そのとき、ある男の子が「どうしたら遠くまで飛ばせるようになりますか?」と質問。柳田悠岐がなんと答えるか、興味津々で聞いていました。
というのも、今年のオールスターのとき、登板が終わったあと放送席に招かれた読売ジャイアンツの菅野智之が、「どうしたら速い球を投げることができますか?」とアナウンサーにたずねられていたときのことが記憶に残っていたからです(野球ファンの子どもからの質問だったかもしれません)。
シンプルだけど、名言だと思いました。
なりたいイメージと意志を持って、自分で考え、工夫していくこと。答えを自分で見つけていく余地も残された、名答だと感じたのです。
菅野の言葉を思い出しながら、野手はこんなとき、バッティングについてどう答えるのだろう……と楽しみに待っていたら、柳田は「しっかりごはんを食べて」みたいなことを話してあげていました。
心技体のうちの「体」は、もちろん大切。あのパワフルなスイングをする人ならではのひとつの答えかもしれません。でも、質問した子どもは、テクニカルなことを聞きたかったような気もしていたので、ことさら菅野の言葉にど真ん中なものを感じました。
12月2日、NHKで1995年に放送された「大リーガー 野茂英雄」というドキュメンタリー番組を再放送していた。野茂さんがメジャーリーグに渡った1年目を記録した映像でした。そう、まだ「大リーガー」と呼んでいた時代。
野茂さんといえば、トレードマークになっているのが、トルネード投法。「小さい頃から速い球を投げたいと思っていたので、どうしたら速く投げられるかなというふうに思っていたら、今のフォームに自然となった」と、野茂さんは語っていました。
子どもの頃、お父さんとキャッチボールしていたとき、「腕だけでは速い球は投げられない。体全体を使って」と言われたことが、始まりだったようです。
高校時代、まわりから変わっていると言われてもフォームを変えず、社会人野球から近鉄バッファローズに入団するときの条件も「フォームを変えないこと」だったそうです。
野茂さんと菅野の言葉が重なって、クリアな上にずっしり重みを感じたのでした。
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