフォアが悔やまれます。4回にも1点。6回にはロメロのホームランで1点。

福井はクオリティスタートまであと一歩というところ、6回4失点でマウンドを降りました。

悪くなかったんじゃない? と思う一方で、それは消極的な受け入れ方だとも思いました。1回10失点や7失点して「投壊」と言われていたときに比べたら、なかなかよかったんじゃない? というような。

ゲームの間、表情がネガティブな感じがしなくてよかったと先に書いたけれど、打たれて悔しそうな(メラメラしている)顔が見たかった。あとになってそんな気がしてきました。



オリックスの先発・アルバースは、この日8勝目をあげて、パ・リーグではトップ。エースではないですか。アルバースを前に、カープ打線は借りてきた猫のよう。おとなしかった。

5回、新井貴浩が一矢報いるホームラン。それまで完璧な投球を続けていたアルバートは直後、少し動揺しているように見えましたが、ふたを開けてみると、カープに与えたのは2安打。

静まったカープベンチの中で、新井さんの表情だけは淀みなく澄んで見えて(つまり諦めてないってことだ)、こんな41歳がいるのだろうか(さよう、ここにいる)。新井さんが1軍に帰ってきたとき元気だった菊池涼介も、ここのとこおとなしいですね。見て、新井さんを!

今のオリックスには馴染みがなかったので、ロッテ戦以上に、選手の顔がほとんどわかりませんでした。福良監督のお顔も(その点、ロッテは井口監督でしたので)。

わかるのは、小谷野栄一と、2016年に日本シリーズで対戦した増井浩俊(当時日ハム)くらい。T-岡田の名前はよく聞きます。

ユニフォームも白くてシンプルなデザインで、全体的に一見地味に(私がただ詳しくなかっただけなのですが)。オリックスファンの方からしたら、カープもそんなふうに見えるかもしれませんが。この3連戦を通して、オリックスの選手に少し詳しくなれたらと思います。



6月13日の先発は、カープが岡田明丈、オリックスは山岡泰輔。週に一度の岡田デー。投げ合う相手は山岡ときましたか。

昨シーズンの小柄ながらも凜としたピッチングが印象的な、オリックスの中では数少ない顔がわかる選手。苦戦するかも……?

でも、楽天の則本昂大に続き、見ることができて嬉しい。岡田と山岡の両方が見られるとは嬉しい。そう言ったことを取り消したくなるようなピッチングを見ないですみますように。

このところ、初回に乱れて、2回目以降、何事もなかったかのようにスンと平常に戻る岡田。前にも書いたけど、試合が始まる前にどこかで1イニング投げてきてほしいくらいです。

「ピッチャーにとって立ち上がりは永遠のテーマ」とは、斉藤和巳さんの言葉ですが、今回はどうなるでしょうか。



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流れを呼んだリリーフリレー、何かを起こしてくれそうな野間がほんとに起こした!サヨナラ打!

2018年6月11日

野手に好影響を与えた好投と、報われなかった好投と。

6月10日、楽天戦(マツダスタジアム)。

カープの先発は九里亜蓮、楽天は美馬学。

昨年の交流戦でなかなか攻略できなかった美馬。則本昂大に続き、手強い相手です。

この日も、ふたを開けてみると、投手戦。1試合目、2試合目に続き、引き締まった試合が見られ、心が落ち着きます。

随所に田中広輔の好守備も見られました。試合後のインタビューによると、「いい集中力でやれているのがいい結果につながって良かった」(「デイリースポーツ」)とのこと。

投手がしっかり投げて試合を作ることが守備にも好影響を与えているのが見ている側にも伝わってくるように感じていましたが、やっぱり!

前日のジョンソン VS 則本ほどの息詰まった感はないけれど、6回までどちらもゼロ行進。

今シーズンの美馬は今のところ、勝ち星なし。しかし、これまで援護にもなかなか恵まれなかった結果であろうことが容易にうなずけるようなナイスピッチング。

九里と美馬は、途中まで球数もほぼ同じだったけれど、この日、先にマウンドを降りたのは九里。投げたのは99球でした。

1週間前のロッテ戦での反省を踏まえたのか(ベンチが)、ここ4試合はリリーフ陣の無失点リレーが続いていることも安心材料だったのか、この日は九里を引き伸ばすことなく、7回表は今村猛にスイッチ。無失点が続きます。



7回裏、松山竜平と會澤翼がヒット、ツーアウトの場面で、西川龍馬が高めの球を振り抜いて、ホームラン! 今シーズン第1号だったんですね。3点をようやっと先制。

8回はジャクソン、9回は中﨑翔太。二人とも連投でしたが、ここもきっちり無失点リレー。カープが3連勝です。よい眺めです。

しかし、楽天の美馬は好投がまたも報われず、この日もまた胸がヒリヒリした。美馬が投げたのも99球。7回を投げて、マウンドを降りました。ゲーム終了後、梨田監督がベンチで美馬をねぎらっている姿が見えました。

西川にホームランを打たれたときも、ベンチに下がって勝敗を見届けたあとも、美馬は淡々とした、でも深くしみこんだような表情をしていて、男前だった。



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野球は投手が7割を実感、ジョンソン VS 則本の名勝負に野球の醍醐味、胸もヒリヒリ。

2018年6月10日

野球は投手が7割を実感、ジョンソン VS 則本の名勝負に野球の醍醐味、胸もヒリヒリ。

6月9日、楽天戦(マツダスタジアム)。

カープの先発はジョンソン、楽天は則本昂大(たかひろ)

ジョンソンは試合後に「久しぶりの先発だったので、とにかくストライクを先行させて攻撃的にいこうと思っていた。相手のバットを振らせて、球数も少なくしたいと思っていたが、その通りのピッチングができた」(「デイリースポーツ」)と語っていたとおり、初回からストライク先行のピッチング。

両投手ともテンポよく投げていくので、試合が進む進む。ともに球数も少なく、両者とも完投するのではないかと当初思ったほどでした。

「野球は投手が7割」という言葉があるそうですが、そのことを実感。ピッチャーが安定していると、土台が、基礎がしっかりしている感じ。前日、登板した大瀬良大地のときのように、投手のテンポのよさが伝播して、野手も落ち着いた守りを見せてくれている感じ。

この日も、初回から鈴木誠也の好送球が出てスタート。4回には松山竜平と菊池涼介のジャンピングキャッチも飛び出し、好プレーを堪能することができました。

前日にも増して、あぁ。野球を見ている。そんな落ち着いた喜びがふつふつと湧いてきました。それくらい、投壊(字面からして目も当てられない言葉ですね……)の不安定な状態が続いていたんだなと。



則本は6回表、フォアで出塁したあと、藤田一也の内野安打の際に、2塁への好スライディングを見せる。日頃、パ・リーグで走塁することがないのにもかかわらず。

6回裏には、丸佳浩のピッチャーライナーに反応してキャッチした後、素早く2塁に送球、飛び出していた田中広輔が戻れず、ダブルプレーでスリーアウト。

ピッチングという専門の仕事についてはもちろんのこと、それ以上に走塁や守備でも好プレー(好判断・好反応)を見せていて、素晴らしかった。

正直、楽天戦で則本と当たるとわかったときはアンラッキーな気分になりました。でも、やっぱり交流戦は楽しいです。こんな素晴らしい選手が、プレーが見られるのですから。

こういうプレーのあとは往々にして流れを呼び込むもので、その通り、7回表、嶋基宏がスクイズを決めて、楽天が1点先制。

しかしその裏、鈴木がフォアで出塁したあと、松山がホームラン。カープが逆転して2対1に。

松山はその前の4回裏の打席で、則本から11球、粘りの打席を見せていた。それがこの逆転打の伏線となっていた。

ピッチャーが打者を打ち取るために、その前の打席での投球を布石としてピッチングを組み立てる話はよく見聞きしますが、打者にも同様なことがあるのだと、打席はつながっているものなのだと見せてもらったような気がします。

完投した則本を見ていて、胸がヒリヒリした。

ところで、この日のサードは、前日のゲームで堅実な守備で魅せてくれた美間優槻ではなかった。前日、無安打に終わった美間に代わって、庄司隼人にチャンスが。しかし、庄司もこの日は無安打。

このお試し期間が終わらないうちに、美間、ぜひ打撃でもよいところを見せて、レギュラーをもぎとって。



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大瀬良大地、早くも9勝目。今日のカープは投げて打って守って三拍子揃った!(久しぶりに)

2018年6月8日

大瀬良大地、早くも9勝目。今日のカープは投げて打って守って三拍子揃った!(久しぶりに)

6月8日、楽天戦(マツダスタジアム)。

カープの先発は大瀬良大地。

昨日の大量失点のよどんだ空気は、その日のうちに後を受けたフランスアと永川勝弘が掃き清めてくれましたが、日付も変わって、マウンドに大瀬良が立つと、なんかこうやっとカープがニュートラルモードになったような空気に。

打線も、1回裏、田中広輔が初球ヒット、菊池涼介がバントで送って、丸佳浩の2塁打で1点。

2回裏、會澤翼がホームラン。

3回裏、ダイビングキャッチで好守備を見せたばかりの丸佳浩がホームラン、その後も1点追加。

大瀬良の日はみんなよく打ちます。

援護点があるかどうかは、相手チーム(ピッチャー)とのめぐりあわせも大きいけれど、勝たせたい。そんなムードを大瀬良は今のカープの中で放っています。エース的存在から、いよいよエースに近づいているのか。

三塁の美間優槻も、ゲームを通じて安定した守備を連発。今日、美間でよかった。と、そのたび思う。安打が出ずとも(もちろん出たらさらに嬉しいけれど)、それに匹敵する好守備。見ていて落ち着きます〜。



大瀬良は、7回、113球を投げて無失点。シーズンの折り返し地点を迎える前に、はや9勝です。

8回裏、鈴木誠也と池田隆英との同級生対決は、火花が静かにメラメラ散っていて、見応えありました。ここは鈴木のタイムリーで3点追加。

ジャクソン、中崎翔太の完封リレーで、終わってみると、7対0。この数字がひっくり返ったような場面ばかり見てきたような印象が強かったので、投・打・守すべてを兼ね備えた久しぶりの快勝感。か・完封です。

この日は、中日の松坂大輔が、ソフトバンクの千賀滉大に投げ勝って、3勝目。これもまた素晴らしい。やった!



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エラーとエース、見たことのない深呼吸とハイタッチ。
大瀬良大地、完走しました

中村祐太、7失点で4連続KOも、フランスア&永川勝浩の好リリーフでいいこと見っけ!

6月7日、日ハム戦(マツダスタジアム)。

今シーズン、3連勝したときがピークだったか(伸びしろはあるのか)と思わせられるような投球がその後3試合続いている、中村祐太。しかも、3試合とも4回と5回で降板。先発としての役割が果たせていない。

仏の顔も3度までと言いますが、この中村に4試合目のカードが残されていたことに正直、驚きました。福井優也、どこいったー。

2回までは無失点。まずまずのスタートをきったかに見えましたが、3回。ワンアウトをとったあと、フォア(3つ)とヒット(4本)とホームラン(1本)のオンパレードで、8者連続出塁で一気に7失点。

仏の顔も5点まで、ですよ。まだ3回。7点は追いつく可能性はゼロではないけどもっ。野手にとっても、ファンにとっても、5点と7点では逆転へのモチベーションが大違いです。



3回途中から後を継いだのはフランスア。5月26日の初先発以来の登板。また次を見てみたいと思っていたので、嬉しい。が、初先発のとき、荒れ球が多かったので、そういう人って中継ぎに向いていないのでは? 

と見守っていましたら、いきなりフォアは出したものの、5回まで無失点。6回ではフォアと死球を出しつつも、1被安打(自責点0)。

しかし、サード・西川龍馬のエラーで1点追加される。4回に、鈴木誠也のヒット&野間峻祥のホームランで2点をとって5点差としていただけに、このエラーにはご立腹モードです。

しかし、フランスアがロングリリーフをつとめあげてくれて、よかった。

打席に立っているときも、フランスアはフルスイング。2打席とも三振だったけど、気持ちの入ってない野手よりよっぽど気持ちいい。時おり笑顔が見えて、グラウンドに立っている喜びを感じた。

かつて楽天に在籍していた元メジャーリーガー、アンドリュー・ジョーンズを少し思い出してしまった。打席に立って微笑んでいる人をそれまで見たことことがあっただろうか(私はなかった)。グラウンドに立ってプレイすることを心から楽しんでる感じがして、感動したことがあるのです。2017年のWBCで、オランダ代表のコーチとして姿を見つけたときは嬉しかったな。

さて、さらに8回を継いだのは、背番号20・永川勝浩。やっと見ることができました!

2シーズンぶりの登板。緊張で、肩に力、パンパンに入ってます。

無失点で抑え、ベンチに帰っていく永川を迎えるお客さんの顔も、ベンチに腰をおろした永川に、菊池や下水流などなど若い選手たちが次々と握手を求めるようにタッチしにいく姿も、ベテラン選手へのリスペクトを感じて、何度も見返してしまった。

9回も続投。ベテランの力投に応えるかのように、失点させるものかとバックを守った田中広輔、野間の守備もよかった。



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2018年6月7日

流れを呼んだリリーフリレー、何かを起こしてくれそうな野間がほんとに起こした!サヨナラ打!

6月6日、日ハム戦(マツダスタジアム)。

1回表、カープの先発・岡田明丈が先頭打者から2連続フォアボール。野手陣との関係が悪くならないかとハラハラ。

直後に鈴木誠也のエラーもからんで2失点。投手との関係が気まずくならないかと、逆ハラハラ。その後もタイムリーとフォアが出て、結局合計3失点。

最近のカープ。投手陣の失点も目立ちますが、エラーも多い。

ところで、『週刊ポスト』(2018年6月15日号)に掲載されている、ヤクルトのヘッドコーチ・宮本慎也さんと、昨年までカープの打撃コーチをつとめた石井琢朗さん(現ヤクルトコーチ)の対談「96敗からの再出発・最弱ヤクルトの立て直し方」がなかなか面白かったです。

その中で、琢郎さんは、「石井コーチは昨年までセ・リーグ2連覇中の広島を指導しました。直接比較は無理だと思いますが……」と司会の方にヤクルトのミスの多さを問われ、こう答えていました。

「現時点でカープと比較すると萎えてしまいますよ(笑い)。カープとは違う、と割り切らないといけないんだけれど、どこかで〈もっとできるはず〉と期待する自分もいて、その狭間でもがいていますね」

この対談が行われた時点では、カープをほめていただいてるけれど……本当ですか〜とデータを見ましたところ、現時点で、セ・リーグどころか両リーグ中、カープが阪神と並んで失策33で1位でした(ポッ。赤面)。ちなみに現時点で失策数が一番少ないのが中日の18でした。(「データで楽しむプロ野球」を参考にさせていただきました)

エラーしたなら、そのあと、打撃で取り返そうとするくらいのガッツを見せてほしい。2017年のWBC準決勝・日本対アメリカで、菊池涼介がホームランを打ったときのように。

ところが、エラーした選手がその試合でヒットを打つことがほとんどない最近のカープ。そう簡単なものではないと承知しつつも、見せてほしいじゃないですか、そういう姿勢。



初回は乱れても、その後、平常になり、ゲームを壊すことはないというのが岡田のこのところのパターン。この日も2回以降は無失点。いっそ登板する前、どっかで1イニング投げてこーい。

岡田は5回の打席で代打を送られ、降板。岡田1勝が遠いです(と申しますか、カープ、1勝が遠いです)。ところで岡田は3回の打席で、やっとバントを決めました。もしかして今シーズン初めてでは? これは小さくもホッとした材料。

このあと、6回から9回まで、一岡竜司 → 今村猛 → アドゥワ誠 → 藤井皓哉の無失点リレーが素晴らしかった。6回以降、両チームともゼロ行進だったが、流れを引き渡さないムードが徐々にカープに。

9回裏、日ハムは好投を続けていた上沢直之に代わってトンキン。おぉ。これが噂の、栗山印の栗トンキン(日ハムファンのえのきどいちろうさん命名)。

丸佳浩が得意のお散歩(フォア)で、鈴木がエラーで出塁して1塁・3塁。絶好の場面と思われたところで、松山竜平がフライで1アウト。しかし、絶好の場面は、何かを起こしてくれそうな男・野間峻祥にスイッチ。

野間が打席でねばっている間、鈴木が盗塁を決めて2塁・3塁としたことも大きかった。ここで整いました。野間がヒットで、丸と鈴木がホームイン。4対3で、サヨナラ逆転です。

プロ4年目の藤井も嬉しい初勝利。ウィニングボールを持って、緒方監督に頭をポンポンされ、肩を抱かれ、祝福のツーショット。この初勝利のシーンはいつ見てもいいものですね。

おまけに、初ヒーローインタビューでは、「最高で〜っす」を声高らかに連発する野間に圧倒されたか、控えめな声ながら「最高です」。緊張のあまりふわふわしていて、所々かみかみで、通訳のクレートさんみたいに可愛らしいところを随所に見せていました。いやいや、初々しい。

遠いと思われた1勝を引き寄せたゲームでした。



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2018年6月6日

パのバッターは、セのピッチャーでリラックス?

6月5日の日ハム戦は雨で中止。3分の1を終えたところで、小休止。

6月5日の時点で、ヤクルトが交流戦の1位に躍り出ていますが、2位から6位までは楽天以外のパ・リーグのチームがズラリと占めているという。今さらですが、パの優位、見せられています。

DH(指名代打)のあるパの主催試合を見ていると、ピッチャーの打順があるセのゲームが牧歌的に思えるほど。下位打線が息抜き的、な。もちろんホントに息を抜いたりしたら、すかさず相手にやられてしまいますが。

息抜きのない打線を相手に投げ続けていると、ピッチャーの力量(体力)もおのずと上がっていくだろうし、セとパの力の差が開いていくのはごく自然なことのように思えてきます。

そんなセかパか交流戦について考えていたら、こんな楽しい記事を見つけました。

楽天が新規参入球したとき、近鉄から移籍し、楽天のリーダー的存在だった礒部公一さんが、選手の立場から交流戦を語った「セ・パ交流戦、勝敗を左右する心のバランス」です。よろしければ、ぜひ。

その中で磯部さんは、セのピッチャーとパのバッターについて、こんなふうに書かれていました。

「パ・リーグの投手はどちらからといえばパワー系の投手(強いストレート)が多く、セ・リーグの投手は技巧派(変化球)が多い。私の在籍した近鉄バファローズのように、どんどん振り回してくる打者が多いパ・リーグは、普段強いストレートを見慣れているだけに、セ・リーグの投手と対戦する際、比較的楽な気持ちで打席に立てていることが、今の結果に繋がっているのかもしれません」



6月5日の先発予定だった中村祐太は、7日に先発予定だとか。3試合結果の出ていない中村が先発を任されることに軽い驚きを覚えたのですが、福井優也が先発予定だった7日にまた中村が抜擢されることに、さらに驚いています。本当ですか〜?

復調の兆しを現場の首脳陣が見たのか、それとも最後通告なのか。

もし中村祐太が前回のような投球をするならば、パの選手はリラックスして迎えそうな予感が正直満載です。でも、ゲームは始まってみないとわかりませんので。



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2018年6月4日

カープ投壊というけれど

6月3日、ロッテ戦(ZOZOマリンスタジアム)。

スターティングメンバーを見て、前日と違い、今のカープでは納得の選択と感じて(打順はさておいて)、落ち着いた気持ちで見始める。

しかし、この日も、1番・田中広輔と2番・菊池涼介のバットからはそろって快音が聞かれず。3番・丸佳浩の打順になったところでやっと、さぁ、これから攻撃が始まる。毎回、そんな感じでした。

この日、カープは11安打。
1回に2点を先制。その裏、同点にされ、3回に1点追加を許し逆転されますが、4回に1点、5回に2点を追加して、逆転し返します。

と、ヒットはコンスタントに出てはいたんです。しかし、5回表、満塁の場面で立て続けにツーアウト。ここ一番で、チャンスを生かして、たたみかけることができれば。スカッと感にもう一歩、届かない。

6回裏、先発の九里亜蓮はここを抑えればクォリティスタートでしたが、2失点で途中降板。後を受けた今村猛も2失点。合計4点で再逆転される。

緒方監督は、九里が打たれたことについて、「こちらの代えるタイミングが遅れたから」。続いて、いつものように「それはこちらの采配ミス」と答えていたけれど(『日刊スポーツ』より)。

リリーフ陣も粘れず失点していることが多発している現状で、九里にもう一踏ん張りしてほしかったことはやむを得ないような。



その後のカープは、平熱が1℃下がったような攻撃。体温下がると、免疫力が落ちていきますよー。

昨年、黒田博樹が横浜とのCSについて書いていた「CS特別観戦記(第3戦)」(『日刊スポーツ』2017年10月21日)での “ あとは「勝ちたい」という気持ちの強い方が勝ち残る ” という言葉を思い出しました。

精神力でなんでも解決するわけではないけれど、レベルが拮抗しているプロのチーム同士、僅差を埋めていくのは、「勝ちたい気持ち」。前日もこの日も、ロッテの方にその熱を感じた。

「投壊」が野手のモチベーションを下げているのではと危惧する声も聞くけれど、もしそんなことが影響するのなら、そういう人は個人でたたかう競技を選べばいい。

昨年のカープにも、「打っているのに勝てない」「抑えているのに勝てない」と、野手陣と投手陣の間に小さな軋轢が生じたこともあったようでした。昨年、契約更改のとき、菊池はそういう溝を埋めるため力を尽くしたし、これからもチームをひっぱっていきたいと語っていました。(よろしければこちらの記事を)

菊池、元気ないですね。そう語っていたときのこと思い出してチームをひっぱって。打球もひっぱって(ポップフライ多すぎ)。



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勝ちたい気持ちはごまかせない
菊池涼介・野手と投手のあいだに立って

2018年6月2日

勝てたらラッキーと思えるような消極的なオーダー。あえて好調な波に乗らない打順。

6月2日、ロッテ戦(ZOZOマリンスタジアム)。

カープの先発は、高橋昂也。4月4日のヤクルト戦以来の登板です。

前回は4回5失点でマウンドを降りましたが、打たれても表情を変えずマウンドに立っていた姿が好印象で、また見たいと待ち望んでいたのでした。

キャッチャーは石原慶幸。打撃好調の會澤翼に打席に立ってほしい気持ちもありましたが、ここは2年目19歳のサウスポーの2度目の登板。ベテランのふところの深さで「どんとこい!」とリードしてほしいです。

ところが、4回裏、井上晴哉(180cm・114kg)のホームランの後、連打が続いて3失点。途中降板となりました。

この井上、西武の山川穂高(176cm・108kg)を上回る身体の大きさ。しかし、エルドレッド(196cm・126kg)の方がさらに大きいことが判明。見慣れていないせいなのか、迫力を感じました。逸ノ城的な。

高橋の後を受けて、アドゥワ誠がマウンドに。19歳リレーです。アドゥワは6回まで続投、無失点に抑えてくれました。まだ1点差。追いつける点差です。



しかし、7回裏、一岡竜司が2失点。1点差から3点差に広がる。終盤に来て、3点差は追いつくのがワンランク難しく感じられる数字(できなくはないけどもっ)。

先発の中村祐太ともども、一岡の球の力のなさが気になる昨今です。一岡のコールを聞いた時点で、ゲームに勝つ難しさを感じる(勝てたらラッキーと思おうといった消極的な感じ)。

じつは、スタメンに安部友裕の名前を見たときも同様に感じた。高橋が降板したあと、石原の代打が會澤ではなく磯村嘉孝だったときにも、またしかり。9回、最後の最後に、堂林翔太と會澤が代打に出てくるって。持ちぐされって日本語知ってますかーと問いたい。

いえ、一岡も安部も磯村も、応援してますよ。いいプレイを見せてくれる(くれた)こともあるし。ただ、現状を見ると、ゲームに勝つというのは、もっとシビアなことだと。

打順の固定や必勝パターンにとらわれすぎているように見えることが多々ある采配。いっそ軽やかにこんなオーダーではいかがでしょう。

足も速く、ねばり強く出塁する野間を1番。バントが上手い田中広輔を2番に持ってきては? 突然、何をやらかすかわからない菊池涼介のような存在が下位打線にいるのも、相手にとっては不気味だと思いますよ。



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高橋昂也、5失点デビューも、怒濤の同点劇で負けは消える

エラーとエース、見たことのない深呼吸とハイタッチ。

6月1日、ロッテ戦(ZOZOマリンスタジアム)。

エースの席は空いたままの今年のカープ。そんな今、エース的存在と呼べるのが、この日の先発・大瀬良大地。いつもの力のある球で、前日の西武戦でのなんとも言えない空気を払拭してくれるでしょうか。

そんなゲーム中盤。2回に1点、3回に2点と、カープが先制点をとった4回裏、田中広輔がまさかのトンネル……。

野手のエラーの後(投手がフォアを出した後もですが)、必ずと言っていいほど、失点につながっていることが続いている最近のカープ。

これはカープに限ったことではないかもしれませんが、野手のエラーの後、投手になんとかして抑えてほしい。エースならなおのこと。そう思って見ていました。

しかし、ロッテ打線のヒットが止まらない。5連続ヒット(おまけに、1死球)で4失点。逆転されます。前日、大量失点した西武戦での2回表の光景をちらと思い出す。今日もまた、「エラーの後の失点」現象が繰り返される。

しかし、その後、大瀬良の投球は持ち直し、7回120球を投げ抜きます。その間、打線も2点を追加。



その7回裏の投球にのぞむ前、ベンチでゆっくりと深呼吸している大瀬良の映像が。普段から、もしくは状況に応じて大瀬良がやっていることなのかもしれないけれど、初めて見ました。

ゆっくり呼吸をすることは、自分を客観的に見て気持ちを整えることができるので、とってもいい。自分の気持ちと身体の状態をリフレッシュするのに、野球選手も試合中、意識して取り入れるといいと常々勝手ながら思っていたので、見入ってしまった。

そう言えば、昨年のドラ1・加藤拓也がヨガを取り入れているという話を聞いて、なかなかいいぞ、面白いな〜と思っていたのですが、加藤、どこ行ったー。

そして大瀬良が7回裏を三者凡退で抑えた後、8回表に會澤翼がホームラン。會澤がホームベースを踏んでベンチに帰ってきたとき、チームメイトが笑顔で迎える中、ベンチの端にいた大瀬良と會澤が両手でガシッとハイタッチするのを見た。

二人とも顔は笑っていない。キリッとした表情で、勝つぞ。そうアイコンタクトしているように見えた。このマウンドの外でのバッテリーのシーンには、感動しました。

カープを応援し始めた2015年、大瀬良はもろもろの事情で先発からリリーフに転向。クライマックスシリーズ出場を逃すことになった中日戦との最終戦で、リリーフとしての役目を果たせず号泣していた姿が残っていたので、月日の経ったことを感じます。

エースになっていく過程をリアルタイムで見せてもらっているのかもしれないとも思いました。でも、まだまだこれから。キリッ。



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大瀬良大地、完走しました

2018年6月1日

薮田のトンネル状態続く。謎の采配も続く。

5月31日、西武戦(マツダスタジアム)。

カープの先発は薮田和樹。おかえり、薮田、待ってましたよ。しかし2回表、予想を超えた事態に。

1イニングだけで、シングルヒット5本、2塁打とホームランを1本ずつ打たれ、合計10点を失う。制球難が課題とされていたけれど、この間、フォアは2つ。フォアを問題視する以上に、打たれていた。もはやこれはハートではなく、技術の問題では。

このイニングでは、ワンアウトが遠かった。37球を要しました。誰もマウンド上の薮田に声をかけに行くことはなく、球場も静かにざわついて、異様な雰囲気だった。

しかも、この間、ファースト松山竜平のエラーと、まさかの丸佳浩の落球。この2つのエラーも大量失点につながる。ちゃぶ台をひっくり返したくなったのは、私だけではないはず。

でも、まだ2回です。3回と4回、薮田は無失点に抑える。粘り強くコツコツ当てて返していけば、10点を追い越す可能性もゼロとは言えない。

4回裏、丸のフォア、鈴木誠也のヒット、松山と野間峻祥のタイムリーで2点を追加。続く西川龍馬のヒットで、ノーアウト満塁の場面。

薮田の打席で代打を送る可能性が高い場面。ここは思い切って磯村に、代打・會澤翼を送ってほしかったが、そのままゴロで、1アウト。打撃好調の會澤がスタメンでなかったことが、そもそもの疑問符。

薮田の代打にはエルドレッドが登場。この絶好のチャンスで、エルドレッド。前日、活躍を見せた選手がほかに何人もいたのに。好きなものは後にとっておくタイプなのかな、緒方監督は。突然、何が起きるかわからないから、何ごとも早めに美味しいうちに味わった方がいいですよ。予想が的中、味気ない併殺打で終了。



7回表の時点で、11対4。7点差は簡単じゃないけど、まだ3回あります。そう思わせてくれる試合をカープはこれまでも見せてくれています。

7回裏、先頭打者は磯村。ここでもまだ會澤を出さない。ゴロで1アウト。おまけに、ピッチャーの代打に安部友裕。なぜここで安部? よそ見している間に、見逃し三振で、2アウトになっていた。続く田中広輔もゴロで終了。

8回裏、鈴木がフォアで出塁。ここで堂林翔太が代走に。昨日、タイムリーで結果を出した堂林がなぜここで代走? 7回、安部を代打に出した場面は堂林で、ここでの代走は安部でしょう。堂林に失礼な気がしてなりませんでした。

誠也のフォアを皮切りに、松山、野間のヒットで1点追加。西川のフォアで満塁の場面に新井貴浩が代打で登場。ここはタイムリーで2点追加。前日の最終回と同じく、4点差という状況に。

しかし9回表、アドゥワ誠が追加点を許し、5点差を縮めることはできず、ゲームは終了。

試合終了後の会見で、緒方監督は、薮田の話になると、「そっちで評価して」と話を切り上げたそう。ここは「(抜擢した)俺の責任」って言わないんだ。

黒田博樹も1年目のキャンプが終わったとき、2軍に落とされ、1イニングでボコボコに打たれ、10点取られたことがあるそう。1軍と2軍は同じとは言えませんが、黒田にとって忘れがたい経験の一つになったこと。厳しいトンネル状態は続きますが、薮田の次につながる経験になりますように。



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