2018年11月13日

黒田博樹と新井貴浩、日本シリーズと引退。

黒田、どんだけ新井さんのこと、好きやねん。

そう、つっこみ入れたくなったのは、11月5日、『中国新聞』にどーんと2面にわたって掲載された「結局、新井は凄かった」という広告。(『中国新聞アルファ』)

広告主は黒田博樹。新井貴浩が2000本安打を達成したときの「まさか、あの新井さんが……」Tシャツを彷彿とさせる、おちゃめ企画。

(今となっては少々前の話題となりましたが、いま書かないとさらにタイミンを逸しますので、失礼いたします)

新井さんも黒田のことを好きで尊敬していることはそこココから伝わってきますが、黒田はそれ以上に新井さんのこと、好きやね。

2016年のリーグ優勝の瞬間、グラウンドに人だかりが出来たとき、黒田は新井はどこだ〜と探していた。カープ時代、初めて二人で飲みにいったこと(店)も覚えていると、黒田は話していました(『Number』2016年10月6日号の黒田と新井のスペシャル対談より)。

ちなみにそのとき新井は、「黒田さんには数えきれないくらい食事に連れて行ってもらっているから、どのことか思い出せないです。すみません!」と返していました。



黒田が引退を決めた2016年。当初、全て終わってから、つまりは日本シリーズを終えてから、引退を発表するつもりでいた黒田。

しかし、「黒田さんの姿を目に焼き付けておきたいファンのために、シリーズ前に引退を知らせた方がいい」と進言した新井。黒田はそれを受け入れちゃったんだな。

私はあのとき思いました。「新井さん、よけいなこと言いおって〜」と。

2015年、黒田が日本球界に復帰したときから、黒田を見ることができるのは1年限りと思っていたので、その姿を目にやきつけておきたくて、試合を追いかけていました(そして、いつのまにかカープを応援するように)。

2016年、黒田が現役を続行すると聞いたとき、もう1年、黒田の投球を見られるとは思っていなかった。だから、もうこの年(2016年)で最後と心得ていた。

日ハムとの日本シリーズでも、いつもどおり、マウンドでの、バッターボックスでの、ベンチでの黒田を見逃すものかと、追いかけるつもりでいました。

黒田には最初の自分の考え通り、引退発表はすべて終わってからにしてもらって全然かまわなかった。あのとき、「黒田さんと日本一に」みたいな、ウェットなムードが持ち込まれなかったら、もっとゲームを楽しめたと思ったのでした。も、終わったことなんですけどね。



一方、今年9月の新井さんの引退発表は衝撃だった。黒田に「おまえはボロボロになるまでやれ」と言われていた新井さんが、こんなに早く綺麗に引退するとは思わなかった。あと数年、現役の姿を見られるものと思っていた。

グラウンドでも、ベンチでも、あんなみずみずしい人、見たことない(見えないところで身体的にはいろいろ起きていたかもしれませんが)。

そのときから、グラウンドでも、ベンチでも、新井さんの姿をしっかりと追いかけた。それは、シーズン中に引退を発表してくれたからとも申せましょう。

しかし。本当に好きで応援している選手には、毎回、出番があるときは、しかと追いかけているものです。引退を発表していなくても、きっと新井さんの姿を目で追いかけていたと思うのです。

ソフトバンクとの日本シリーズで、この場面で新井さん? というシーンが何度かあった。それは、適材適所の場面でというより、ファンに新井さんの姿を見せるためのはからいではと思われるものでした。



新井さんが登場してくれることは、嬉しいです、まちがいなく。しかし、勝負に徹してほしかった。ふさわしい場面で新井さんを出してほしかった(ふさわしくない場面で新井さんを出してほしくなかった)。本気で勝ちにいこうとしているチームからはズレている選択をしているように見えた。

引退発表の時期は、本人が臨むときが一番と思っています。そして、「新井さんとできるだけ長く一緒に」という感情が選手の間から生まれるのは自然なこと。

それをあえてマスコミが強調しているだけかもしれませんが、そんなウェットなムードが垣間見えると、部活じゃないんだから。プロフェッショナルなんだから。と、戦いの真っ最中の引退表明はしっくりこないものだと、またも思わされたのでした。


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