2021年2月27日

この春も点をとれないカープ


2月27日、巨人との練習試合(沖縄セルラースタジアム那覇)は、5対1。

 練習試合とはいえ、負けてるのに「悔しさも中くらいなり」みたいなこの感覚はなに?

昨年の日本シリーズで巨人がソフトバンクに2年連続でストレート負けしたことで、いっそうセ・リーグがワンランク下に感じてしまう症候群がとまらない。セ・リーグで勝ってもな、みたいな。

やっぱりリーグ優勝して日本シリーズで勝たないと、おなかの底から喜べない空気が蔓延してます、セ・リーグ村。

いえ、カープは昨年Aクラスにもなれませんでしたが。どの口が言う、ですが。


そんな巨人相手に、点がとれません。安打数はカープ11、巨人12と、大差はないのに。

先発の九里亜蓮は3回2失点。まだ試運転期間とはいえ、なんか九里らしい。

なんてファンに言わせるようでは(九里を推している方はそんなことは言わないだろうが)、九里、まだまだとお見受けしました。

ドラ2の森浦大輔と、ドラ3の大道温貴は今日も無失点。こちらもお試し期間ではありますが、頼もしい。本番で結果を出せてこそ、なので、ぬか喜びはまだ早いですが。


楽天の田中将大はヤクルト戦に先発。スポナビの1球速報で少し見たところ、球速は140キロ台後半。この日の最速は149キロだったよう。

球は速ければいいというものでもないが、球速の早い豪腕選手が居並ぶパ・リーグにあって、現在の田中がどれくらいの結果を残せるのか、興味があります。

今日の田中は3回1失点。でも、ヤクルト相手だし。なんて思うこの気分の上がらなさはいったい。 セの、この張り合いのないメージをなんとか払拭しないと。

いや、イメージではなくて、実績ですが。


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2021年2月24日

それでもカープファン続けますか?


1月23日、中日との練習試合(Agreスタジアム北谷)は0対4。対外試合で、カープやっとの初勝利。

本番じゃないとはいえ、勝つのはやっぱり気持ちいい。しかも、苦手な中日から。苦手なナゴヤドームではなかったんだけどね。

ところで、昨年と一作年、監督が無策だったり、選手起用が偏っていて閉塞感があったり、勝ちたい気持ちが伝わってこないプレーがあったり、カープが低迷して悶々としていたときのこと。

ほかのチームを応援した方がよっぽどストレスが少なく心身にいいのでは?と、我が家で話題になったことが。


カープ以外、もし応援するとしたら・・・先日もそんな話が出た。

「西武、楽天、オリックス、中日かな?」と答える私(意外と多い)。

「え、 中日? 球団のイメージ、暗くない?」と、返す夫。

そう言われて気がついた。球団のイメージは頭になかった、と。

たしかに、西武の、のびのびスカッとしたイメージは好き。でも、肝は、応援したい選手がいるかどうかだな、と。

西武なら、源田壮亮、山川穂高、おかわり君(中村剛也)などなど。

オリックスなら、山本由伸、山岡泰輔、吉田正尚。

楽天なら、岸孝之。田中将大も楽天時代、ずっと応援してました。あ、下水流昂も。福井優也も。

中日は、大島洋平、高橋周平、鈴木博志(あれ、昨年は数試合しか登板してないぞ。どうなってるんだー)ほかほか。


作家で舞台演出家の鴻上尚史さんは、「舞台というのは役者を見にいくもの」と言っていました。名言だと思います。野球もまたしかり。

監督やコーチの名采配(名判断)が見られた日にも格別のものがありますが、そこはやっぱりプレーする選手あってのこと。

カープの球団としての運営方針を見て聞いて、ファンをやめようかなという気持ちにさせられることもある。でも、まだ応援したい選手がたくさんいる。

投手なら、森下暢仁、岡田明丈,床田寛樹。今年の新人、栗林良吏、森浦大輔、大道温貴の活躍も楽しみだ。ふだん特別にひいきにしていたわけではなかったけれど、矢崎拓也も活躍してほしい。ほかにも、まだまだ。

野手なら、鈴木誠也、坂倉将吾、小園海斗、菊池涼介、大盛穂、長野久義・・・ほかにも、まだまだ。

まだカープファンはやめられません。と思えるプレーを選手たちは今年どれだけ見せてくれるか。と、期待するのは、開幕前の特権だ。


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ナゴドの石蓋(いしぶた)ようやく開いた
私が野球を見る理由

2021年2月21日

昨年のオープン戦とは違うぞ森下暢仁、江夏豊さんにもかく語りき


先日、通勤のため最寄り駅に向かっていた夫が、ドッと降りてきた登校中の小学生の一群とすれ違ったときのこと。

小学3~4年生くらいの男の子が「森下のカーブが・・・」と話している声が聞こえてきたという。

こんなところで森下の名前が聞けるとは。う、嬉しいじゃないか。

その森下暢仁。2月21日、阪神との練習試合(かりゆしホテルズボールパーク宜野座)に先発で対外試合初登板。

3回無失点に抑え、打者13人に対し、被安打3と好発進。

球数も37球。今年の目標、「球数を少なくしたい」に向けて、着々と進んでいるもよう。


連日連発の阪神のドライチ・佐藤輝は森下から2塁打。頼もしい。おそろしい。どうしてカープはこういう選手を獲得しないんでしょう。

今年のカープのドライチニッサントリオ、栗林良吏、森浦大輔、大道温貴も頼もしいからいいんです。

でも、得点力不足のテコ入れが何もされていないバランスの悪さに欠落感が否めない。

さて昨年、オープン戦ではけっこう打たれていた森下。新人だし、そんな感じなのかなと大きな期待はしていなかったが、シーズンが始まったらあの活躍ぶり。

よって、練習試合やオープン戦で一喜一憂することなかれ、ですが、森下には2年目さらに年輪が厚くなっていくような手ごたえ。


昨年のオープン戦のこと、森下は江夏豊さんとの対談で(豪華だ)、こう語っていました。(「週プレNEWS」)

「やっぱり一球でも失敗すると失点につながる、ということがオープン戦でわかったので、そこを意識して投げるようにしてシーズンに入ったのがよかったと思います」

オープン戦での経験をもとに本番でちゃんと修正できているところが素晴らしい。やっぱりタダモノではなかった。

この対談。一見こわもての江夏さんですが、新人の森下に対しても上から目線で話すことなく、リスペクトしているのを感じる。エレガントで素敵だ。素敵だ。


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森下暢仁「今年は球数少なく」、2021年も有限実行

2021年2月19日

プロ野球選手名鑑、2021年の顔は?〔答え合わせ編〕


プロ野球の選手名鑑、書店でドドドッと平積みされる季節になりました。

1月21日、当店でも、今年の表紙を飾る選手は誰か、予想してみましたが、その結果は?

各社、どの選手を取り上げるか多少の違いはありますが、今回は、毎年わが家で愛用している2021プロ野球全選手写真名鑑』(週刊ベースボール2021年2月23日号増刊)からのお答えです。


まずはセ・リーグ。予想はこうでした。

巨人・・・坂本勇人(2000本安打達成しましたしね)
阪神・・・大山悠輔(昨年は本塁打王に迫り存在感を見せた)
中日・・・高橋周平(中日の顔になってほしい)
DeNA・・・佐野恵太(筒香嘉智の穴を埋め、首位打者に)
広島・・・森下暢仁(鈴木誠也もチームの顔だが、昨年、森下がいなかったらカープはどうなっていたか。ゾッ)
ヤクルト・・・村上宗隆(まだ二十歳にして、すでに主砲の存在感)

中日のみ、不正解です。しまった! そうでした、そうでした。沢村賞の大野雄大がいるのに、なんてこと。ごめんなさい、大野選手。


お次は、パ・リーグ。

ソフトバンク・・・柳田悠岐(MVPだもの)
ロッテ・・・
西武・・・
楽天・・・
日本ハム・・・
オリックス・・・山本由伸(見たいと思わせてくれる選手)

なんと空白回答が4つも。これは我ながらショックでした。何人かの選手は思い浮かんだものの、チームの顔はこの人だ!と、決定打が思い浮ばなかった。

昨シーズンは交流戦がなかったことと、カープの負け試合が多かったため、スポーツニュースを見る回数が減り(げんなりして見る元気が出なかった)、おのずとパの情報を見る機会が減ったためと思われます。ハァ・・・。


ソフトバンクとオリックスは正解。

ロッテは藤原恭大ですか。まだ目覚しい活躍とまではいかず、期待に一票という人選。よくも悪くも、突出した存在がいなかった?

西武は、源田壮亮。私も好きです。昨シーズンは、山賊打線の印象が弱かった?

楽天は、田中将大。あ゛~。予想してから1週間後に発表された楽天復帰。それにしても、田中に則本昂大、岸孝之、涌井秀章・・・オールスターか。豪華だ。

でも、今年のカープ投手陣も、ドライチニッサンと期待できる新人も入ったし、楽しみです(野手が、野手が・・・)。

日ハムは、打点王の中田翔。なんだかんだいって、ここぞのチャンスに強いのは魅力。

今シーズン、開幕も交流戦もどうなるかまだ未定ですが、空白回答なんてことがないよう、プロ野球が楽しめたら幸いです。


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プロ野球選手名鑑、今年の顔は?

2021年2月17日

スケール小さい打てないカープと、スケール大きい野村萬斎さんの話


2月16日、ロッテと今年初の対外練習試合(コザしんきんスタジアム)。0対7で完封負け。

いろんな意味でまだお試し期間とはいえ、若手中心とはいえ(それはロッテも同じでは?)、「打たれ、打てず」の昨年シーズンのカープが地続きに見えるようで、笑ってしまった(ハナで、フッて)。

お試し期間と言ってはみたが、レギュラーを狙う選手にとっては毎回が本番のはず。パ・リーグのチーム相手に大差で完封負け。地力のなさが透け透けです。

でも、もっと見たい、パとの試合。負けても、セ・リーグ村でちまちまと戦っているだけより、刺激的。今年は交流戦が見られるといいのですが。


今日の「伊集院光とらじおと」(TBSラジオ)のゲストは、狂言師の野村萬斎さん。

一度、萬斎さんの狂言の舞台を観たことがあります。舞台に立つ佇まいからは、体幹の強さと華が感じられ、目が離せませんでした。

舞台を降りての、こうしたフリートークでの聡明さ、落ち着き、視野の広さもとても魅力的な方。

番組冒頭、このコロナ禍で、周辺の状況を問われた萬斎さん。舞台が休演となることもあったなか、ゆったりと過ごしていたとか。

能は、薪能など野外での公演も少なくない。台風が来たり、雨が突然降ってきて、公演がなくなったり途中で終わり!ということも珍しくなく、わりと中止になれているという。

中止になったとしても、ほかにまたやるチャンスもあり、続いてゆくものなので、動じないところがあるという。


伊集院さんに「これまでピンチを迎えても、たとえば江戸時代、コレラでたくさんの人が亡くなっても続いてるみたいなことも、頼もしさの一つにあるんですかね?」と聞かれた萬斎さん。

「そうだと思いますね。700年近く前にも、応仁の乱という町中が火だるまになって、パトロンやスポンサーである人たちがもうそれどころじゃないと、おそらく2~3年活動できない時期を、それこそ疫病も含めて経験してきたんだろうなぁと思うと、今大変苦しいのはそうなんですけども、絶対滅びないと僕の目線から発信することの方が、みなさんにとって勇気づけになるかなとは思ってましたね」

歴史の長さからくるスケールの大きさを感じた。

狂言は、スポーツ選手と比べると現役の寿命も長い。環境や条件も違う。一概に比べられないけれど、それでも萬斎さんの言葉を聞いていると、オリンピック開催に執着している一部の人たちは何かにとりつかれているように見えてしまう。


と書いているうちに、今日の巨人との練習試合(沖縄セルラースタジアム那覇)の結果が。0対0。

投手陣、がんばった。新人の矢野雅哉が、連日攻守ともにいいアピールを見せている。

でもまた無得点か。どこまでカープらしいんだ。フッ。


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オリンピックが浮いていく

2021年2月15日

大瀬良大地、小園海斗にも目配り(2021年2軍キャンプにて)


右肘の手術明けで、2021年のキャンプは2軍スタートとなった大瀬良大地。

怪我の功名ではないけれど、若手選手と過ごす時間を与えられ、若手選手の性格や取り組みを知るいい機会になっているようだ。(「日刊スポーツ」)

2015年、中日との最終戦で打たれ、号泣して、前田健太に声をかけられていた大瀬良も、今やエースとして、いい兄貴分に。

2月16日のブログ記事にも書いたけれど、今では負けん気が人一倍強い森下暢仁も、かつて気弱な部分があった。明治大学野球部時代、主将に任命されたことで、徐々にその弱さを克服していった。

立場が人をつくる。それを体現している大瀬良や森下を見ることができるのは、感動的です。


今年からカープに復活したキャプテン制。しかも、大瀬良と鈴木誠也のWキャプテン。

部活でもないのにキャプテン? と、最初は違和感があった。でも、大瀬良と鈴木はその立場にぴったり。鈴木も森下の相談に乗ったりしてるみたいだし、カープらしくていいのかも。

いずれにしても、実験ということで、いい効果が出たら何より。

そんな大瀬良。若い投手だけでなく、小園海斗のことも気にかけ、「ここにおっていい選手ちゃうぞ」「オレの後ろを守るぐらいの気持ちで頼むぞ」と、声をかけているそうだ。


小園は全国的にも注目度、期待値が高い分、時に厳しい声も浴びせられる。「だからこそ、応援してくれている人もいるんだよ、ということを分かってもらいたいんです」と、記事には書かれていた。

「プロ1年目にプチブレークしたとはいえ、後輩はまだ20歳。心を鬼にした首脳陣の愛情をきちんと理解できているのか、このまま腐ってしまわないか、気にかかるのだろう」とも書かれていた。

心を鬼にした首脳陣の愛情・・・というのは、正直ファンの私には伝わってこない。むしろ、愛情の方向があさってを向いているように感じる。

プロならば、小園が自力で地力を見せるしかない。ただ、出場機会を十分に与えない昨シーズンの首脳陣のやり方が、小園を本当にうまく導いているのか、不信感がある。

奇しくも同じ日、小園と同期の中日・根尾昂に、OBの今中慎二さんが「このままでは終わってしまうぞ」と、はっぱをかけている記事が。(「CBCテレビ」)

あっちもこっちも、気をもむことがいろいろあります。

しかし、先輩にそんな言葉かけてもらえるなんて、ありがたいね、小園。ほんま、頼むで。


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小園海斗と、山田哲人と、佐々岡監督と。

2021年2月14日

森下暢仁「今年は球数少なく」、2021年も有限実行


2月13日、森下暢仁がシート打撃に初登板。

打者9人と対戦して、打たれたのは堂林翔太の2塁打1本のみ。無四球で、9人中6人を3球以内で打ち取るという、球数少なしのテンポよい投球を見せた。(「デイリースポーツ」)

1月1日に広島のRCCラジオで放送された「森下暢仁ラジオ聴く」で、「今年は球数を少なくしたい」と語っていた森下。

目標に向けて、しかと進んでいる様子が頼もしいです。

1年目、「新人王を獲りたい」と公言して、実際に獲った森下。2年目も有限実行を見せてくれそうな期待感。

開幕までまだ日はある。何が起こるかわからない。なのだけど、「開幕投手は森下」に一票。すでに昨シーズン中から、私の中では今年の開幕投手は森下ってことになってたんですけどね。


「球数が少ない方が自分自身も楽ですし、テンポもいい。そっちの方がいいとは思います」と、森下。

そりゃ、そうだ。楽に越したことない。でも、そう思ってはいても、思ったとおりに誰もができるわけでなし。

目標を実行するための投球技術と配球の工夫を兼ね備え、プロになるために生まれてきたと思わせてくれる人。

球数が増え、イニング数が増えると、リリーフ陣の負担も減るし、言うことナシ。

先発をやっていると、どんなにいいピッチングをしても、あとを託したリリーフ陣に打たれ、勝ちが消えるのは起こりうること(味方が点をとってくれないというのも、あります)。

完投が増えると、そういう切ないシーンは減るので(昨年、記憶に残る切ないシーンがいくつか・・・)、ぜひとも球数少なめの森下、期待したいです。

ま、森下は、そんな「俺様」発言はしていませんけども、勝ちを呼ぶ(負けない)しなやかな豪腕ぶりは、やっぱり、かなりスペシャルな存在。それゆけ、森下。


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森下暢仁の一番の強み、新春ラジオで再確認

2021年2月12日

ドライチ栗林良吏に見た黒田魂


2月9日、ドライチの栗林良吏が、キャンプに入って初めてのフリー打撃に登板。

この日、登板した九里亜蓮や森下暢仁が変化球を試していたのに対して、栗林は全球ストレートで勝負。

で、フリー打撃後のインタビューがいいなと思った。

「1位でとってもらったからには、1位の役割をしなきゃならないと思うんで、そこはしっかりできるようにやっていきたいと思います」

ドラフト指名された選手なら誰しも、自分の力を発揮したいと思って当たり前。いわんや1位となれば、なおのこと。

なんだけど、この言葉の選び方がいいなと思った。社会人としての落ち着きも感じられて、こういう感じもいいものだなと思った。

なにより、プロに入った(プロに選ばれた)自覚を感じる。


この栗林の言葉を聞いて、黒田博樹のことを思い出した。

黒田はメジャーからカープに復帰してプレーしていたとき、「職責を全うしたい」と言っていた。

「職責」などという言葉を使うプロ野球選手がこれまでいただろうか?(おらんやろ)と、当時、我が家でも話題になった。

好きな野球を仕事にしたプロ野球選手はたくさんいるが、黒田が野球を楽しいと思ったのは、子ども時代までだったようだ。

「職責」という言葉を使うこともだが、「野球を楽しいと思ったことが一度もない」と公言するプロ野球の選手もまた珍しい。

ファンに愛され、実績を残し、黒田はプロとして正統派の活躍をしたけれど、そういう言葉を選ぶ黒田は、異色で面白い。
 
それだけプロとして覚悟を持って、相当のプレッシャーを感じてプレーしていたのだなと思う。


栗林にも、そんなまっとうな覚悟を感じた。

前年のドライチ、森下があれだけの活躍をしたので、そういう意味でも、プレッシャーと負けたくない気持ちの大きさも感じる。

そういえば、栗林は入寮するとき、黒田の『クオリティピッチング』と『決めて断つ 』を持ってきたと言っていましたね。

今年のカープ、投手陣が熱い。・・・野手はどうだー。


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手荷物拝見

2021年2月8日

藤井皓哉、帰っておいで


土日に放送している東京ローカルのスポーツニュース、「SPORTSウォッチャー」(テレビ東京)。

2月6日、何気なく見ていると、「戦力外通告を受けた男のアナザーストーリー」という特集が始まった。

ひとりは、2018年まで巨人に在籍していた、青山誠という選手。

2013年、育成ドラフト1位に指名され、2017年支配下登録されるも一軍での出場はなし。2018年に戦力外。社会人野球を経て、一般企業に就職したが、プロの競輪選手を目指し、日本競輪選手養成所の受験に挑戦。さて、結果は・・・というお話。

そして、もうひとり紹介されたのが、おぉ。2014年、ドラフト4位でカープに入団し、2020年に戦力外となったムーミン顔の藤井皓哉だった。


たしかに、この人プロに向いているのかなと思ったことは正直何度かあった。それでも、いい球投げてると思ったこともなくはなかった。

ほかに、先に宣告されていい選手がいるような気がしたが、2020年のドラフトで右投げの投手を4人とったカープ。藤井は構想から押し出される形に。

球団からは「二軍で結果出せるのに、どうして一軍では出せないのか」と言われたという。通告に要した時間は20分。

24歳にして、スパッと宣告されてしまった。


母校のおかやま山陽高校のグラウンドを借りて、調整する藤井。合同トライアウトを前にして、「楽しむ気持ちでやりたい」と話していた。

「初登板のときはすごい緊張したんですけど、ワクワク感もあった。そういう方がいい結果を生むのかな、と。去年(2019年)、一軍で投げさせてもらったときは、やっぱり結果を出したいとか、そういう欲が強くなってしまって、腕が振れなくなった」

戦力外通告を受けて、自分に足りないものは何か、客観的になれた。いろいろ振り返り考えることができて、いい時間になったとも話していた。

合同トライアウトでは、三振・三振・ゴロと三者凡退。

「いま自分の持っているものは出せた、あとは待つだけ」と、すっきりとした笑顔で答えていた。こんな表情の藤井、見たことない。いい顔だった。


結果、NPBからのオファーはなかったけれど、独立リーグと社会人野球などからのオファーを受けた藤井。

四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスは、監督をつとめる元プロ野球選手の吉田豊彦さんが直接藤井のもとを訪ねてきてくれた。

独立リーグならNPBに復帰するチャンスがあると、高校時代、先発投手だった藤井に先発転向もすすめくれた。NPBに復帰するにはインパクトが必要。中継ぎだったイメージを変えてやっていこう、と。

そんなふうに言ってくれる人に出会えてよかったね、藤井。

1年目から活躍する選手もいれば、数年後に花開く選手もあり。人生いろいろだけど、藤井の野球人生は続く。

カープ時代は、その魅力を知る機会も少なかった。ガツガツさはまだ足りないのかもしれないけれど、応援したくなりました。

番組のサイトからは、一部、映像を見ることができますので、よろしかったらぜひ。高校時代の恩師との話も、ほろっときました。


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小窪哲也よ、カープよ、どこへ行く。

2021年2月6日

岡田明丈、秘密兵器のまま終わるのか。岡田出てこい、出てこいオ・カ・ダ!


キャンプが始まって立て続けに、安仁屋宗八さんと北別府学さん、カープOBのお二人が、岡田明丈について触れていた。

岡田は中継ぎより先発の方が持ち味を発揮できる、と安仁屋さん。

「球自体は球威もスピードもあり、素晴らしいものを持っている。これはだれかに教えてもらって身につけられるものではない。持って生まれた天性だ」(「デイリースポーツ」2月2日)

投手陣のキーマンとして、岡田の名前を挙げた北別府さん。

「安定した成績を残すには、やはり投手力が必要。その投手陣の底上げを図るうえで欠かせないのはだれか。私が注目しているのは岡田だ」(「デイリースポーツ」2月4日)

2年前、テレビ番組で、カープOBの写真を見せられ、北別府さんの名前を即答できなかった岡田なのに。北別府さん、ありがとう、ありがとう存じます。


岡田の復活を待つファンとしては、嬉しいお二人のお言葉。ほかにも過去、岡田を評価してくれた方たちの忘れがたき言葉がありました。

数年前、野球中継で、解説の槙原寛己さんが「菅野智之と投げあうところを見たいですねぇ」と。

3年前、宮本慎也さんは、今年、注目する選手として岡田の名前を挙げ、「15勝行けます」と。

三浦大輔さんも、「将来、カープの投手陣をひっぱる存在になる」と。

2020年、1軍での出場がなかった岡田。秘密兵器のまま終わってしまうのか(いや、秘密兵器て。1年目からローテーションに入って日本シリーズでも好投してますて。2017年には12勝してますて)。


安仁屋さんは先ほどの記事で、「練習への取り組みも熱心で努力家。あと彼に足りないのは気持ち。優しすぎる。人を押しのけてでも自分がやるんだという強い気持ちで臨んでほしい」とも。

いまや、カープ一番の、いや球界を代表する負けず嫌いと呼んでもいい森下暢仁。そんな森下も、もともと強気なタイプだったわけではなかったようだ(もちろん素養はあったろうけど)。

明治大学野球部時代、主将に任命されたことで、徐々に優しさからくる弱さを克服していったという。そんな森下の成長秘話を、当時、監督だった善波達也さんが語っていたのを聞いたことがあります。

立場が人を変える。と、改めて感じさせてくれるエピソード。

置かれている状況は違うが、岡田も変わる可能性も、なくは、ない。

私も先発の岡田が見たい。あのバスン!とした球を、一軍のマウンドで見たい。でもって、飄々と可愛いヒーローインタビューが見たいのじゃー。


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岡田明丈、勝たせたいピッチャーであり続けて

2021年2月5日

開幕投手は九里亜蓮か森下暢仁か。そして冬のアスリートたち


2月4日のキャンプで、九里亜蓮がブルペンで347球の投げ込み。「ニュースウォッチ9」(NHK)のスポーツコーナーで、湯気の出そうな男前が大写しに。

これまで、言われたところで先発でも中継ぎでも投げるタフさを見せてきた九里。ほんとうに身体が強い。4日目にして347球て。土台が違う。これは授かりものですね。

九里の開幕投手立候補宣言、じつは私、ちょっと驚きました。

昨シーズン、空回りすることもあった熱投から、地に足ついた熱投へ。自身初の規定投球数に達し、一つ上のステージに上った感があった九里。

これまで以上の充実感と手ごたえ感じて、開幕投手宣言したのだろうと見る側にも気迫が伝わってくる。九里が開幕投手宣言するなんて、一年前は想像のつかなかったこと。


「よーいドン!」でいっせいに一直線上を走ってタイムを競うのとは違って、相手投手との巡り合わせ、打線の援護が影響する世界。一概に勝ち数だけで投手の成績を評価できない。

それでも、昨年の森下暢仁の勝ちを引き寄せる投球、負けない投球を見ていると、私の中ではシーズン中から、「2021年の開幕投手は森下」だった。

昨シーズン、とくに後半に差し掛かってからの心技体の強さには、なにか格の違いを見せつけられた気持ちになった。

手術明けの大瀬良大地を含め、コンディションのよい選手が選ばれることになるのだろうけれど、湯気たちのぼる熱い九里、涼しい顔して一線級の負けず嫌いの森下、誰が初日のマウンドに立つのか。


プロ野球のキャンプ情報の後、番組は冬のオリンピックの話題へ。北京オリンピック、もう来年なんですね。冬の競技のアスリートたちに、オリンピック(開催)についてインタビューしていました。

フィギュアスケートの羽生結弦は、新型コロナの状況を見て「オリンピックをやっている場合じゃない」と、冷静に語っていた。

1月28日のブログ記事にも書いたけれど、こうしたフラットな考えを聞くと、グッときて、ホッとする。

さらに印象的だったのが、ノルディック複合の渡部暁斗。

「スキーが好きで、上手くなりたいとやってきたのが、いつのまにか金メダルをとるのが目的になっていた」

「北京大会がなくても別にいい?」と聞かれ、「なくてもいいです。なくてもいいし、あったら嬉しい」と、肩の力が抜けた自然な答え方。スポーツと向き合っている姿がとても素敵だった。


体操の内村航平は「できないじゃなくて、どうやったらできるかを皆さんで考えて、どうにかできるようにしてほしい」と語っていた。

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森善郎会長と同じようなことを。

同じ言葉を使っていても、競技にかけてきたアスリートと、利権がからまる組織のトップとでは、同じようには響かないが。

「オリンピックで金メダルがとれたら死んでもいい」というオリンピックにかけてきたアスリートの心情を聞くたび、ふつうの人にはなかなか理解しづらい世界があるのだろうと、おそるおそる思っていた。

でも、渡部暁斗の言葉は、人として共感できた。そういう世界もあるのかと感動した。いいもの見ることができてよかった気持ちになった。


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オリンピックが浮いていく