2019年6月1日

中﨑翔太を使う勇気・使わない勇気

5月31日、阪神戦(マツダスタジアム)。

カープ・床田寛樹と、阪神・西勇輝との投手戦。

今日も今日とて、西を打ち崩すことはなかなかできません。んが、5回、フォアで出塁した床田を、得点圏打率ナンバーワンの菊池涼介がホームに返す貴重な1点をたたき出す。

床田は7回無失点で、快投。ただ、この1点リードを守りきれるかどうか、見ている側は薄氷を踏む思いです。

8回はフランスアが三者凡退。

9回は、ヤクルト戦での投球を見てベンチもそろそろ考え直してくれないかと淡い期待を抱いていたが、やっぱり中﨑翔太だった。

中﨑は3安打1失点で、同点に追いつかれ、ゲームは延長戦に突入。

カープと阪神は、投手陣が先発・リリーフともに充実していたり、打線が活気づいてきたり、そのわりに残塁が多くてチャンスの場面でとどめをさせていないことが多い(これはデータに基づいたものではなく、個人的なイメージですけれど)など、似ているものを感じる。

似ている者同士、延長戦で徒労感の増す試合になるのではという予測が……またしても当たりました。



10回と11回は、一岡竜司とレグナルトが無失点リレー。その裏、上本崇司がヒット、磯村嘉孝がフォアで出塁。塁に人がいると打たないので有名な野間峻祥がまさかのサヨナラタイムリー。

床田に勝ちをつけてあげられなかったことは心底残念だったけれど、勝ててよかった。そう思っていた直後、緒方監督のコメントを聞いて、失望した。

中﨑について問われ、「状態を見極めなくちゃいけないと思うが、すぐに(抑えを)代えるとかはない。本人とも話をして、すぐにどうのこうのとは今は考えていない」(「日刊スポーツ」)

勝利に安堵した気持ちに水を差された。身体の免疫力が低下していく感じ。



先発投手の勝ちが消えることはよくあると言えば、よくあること。誰のせいとも言えない。お互い様のこともある。

もし9回に中﨑以外のピッチャーが起用されていたとしても、1点差リードを守れたかどうかはわからない。勝ち越しされていたかもしれない。

でも、ここ何試合かの状態を見て、中﨑に9回を託すのは危険と感じるのはまっとうな感覚だと思う。みすみす床田の勝ちを手放しに行ったようなベンチの采配に、脱力感がとまらない。

「決まりごと」から外れることを好まない緒方監督を、臆病と捉える向きもあるが、あえてスリリングな状況で中﨑を投入するその勇気には、ある意味、驚く。

その勇気を、状況を変える方に、なんとか使ってもらえないだろうか。


 スポンサーリンク


〔関連記事〕

勝ったのに、このつまらなさは何だろう?
フラットな選手評価