2017年10月30日

ドラフトで思い出した豊田泰光さんの名言


今年のドラフトの目玉は、早稲田実業の清宮幸太郎君のようでしたが、9月22日、プロ志望を表明した会見での「自分を厳しく指導してくれて、成長させてくれる球団に行きたい」という言葉には違和感を覚えた。

そのとき、豊田泰光さん(1935〜2016、西鉄ライオンズで活躍し、引退後、野球解説者をつとめる)の言葉をふっと思い出したのでした。

かつて、豊田さんが『日本経済新聞』のスポーツ欄で連載していたコラム「チェンジアップ」は、野球に詳しくなかった私が読んでも面白かった。

新しい視点を教えてもらったり、野球を見る深みが増したり、毎週木曜日が待ち遠しく、読むのが楽しみでした。

「自ら学び、育ってこそプロ」(2012年2月2日)も、その一つ。



コラムの最後は、こんなふうに新人選手へのエールで結ばれていました。

 “プロには「教える」「育てる」はない。
 「学ぶ」と「育つ」があるのみ。
 何でも自分で考え、実践しなくては。
 プロの一歩を踏み出す新人たちに、
 その覚悟をしておいてほしい。”

現役を引退する選手の「このチームに育ててもらった」という言葉は、そこで経験したことが糧になっているという実感のこもったものだと思う。

わたしも会社時代や仕事を通して経験したことが財産になっていると感じることがある。
たしかに仕事は学びの場だったけれど、学校じゃない。

教わることはものすごく多かったけれど、教わることを待ってばかりはいられない。

プロの球団に入るのは学校に入るのとは違う。
会社に就職するのとも違う。
プロ野球選手は個人事業主ですもの。

清宮君の言葉は自分が成長したいという思いから出たものと受け止めていますが、豊田さんの言葉はどの業界でも通じるものと、久しぶりに思い起こしたのでした。

*豊田さんが『日経新聞』で連載していたコラムを集めたものが単行本になっているようです。

『豊田泰光のチェンジアップ人生論』(日本経済新聞社、2006)



スポンサーリンク


〔関連記事〕

●中村くんと新井さん …… 選手の呼び方考

2017年10月27日

中村くんと新井さん …… 選手の呼び方考


これまでニュースではたびたび目にしていたドラフト会議。テレビ中継を見たのは昨年が初めてでした。これもカープを応援するようになって、プロ野球を見るのを楽しむようになったからですね。

それにしても、ハム(日ハムファンのえのきどいちろうさんをまねて愛称)のくじ運の強さは、こわいくらい。もはや伝統芸か。

カープの一位指名が決まったとき、緊張した面持ちの広陵高校・中村奨成君は、ふっと柔らかい表情に。「地元チームに選んでもらって、すごく幸せな気分です」という言葉を会見で聞くことができて、こちらも幸せな気持ちに。

昨年の1位指名は、加藤拓也。(2019年から登録名は矢崎拓也)。どんな若者なのかと、「はじめまして〜」の気分でドラフト中継を見ていました。思い起こせばそのときはまだ、「加藤君」と呼んでいた。

中村君も入団してプロの選手になったら、もう君づけではなく、「ナカムラ」と呼ぶことになるでしょう。今はまだ、ウェルカム状態というわけなのだと気づきました。



人の呼び方は、その人との距離感を表すものだと思うのですが、選手を呼び捨てにするのは、ファンにとっては、愛称にほかならないと思う。中学生か高校生くらいになったとき、同級生を名字で(呼び捨てで)呼ぶようになったときの親愛こめた感じと似ていますかね?

わたしは黒田博樹のことを尊敬しているので、ほんとなら「黒田さん」と呼びたい心持ちですが、あえて「黒田」と呼ばせていただいてます。

ソフトバンクの松坂大輔や、ハムの斎藤佑樹は、高校時代からの愛称で、今でも「君」づけでしっくりきますね。

カープの新井貴浩は、気がつくとこの1〜2年で、自然に「新井さん」と呼ぶようになっていた。

この場合の「さん」は、たとえば、衣笠祥雄さん、山本浩二さん、大野豊さん……と呼ぶときとはほんの少し違ったニュアンス。

大家さん、床屋さん……のように、「さん」を含めて一つの愛され単語の域に達していると思われます。



スポンサーリンク


〔関連記事〕

●ドラフトで思い出した豊田泰光さんの名言

2017年10月25日

サヨウナラ〜


10月24日、横浜DeNAベイスターズとのCS第5戦。

この日の横浜は、昨日の今永昇太に続き、中継ぎにまたしても先発陣の柱、濱口遥大が登場。ちょっとこれなに、オールスター? 豪華だ。

かたや広島の継投。野村祐輔の後を受けた大瀬良大地は打たれていたので1イニングで終わりかと思っていたら、続投。

ラミレス監督なら交代を告げそう。いつの間にかラミレスが采配の物差しになっている。ラミレス・スタンダードと呼びたい。

選手の力量がもちろん基本(プロですもの、大人ですもの)。でも、その力量をさらに引き出すのが采配の妙なのだと、魅せてもらった試合だった気がします。

いっそ、面白い方に一票で、岡田明丈を投じてほしかった。もう暴発してもいい。こうなったら、いちかばちか、最後にあのバズーカ砲を横浜打線にぶつけてみてほしかった。

免疫力が落ちてくると、身体の弱い部分に症状が出てくるみたいに、會澤翼のリードは外へ外へと逃げていくし。

ダダダダダダ♪ 横浜の鳴り出した太鼓が止まりませーん。



ゲームは何が起こるかわからないもの。そう思っていつも、最後まで見届ける所存で観戦しています。

しかし、6回裏の新井貴浩のホームランで流れを引き寄せようとした空気を一瞬にして真っ白にした、7回表の筒香嘉智(大砲発射のあと火薬の香りがたちのぼってきそうな味わい感じるお名前)のホームラン。このあたりから横浜を日本シリーズに送り出す旅の支度を始めました……。

最後の方はまるで、2006年サッカーW杯の日本代表とブラジル代表の試合を見ているような。「勝ちたい気持ち」だけではどうにも追いつけない力の差を見せつけられているような。

かつての、両リーグの覇者同士が対決する王道の日本シリーズを思うと、このCSという制度は「おまけ」のような違和感がいつもどこかであった。でも、これはもう別物と思えばいいのだと思うことにした。サッカーの天皇杯やナビスコカップ(現在は「ルヴァンカップ」)のようなものだと。

横浜の素晴らしかった投打が、ソフトバンクとどう対抗するのか、日本シリーズに興味が出てきました。

最後に、新井さん。ホームランをありがとう。



スポンサーリンク


〔関連記事〕
●ラミレスの采配見ていて考えた(一句)
●勝ちたい気持ちはごまかせない

2017年10月24日

ラミレスの采配見ていて考えた(一句)


10月23日、横浜DeNAベイスターズとのCS第4戦。

この日も横浜はアレックス・ラミレス監督の采配がことごとくはまり、7回に、レギュラーシーズンで先発ローテーションの一角をになってきた今永昇太が出てきたときには驚いた。しかも、8回も続投。

初めての中継ぎ登板、期待に応えていて見事でした。今永の、投球前のゆらがない体幹、毎回見ていて気持ちがいいです。

一方カープは、薮田和樹の次は、雨で先発の流れた大瀬良大地がロングリリーフかと思いきや、九里亜蓮が登場。

シーズン中、何度も見た光景。代打もしかりで、なぜこのタイミングでこの人が……。そう素人目にも映る采配が続く。

どの選手のコンディションがいいかは現場にいる人でないとわからないから、そういう判断だったのかもしれないが。

いつも通りの采配が悪いわけではないけれど、いつも通りだからと言って、平常心でそう判断したという感じも伝わってこなかった。

うまく行くときは全てがぴたりとはまる……というのは、どのチームにもあるときにはある。お互い様なこととはいえ、この日は見ていて横浜の采配の方が面白かった。

面白くなくても、勝つことが一番大事。いや、この日は勝てなかったから、ファンにとって面白く感じなかったということなのかもしれません。でも、面白い方に一票投じたくなるときって、あります。



スポンサーリンク


〔関連記事〕

●サヨウナラ〜。
●勝ちたい気持ちはごまかせない

2017年10月23日

私が野球を見る理由


衆議院議員総選挙、終わりましたね。

勝つためには人選が大切だったり、選ばれた人の日頃の姿勢を有権者はちゃんと見ていたり。応援していた人が当選したり落選したり、天候の影響を少なからず受けることもあったり。

まるで野球の試合のよう。

カープを応援する女の子たちを描いた石田敦子さんのマンガ、『球場ラヴァーズ 私が野球に行く理由』(少年画報社)を初めて読んだとき、「さりげないけれど、これは名言」と感じたシーンがあります。



わけあって初めて球場に訪れた女子高生・実央(みお)が、カープファンのOL・勝子(しょうこ)、フリーアニメーターのみなみと出会う場面。

熱気でにぎわう応援席にやってきて、「他人のこと応援して楽しいですか。応援してどうなるわけじゃないのに。自分に関係ない人がやってる野球に必死になって」と、とまどう実央に、「人のことだから応援するのよ」「自分のことだったら自分が頑張るだけ」と答える勝子とみなみ。

「誰に頼まれたわけでもない。私が今、応援したいから応援する」

ゲームを見ながら一喜一憂してしまうけれど、それは他人に何かを託しているわけじゃないんです。自分には自分の人生がありますし。どちらかが勝ち、どちらかが負けるのが勝負ごとですし。

でも、応援したくなる。だから応援する。胸のすくような言葉です。

ところで、当日の大雨が予想される投票前日、人気アトラクション並みの行列が出来ている、ある期日前投票の会場の様子をニュースで見た。1時間待ちという状況に、投票するのを諦めて帰った人も少なからずいたとか。せっかくの機会、無念です。

投票は数日前に済ませていたので、これからもそうしたいと思いました。何ごとも準備は早め早めに、と。


スポンサーリンク


〔関連記事〕

●カープのファンになったきっかけ1
●まさか、こんなところにカープファンが
●そして、ここにもカープファンが。

2017年10月21日

勝ちたい気持ちはごまかせない


10月20日、横浜DeNAベイスターズとのCS第3戦。

息づまる投手戦といえば、投手戦。しかし、この日、「心技体」ともに充実しているのは横浜のように見えた。

日刊スポーツに掲載された黒田博樹の「CS特別観戦記(第3戦)」(『日刊スポーツ』2017年10月21日)の最後は、この一文で結ばれていました。

 “ あとは「勝ちたい」という気持ちの強い方が勝ち残る ”

第3戦は、横浜の方が「勝ちたい気持ち」が伝わってきた。

たとえば、昨年のハム(日本ハムファイターズファンのえのきどいちろうさんをまねて、こう愛称してみました)との日本シリーズ。

第3戦か?最終戦か?で、広島ベンチからあきらめムードが漂ってくる中、1年目の西川龍馬の打席からは、なんとかしたい気持ちが静かにメラメラ伝わってきました。そしてヒットを打った。そういうことって、覚えています。

ひとの感覚って、不思議なもの、よくできているもので、微妙なところを感じとったりします。お客さんはちゃんと見てんねんで。伝わってんねんで。

あきらめムードを選手から察知し始めたとき、「まだ終わってへんでぇぇぇ」と、ファイティングポーズをとっているファンも確実にいるのです。



スポンサーリンク


〔関連記事〕

●サヨウナラ〜。
●ラミレスの采配見ていて考えた(一句)

2017年10月20日

黒田博樹が初のラジオ中継に!


横浜DeNAベイスターズとのCS第2戦。昨日もラジオ観戦。私の住んでいるエリアでは、ショウアップナイター(ニッポン放送)とエキサイトベースボール(TBSラジオ)の2局で実況中継。

radikoの番組表を見ると、TBSラジオの解説は「あっ、衣笠祥雄さんだ!」。そして、鉄人と並んでゲストに黒田博樹の名前が!

ラジオで黒田の声が聴けるとは。しかも、愛弟子、野村祐輔の登板試合で。ようこそ、ようこそ。

番組の始めにアナウンサーも「今日はなんと黒田博樹さんをゲストにお迎えしています」。

リスナーもおんなじ気持ちですよ。ほんと、「なんと」のサプライズですよ。しかも、ラジオ実況の出演は、引退してから黒田にとって初めてのお仕事だそうです。

2冊目の本『クオリティピッチング』(ベストセラーズ、2013)を通して黒田は、ピッチングというのは、一球入魂のその場その場かぎりのものではなく、前の打席、次の打席ともつながっている立体的なものなのだと、新しい視点を教えてくれました。



そのことは現役時代の黒田の投球からも、引退して野球中継のゲストに招かれたときの解説からも、知ることができました。

この日もまた、配球の組み立てについて臨場感ある話が聞けて面白かったです。

ゲームの方は、先発の濱口遥大をなかなか打ち崩せないは、パコンパコンと撃たれるは……あれ、なんかこれ見たことあるぞ。という、シーズン中の横浜戦を思い起こすような既視感満載の展開でしたが、得難き黒田のラジオ出演。最後まで聴きました。

濱口、素晴らしかったですね。

第3戦のTBSは、解説がカープOBの川口和久さん、ゲストが久米宏さん。前々回の記事でカープファンの久米さんについて書いたばかりなので、これまた、どんなお話が聞けるのか楽しみです。

〔註〕TBSラジオは2017年で65年続いたプロ野球中継を終了しました。ズーン。



スポンサーリンク


〔関連記事〕

●カープのファンになったきっかけ1
●ゲームの面白さを増幅させてくれる解説者・安仁屋宗八さん