1セットをとった大阪なおみは、第2セットをリード。このまま行けば優勝……と期待も高まる。
でも、野球と同じ。そうはトントントンと(進むこともなくはないが)進まない場面は何度も見てきている。何が起こるかわからないのがゲーム。
粘るクビトバに巻き返され、第2セットを落とす大坂。
ツーアウトまで順調にこぎつけて、あと1アウトとゴールが見えたところで突如乱調。1アウトがなかなか取れない。そんな昨シーズンのカープの投手陣を見ているよう。岡田とか、岡田とか、岡田とか。
この過程で大坂は、集中力を切らして、思うようにいかず、明らかにいらいらしているのが表情や声・しぐさに表れていた。
このまま流れはクビトバに?
平常心って、アスリートにとって永遠のテーマではないかと思ってしまう。いや、平常心ではダメなのか。それとも勝敗への強い執着心が必要なのか?
短い休憩時間に大坂は気持ちを立て直したようで、第3セットでは、うってかわってポーカーフェイスでプレーを続け(まるで調子のよいときの今村のよう)、見事だった。
第2ゲームのいやな流れをたちきって、昨夏の全米オープンに続いてグランドスラムの大会を連覇。
流れが行き交う勝負ごと。一度渡ってしまった流れを取り戻すのは難しいとは、野球のゲームを見ていて、常に切に感じること。すごい瞬間を見届けることができた。
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