平昌オリンピックで、男子シングルのショートプログラムにて、羽生結弦さんが演技を終えた時、無良さんは「これで自分の役目は終わったな」と感じたといいます。
その一文だけを読んで、どういうことなのかと思っていたら……。
無良さんは、この大会の補欠選手として選ばれていたので、平昌オリンピックまで練習を続け、体調を整えていたそうです。
そうか。選ばれた選手が突然、試合に出られなくなる可能性だって、あります。いつ何が起こるかわかりません。選ばれて表舞台に立っていた選手以外にも、オリンピックに臨戦していた選手の存在を知りました。
大きなケガから復帰した羽生さんが無事ショートの演技を終えたのを見届けて、そう感じた無良さんの心情が伝わってきました。
昨年のシーズンオフ、ジャイアンツを戦力外になり、その後、日ハムへの復帰が決まった實松一成。控えのキャッチャーとして、チームを支え続けたジャイアンツ時代について、實松はこう語っていたそうです。
「もちろん試合に出ていたほうが充実感はありますよ。でも試合に出なくても、試合に出ているキャッチャーと同じように配球を考えながら試合に入り込んでいなければならないのが僕の仕事でしたから、いつ行くか分からないという緊張感、プレッシャーは、試合に出ているときと変わりませんでした。試合が終わったとき、体が疲れることはありませんけど、頭と心は相当、疲れていますからね」
(「高卒松坂世代・實松一成“もういっちょ”の勝負」/『週刊ベースボール』の連載コラム「石田雄太の閃球眼」より)
(「高卒松坂世代・實松一成“もういっちょ”の勝負」/『週刊ベースボール』の連載コラム「石田雄太の閃球眼」より)
いつでもプレーに入っていけるよう、スタンバイ。控えだからと言って、フル回転なのは変わらない。
スケートも、プロ野球も、そういう選手の存在を意識してみると、さらに実戦の緊張感やきびしさが感じとれて、世界が増幅して見えます。坂倉将吾も、ベンチの中でも闘って、育ってほしい。
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