阪神との3連戦が延期。投げたくて、打ちたくて、うずうずしている選手たちのことを思うと、ほんとうに無念。
先行きはまだはっきりと見通せませんが、全国的に新型コロナの感染者が増えている今、プロ野球やカープに影響が出てもおかしくない。来週はどんなふうになっているのか。
試合はないけれど、今日は5月19日の巨人戦を見ていて気づいたことを書きます。
巨人戦で初スタメンマスクをかぶった中村奨成。九里亜蓮とのバッテリーも、チャンスの場面で2打点をあげた打席も、感動的だった。
奨成も、小園海斗も、世間でいうところの顔立ちが整ってるタイプではないのだけど、二人とも野球選手として華がある。打席でも、守備でも。
活躍する選手はどのチームにも一定数いるが、この華は誰もが持ってるものじゃない。
そんなことを考えていて、思い立ったことがある。
5月11日のブログで、作家の森博嗣さんのこんな言葉を紹介した。
ときどき、「一流の選手はコーチには向かない。天才的な人には、ノウハウがない、初心者の気持ちがわからないからだ」といったもの言いが聞かれる。だから、二流や三流の才能に指導を受けたほうが良い、という理屈らしいけれど、これは正しいだろうか? (中略)
ケースバイケースであろう。ただ、僕は、学ぶならば一流から学ぶ方が効率が高い、と考えている。(『勉強の価値』幻冬舎新書)
長野久義が丸佳浩の人的補償としてカープにやってきたとき、緒方前監督はなかなか長野をスタメンとして起用しなかった。
経験ある長野にもっと仕事してもらえることはあったと思うのだが。
人気球団にいたスター選手をどう扱っていいかわからない、素直に起用できないこだわりみたいなものを勝手に感じた。
緒方前監督も、カープのスターとして活躍し、愛された人だったと思うのだけど。
4月22日、小園はやっとスタメンとして起用されたが、ファンから見ると「遅い!」の一言。その後、 打率を上げても、長く下位打線に置かれてもいた。
4月22日、小園はやっとスタメンとして起用されたが、ファンから見ると「遅い!」の一言。その後、 打率を上げても、長く下位打線に置かれてもいた。
奨成も、出れば結果を出しながらも、スタメンとして続けて起用されることはなく、2軍に落とされたりもしていた。
カープのコーチ陣が、もし現役時代一流クラスの人たちだったら、華のある選手とも、もっとフラットに向きあえるんじゃないかと思ったのだ。
人間だもの、相性もあります。一流なら誰ともフラットに接することができるとも言い切れないが、自分より実力のある選手に引け目を感じることはないんじゃないだろうか。
なにより、一流ならば、相手をリスペクトする気持ちを大事にすると思う(佐々岡監督は選手時代一流だったと言っていいと思うが、監督に向いていると思えない上に、打撃や野手のことはわかってないと思うので、ここでは置いときます)。
そう言えば、現役続行を希望していた小窪哲也。今どうしてるのかなと時々思い出していたのだが、こんな記事が。(「デイリースポーツ」)
昨年、カープからの指導者への打診を断って、自由契約の道を選んだ小窪。いまだオファーはないが、今も諦めず、トレーニングしているそうです。
「まだ野球を続けたい」というのが一番の理由。「外に出てカープとは違う野球を見てみたい」と思ったことも、カープを出たもう一つの理由だったという。
黒田博樹氏や新井貴浩、長野らとプレーする中で、「他球団を経験した人の話を聞くと、球団によってやり方が全然違うし、僕の知らないこともたくさん知っていた。カープの野球しか知らない自分はこのままコーチになってもいい指導はできないと感じた。視野を広げるためにも他球団で、もっといろんなことを経験してから指導者になりたいと思うようになったんです」と。
私がカープの試合を見るようになったのは2015年から。小窪が一番輝いていたときは知らない。フォアでガッツポーズしてるんじゃないよと思ったこともある(いや、選球は大事なんですけど)。
でも、この言葉を聞いて、小窪、いいなと思った。
今のカープのコーチ陣は、カープしか知らない人がほとんど。もちろん、限られた世界で自分の器を広げることができる人もいると思う。
今のカープのコーチ陣は、カープしか知らない人がほとんど。もちろん、限られた世界で自分の器を広げることができる人もいると思う。
それでも、違う景色を見てきた人の存在は大きい気がする。コーチの多様性も必要と強く思ったのでした。