2018年5月3日

四球に過剰反応する件について

こんな面白い記事を見つけました。

 やっぱり野茂英雄は凄かった!「16与四球」なのに完投勝利

1994年7月1日。近鉄時代の野茂さんが、西武との対戦で合計16の四球を与え、それまで小松博喜さん(黒鷲)が持っていた14というワースト記録(1942年)を塗りかえたという。

一人で毎回四球を与えたのも史上初のことで、投球数191のうち105球がボール球という荒れっぷりだったそう。しかも、押し出しで合計3点を献上。

しかーし。この日、結果的に野茂さんは完投し、8対3で勝ち投手になったという(この3点は押し出しですから、打たれた結果の失点ではないということ)。いやはや豪の者です。やっぱりタダモノではなかった。

いくらフォアを出そうが、勝てば何の問題もないという話。
もちろんフォアが出ないに越したことはないが。

多少の荒れ球は、的が絞れずかえって打ちづらいという話も聞きます。奪三振王に輝いたカープOBの川口和久さんも、荒れ球が多かったとか。



そう考えると、4月30日の阪神戦の5回表、藪田和樹が続けて四球を出し、1塁2塁が埋まった場面で、まだゼロ点に抑えていたにもかかわらず藪田を降板させた、あのカープ首脳陣の判断には、もう一度首をかしげてしまう。

黒田博樹も現役時代、打たれても、点が入らなければいいと話していました。

この野茂さんのエピソードを知って、昨年5月の阪神戦で9点差を大逆転されたゲームが強い記憶にもなって、ファンの私たちも四球に過剰に反応するようになっていたのかもしれないと思いました。もしかしたら首脳陣も?

コントロールがいいに越したことはないけれど、コントロールのよさが投手の一番の基準になってしまうと、いろんな投手の持っている個性が生かされなくなってしまうでしょう。

ベンチも、四球を出さない完璧さを求めすぎているのでは? 窮屈になっているのでは?

あのときも、薮田に「点を取られるまで(または2、3点取られてもいいから)、思い切って投げてみろ」そう言って、送り出してほしかった。

そうは言っても、野茂さんのように投げ勝つ強さ(と援護)がないと、文句を言われるだけの話。勝ってなんぼという結果の世界。



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