3月7日、日本vs.欧州代表戦(京セラドーム)は0対2で、日本が完封リレー。どころか、1人のランナーも出さない完全試合。
金丸夢斗(関西大学)が1回2回を、中村優斗(愛知工業大)が3回を投げて、ゼロ封スタート。これは確実に、後に続くプロ選手にプレッシャーを与えたはず。
プロ選手の中にいて何の違和感もない。金丸の凛々しい面構えは田村俊介と重なるものが。
1戦目で鮮烈な打撃を見せた西川史礁が、スタメンで1番。この日の打席は内野安打にとどまったけれど、7回にはセンター守備でダイビングキャーッチ。今日も盛りたてた。隅田知一郎も両手を上げて賞賛。隅田のテンポいい投球もよかった。
野球ってやっぱりいいなと余韻にひたった2日間。なんでこんなに今回の日本代表戦が楽しかったのか、じわじわ湧き上がってくるものがあった。
今回、井端監督が日本代表を若手中心にし、大学生4人を選んだのは、2026年のWBC、2028年のロサンゼルス五輪を見すえてのこと。「勝つ」ことだけを目的にしていたら、もっとほかの選択もあったはず。
逆に、大学生の活躍が目立ち、大学生旋風が起きた。プロだけに指定席が与えられていないこの選択、とってもいいなと思った。
高校からJリーグのチームまでもが一緒に戦うサッカーの天皇杯みたい。すっごく風通しいいと思った。
野球にもこんな大会があればいいと思うけれど、「まんがいちプロがアマに負けるようなことがあればプロの沽券にかかわる」と、NPBは絶対やろうとしないだろう。やれば面白いのに。
ジャイアントキリングがあれば、球界全体が盛り上がるし、アマのモチベーションもさらに上がるだろうに。今回の日本代表、レベルの高い大学生が選ばれたことで、逆にプロ選手のモチベーションをも上げたと思うが。
これは井端監督の功績。ほかの人だったら、こんな発想を持てたかどうか。
「監督」とは、director。directionする人。方向を決める人。誰を選んで、どんな野球をしていくかを決めるのは、監督によってさまざま。
井端監督には「これから」の球界への展望があった。それに応えた選手たちともども、素晴らしいと思った。
井端監督には「これから」の球界への展望があった。それに応えた選手たちともども、素晴らしいと思った。
この余韻の中、今日はカープのオープン戦。中日に4対0と完封され、現実に引き戻されました(日本代表も、2戦目は貧打ではあったのだけど)。
代表戦に出ていた坂倉将吾、小園海斗、田村俊介ら主力が不在だったこともあったのか、野間峻祥、上本崇司、會澤翼らがスタメンに。
「競争は続く」と新井さんは言うけれど、昨年のような過去の実績重視の選手起用に逆戻りしないか、警戒している。
いえ、ベテラン・中堅勢がいいプレーを見せてくれていたら、別に問題ないです。そうでもないのに指定席を与えられた日には。
野手で実績を認められるのは秋山翔吾と菊池涼介くらいだと思うけれど。會澤はここ数年は振るわないし、野間や上本も十分とは言えないと思うのだが。
井端監督の方針(選手起用)が目の覚めるようなものだっただけに、また曇天みたいな気持ちにさせられるんじゃないかどうか、ちょっと心配。