プロ野球選手の新型コロナ感染のニュースも続々。カープでは21日、矢崎拓也が陽性判定。今後さらに増えていく可能性も。
今シーズンは、延長12回制を復活させる方針とか。
選手が疲弊しないよう、今年も9回延長なしでいいと思うんだけど、邪道でしょうか。夜遅くまで試合が長引かないといいな、と思う私の体力が落ちているのか。
1月20日、春季キャンプのメンバーが発表されました。これからというとき、矢崎も不本意でしょうけど、養生してね。
1軍、捕手枠で中村奨成が入っていて、ホッ(外野にコンバートされるかもだけど)。この程度でホッとするとは。昨年の、奨成に対するベンチのぞんざいな扱いがトラウマになっているのを実感しますよ、まったく。
1月16日、「石橋貴明のGATE7」(TBSラジオ)にゲスト出演した江夏豊さん。前回、ご紹介したほかにも面白い話はたくさんありました。
その中でも、南海時代、リリーフに転向した野村克也さんとのエピソードが脳に残る。
野村さんと同じマンションに住んでいた江夏さん。試合が終わると、野村さんと朝まで、ずっとその日の試合の話、野球の話をしていたという。もっと時間がほしいくらい、すごく楽しかったって。
そんな野村さんから、「もうおまえ、野球は無理やで。もう30球、40球しか投げられないんだから、その30球、40球を生かすリリーフピッチャーにならないか」と言われた江夏さん。
今は肘肩の故障でその球数しか投げられないけれど、必ずもう一度よくなって先発をしたいというかすかな希望を持っていた江夏さん。でも、実際に自分で投げていて、自分の状況はよくわかる。
「まだ野球やりたいんやろ。お前はもう(先発として)終わりやで。でも、一つだけ生きる道がある。30球40球を活かせるポジション、それがリリーフなんだ」と、野村監督。
ひとは自分の欠点を愛すべき人から指摘されると、すごく悔しい、腹立たしい。でも、野球を続けるにはもうそれしかない。
そんな話が1ヵ月くらい続いて、偶然に出た言葉が「野球界に革命を起こしてみないか」。
そのときはまだ何のことかわからなかった。ただ、新しいものにチャレンジできるというアドバイスをもらって、ふんぎりをつけた。
ピッチャーというのは、先発完投してなんぼの時代。勝ち星もすべて忘れて、試合数だけが頼りのポジションとは無縁だったので、自分の中に葛藤があったけれど、どんどん考えを変えていった。やればやるほど難しい分野だった。
このころ、新しい野球の形がどんどん日本のプロ野球に入ってきた。たとえば、パ・リーグの前期・後期制。当時、断トツに強かった阪急の優勝をなんとかくいとめるために生まれた。
DH制も導入された。野球選手は、打って投げて守って走ってなんぼのもの。打てるだけじゃダメだったのが、そういう選手でも一流選手になれる時代がきた。
野球の形がドンドン変わっていくんだな、と。自分も先発は無理だけど、なんとかリリーフで、新しいものを作り上げられればな、と取り組んだそう。
ただ、以前、どこかで読んだ。「リリーフで野球界に革命を起こそう」と江夏さんに大きなきっかけを与えた野村さんも、あとは丸投げ。江夏さん自身がメジャーの資料を取り寄せたり、試行錯誤して新しいリリーフというポジションを確立した、と。
選手がプロの世界でどうやって生きていくかを見極めて、はっきり助言できた野村さんを素晴らしいと思うのと同時に、江夏さんが自分の頭で考え、工夫していったそれこそがプロの選手だなと、いま思い出しても深くうなづくものが。
選手の資質を見極める目も育てる度量もない。ドラフトの競合で奨成を獲得しながらも、それを生かせていないカープの指導陣。
しかし、奨成。指導者(指導してないけど)まかせでなく、自分で考え、磨いて、出てこーい。今年こそ。