2月になれば春季キャンプが始まり、そのあとオープン戦、開幕戦と、ドドドと野球の季節の幕開けです。今のうち、冬休みのうちに、トピックス的ではない話を書いておこうと思います。
このブログのプロフィール(ごあいさつ)にも書いているのですが、私がカープを応援するようになったのは、2015年の黒田博樹の日本球界復帰がきっかけでした。
わたしが黒田ファンだと知って、夫は黒田に関する情報を見つけると、「こんな記事があったよ」「ここに載ってたよ」と、教えてくれるようになりました。
黒田の本、『決めて断つ』や『クオリティピッチング』も興味深そうに読んでいました。そんなふうに黒田にふれているうちに、夫自身も黒田の面白さを感じたようです。
そして一緒にカープのゲームを追いかけるようになり、野球の話を日常的にするようになったのでした。
それは充実した日々でした。2015年のシーズンが終わったとき、「黒田のこと教えてくれてありがとう」と、お礼を言われました。いえいえこちらこそ、黒田とカープを一緒に味わえて、2倍楽しめました。
さて、黒田のことを知らない人でも、この本を読んでもらえたら(黒田がどんな人か知ってもらえたら)、黒田のことをきっと好きになってもらえるのではとさえ思っているのが、『決めて断つ』。
何度読み返しても、いい。そう感じるエピソードや黒田の考え方がここにはたくさんあるのですが、その中で、ほかのプロ野球選手があまり口にしないことを言っていて、面白なと感じたのが、ココです。
「ボクは中学生以来、野球を楽しいと思ったことは本当に一度もない」
ふつう、野球が好きで、プロ野球選手になると思うじゃないですか。こんなこと言う人、初めて(その後、宮本慎也さんが同じようなことを言っていたのに出会った)。
前回の記事に書いた、王貞治さんや野茂英雄さんが「(戻れるものなら)現役に戻りたい」と野球の楽しさを語っているのと、真逆。
鈴木誠也も「ジャンクSPORTS」(フジテレビ)で、その練習熱心さが話題になったとき、「野球が楽しいから」と素直に答えていた。
お客さんの前で投げるプロ野球選手としての責任がそういう発言となって現れているのだろうけれど。そしてその覚悟の大きさもこの本には書かれているのですが。
こんなふうに面と向かって「野球を楽しいと思ったことはない」と言う野球人は、異色。
カープの中でも、日本球界の中でも、忘れがたい存在感を放った選手でしたが、こんなところでも、あんまりいないタイプだったとお見受けします。
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