2023年4月17日

若手かベテランか、未来か目先の勝利か


カープを最下位予想していた解説者たちは、開幕4連敗したとき、「そら見たことか」とほくそ笑んだことでしょう。

その後、5連勝、いま首位。まだ13試合、暫定首位なんて無きに等しいが、それでも土日に逆転勝ちできたことはよかった。主力不振・不在のヤクルトが相手だったとしても。

4月16日、田中広輔が満塁で同点弾(1週間前にも2年ぶりのホームラン)。ファンを激しく喜ばせてくれた。田中復活!と喜んでいるカープファンの方も多いのでは。


新井さんの起用に応えて結果を出したという印象を与えそうな劇的な同点弾。だからと言って、田中がショートの定位置に?

打率は2割以下。秋山翔吾のような再現性は低いと思うのだ(今のとこ、マクブルームも、坂倉将吾も、デビッドソンも、2割以下だが。小園海斗に至っては1割以下なんだが)。

秋季キャンプで「好き嫌いで選手起用をしない」と高らかに宣言した新井さんだったが、野手は2軍との入れ替えがほぼない

開幕以降、田中や上本崇司、堂林翔太ら、他チームだったらスタメン起用されるかわからない選手が、不動ではないが流動的にスタメン起用されている。

それで結果が出てきているのだから、このままでいいじゃないかという考え方もあるかもしれないが。新井さんとチームの雰囲気は明るいが。この低い天井みたいな、押さえつけられてる感じはなんだろう。


落合博満さんは、「打撃不振の選手がいても、打線はいじらないで責任を持って任せた方がいい」という考えのようだ。

落合さんの考えがすべて正しいとは限らないが、そういう考え方があるのかと思わされることは度々ある。






中日の監督時代、落合さんは「すぐに使える選手が欲しい。勝つための戦力を取ってくれ」とスカウトの中田宗男さんに言っていたそうだ。

一方、中田さんは、「今いる選手たちが枯れたときに、次に咲く花は芽吹いているか」という視点で選手を見ていた。未来を見ていた。

かたや、「考え方は二つある。でも、5年、10年先じゃなくて、来年の戦いに勝たないといけないんだ」と、目の前の勝利を見ていた落合さん。

「不公平じゃないか、若いってだけで使ってもらえるのか? 今、うちにファームで3割打っている奴がいるか? ベテランにだって生活権はあるんだぜ?」とも言っていた。

それでも、チームの「顔」だった立浪和義が、3塁手として守備範囲が狭まっているのを見抜き、森野将彦に自らノックして守備を鍛えさせたこともあった。


ケムナ誠は今のブルペンの状況を「オレにも投げさせてくれと、みんなギラギラしている」と言っていた。すごくいい状況だ。

投手は打たれた・打たれないの結果がパッキリ出る。競争も見える。問題は、野手だ。

たとえば「2割切ったら2軍選手と入れ替え」と基準がはっきりしていたら、客観的に入れ替えも自在になって、競争が生まれそうなのだが。

一概に打率で割り切れないもの、待つのが必要なときもあるのかもしれないが。守備の技術も関係してくるし。

あれだ、ともかく、「未来より目先の勝利が優先」と言えるほど、田中や上本が活躍している(技術がある)わけじゃないからモヤモヤするんですよ、新井さーん。
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