2018年5月7日

九里亜蓮の熱投と、安部友裕の覇気どこいったー。

5月6日、ヤクルト戦(神宮球場)。

この日の先発、九里亜蓮の気迫はすごかった。いつも気力を前面に出して投げる選手だけれど、この日は格別。球にも力がこもっていた。

今シーズン、打たれて失点することが多く、気合いがからまわりして見えることが続いていたので、この日の湯気が出てきそうな熱気には圧倒された。

ぜひ勝ち投手にしてあげたい。きっとファンもベンチもそう思っていたであろう9回裏、中﨑翔太がツーアウトまでこぎつけたところで、大引啓次に同点となるホームランを浴び、九里の勝ちが消える。

守護神だって、打たれることあります(人間だもの、神じゃないもの)。4月26日、横浜の山﨑康晃だって、カープ相手に最後の最後、エルドレッドからホームランを浴びて敗戦投手になったもの。

しかし、10回裏、1球もストライクが取れない今村猛はどうしたことか。微妙なラインどころか、まったくの荒れ球。こんな今村見たことない。

途中から後を継いだ一岡竜司が渾身の火消し。引き続き11回も任される。ここでもツーアウトまでたどり着いたところで、四球のあと、坂口智隆にサヨナラ逆転打を浴びる。

経験ある一岡に託したのだろうけれど、10回であれだけ集中力を使った後の回またぎはキツイ。ベンチに残っていた若い二人にここは経験と、1回ずつ任せてもよかったのでは? と、結果ありきのたられば話になりますが、前日の大瀬良大地の完投が生かされない結果となりました。



それにしても、ここのところ、安部友裕からまったく覇気が感じられない。 西川龍馬が二軍に降格してから、競争相手がいなくなって緊迫感をなくしているのが目にも明らか。

4月23日に衣笠祥雄さんが亡くなって、久しぶりに二宮清純さんの『広島カープ 最強のベストナイン』(光文社新書、2016)を手にとりました。

この本の中でも、とりわけ心に残っていた、山本浩二さんの衣笠さんとのエピソードを読み返したくなったからです。

法政大を経てカープに入団した浩二さんは当時、平安高から4年前に入団し、中軸をになっていた同学年の衣笠さんに「とにかく負けたくない」と強烈なライバル意識を持っていたという。

腹を割って話せるようになったのは初優勝して抱き合って涙を流してからのこと。それまではあまり付き合いもなかったそうなのです。

ともにチームメイトとして戦っていても、強い火花が散っていた。だからこそ、浩二さんもカープもあんなに強くなったんだと、強烈に記憶に残っていた話だったのです。

安部のお尻に火をつけるほどの3塁手候補にぜひ出てきてほしいです。というより、そういう存在がいなくても、打席で熱を出さなくてどうするのだ、ア・べー。



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