ヤクルトの先発・ブキャナンに完封されました。
初球をどんどん振っていくカープ。初球打ちは作戦の一つかもしれませんが、ポンポンと当てては、打ち取られ。
ファーストストライクをしとめるための初球打ち。こうもうまく作用しないときは、少し様子を見る……とか、戦術を変えてみては? と、ものすごく素朴に思ってしまったほど。
おかげでブキャナンの球数は抑えられ、これはピッチャーとしては理想的な展開。完投にもつながっていった。
一方、カープの先発・ジョンソンは2回裏、ワイルドピッチと四球と死球もからめて、3失点。イライラしているのが伝わってきた。見ると、ユニフォームの袖のあたりが風ではためている。
2016年の交流戦で、千葉ロッテマリーンズと対戦したとき、風の強いスタジアムで我を失い呆然としていたジョンソンを思い出してしまった。繊細さが個性とも言えるのかもしれないが、この回はエースと呼ぶには難しい振る舞いだった。
失点はその回だけにとどめたのがジョンソンらしいと言えなくもないが。
こんなとき、「鈍感になるのも必要」と言っていた黒田博樹の言葉を思い出します。
それと同時に、4月26日、横浜DeNAベイスターズ戦で、横浜の先発・東克樹の間合いのよさをほめていた解説の門倉健さんの言葉も思い出すのでした。間合いというのは天性のもので、練習してよくなるものではないという。
こんなときはシンクロするもので、堀内恒夫さんが『週刊 ベースボール』(2018年4月30日号)の連載コラム「多事正論」で、投球の間合いについて書いていた記事を見つけた。開幕当初、結果の出なかった巨人の2枚看板、菅野智之と田口麗斗について話題にした記事でした。
「投手は打者に考える余裕を与えないこと。菅野も田口も、そういう投球を取り戻せればいいのだが、今は打者によって自分が考えさせられている。〈野球は投手が投げなきゃ始まらない〉という言葉を、今こそかみ締めてほしい」
たしかに、4月26日の東は「俺が投げなきゃ始まらない」的な、意気を感じるピッチングだった。
また一方で、5月3日の巨人戦で先発した岡田明丈の、回を追うごとにゆったりとした自分のリズムになっていたピッチングも同時に思い浮かんでしまうのでした。
何かに神経質になっていたら、きっとあんな間合いの投球はできない、と。
心意気だけではどうにもならない、技術が大きくものをいうプロの世界ですが。そんな凄腕ばかりが揃う世界では、どんな心持ちでのぞむかが差を生んでいくのだと、改めて感じ入ったゲームでした。
心意気だけではどうにもならない、技術が大きくものをいうプロの世界ですが。そんな凄腕ばかりが揃う世界では、どんな心持ちでのぞむかが差を生んでいくのだと、改めて感じ入ったゲームでした。
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