9月7日、中日戦の後、マツダスタジアムのお立ち台で、秋山翔吾が「最後、広島を盛り上げられるように、最高の1カ月にしたいと思います」と言ってくれ、うぉぉぉ。と歓声に包まれた次の日から、転落するように勝てなくなったカープ。
ふたをあければ、9月は4勝16敗。
その試合の前に4連敗。しかも、それは森下暢仁が大量失点したDeNA戦から始まっていた。兆候は出ていた。
まだ9月の初めは「カープが優勝したらMVPは誰かな~」「床田かな」「私は小園!」なんて家族と話し合って、楽しかったことを思い出した。歳月の流れを感じます。ちょっと前のことなのに。
当初、私の頭の中では、今年の首位打者は小園海斗で、途中、最多勝は床田寛樹。いや、森下も「床田さんに負けたくない」と言っていたから、追い上げがあってもよろし。
最多セーブは栗林良吏で、最優秀防御率は大瀬良大地!
新人王に突出した候補はいないから、黒原拓未もアリじゃない? そうなったら、森下、栗林、黒原と、カープ3年連続ドライチが新人王だ~(1年とんだけど)。
なんて、楽しかったです(遠い目)。シーズンって、やっぱり長いですね。いろいろ起きる。
カープが負けを重ねている間に、防御率も、勝ち数も、セーブも、ライバルにじりじり差をつけられていった。
中日は5位6位をさまよっているのに、マルティネスは42セーブ。栗林は出番少なく、出番あった試合に6失点したりで、38セーブ。
楽しかった妄想が、ガラガラガッシャッシャーン。でも、妄想というほどでもなかった。実現の可能性はあった。
カープ、投手のマネジメントはわりとしっかりしていた。ローテの間隔つめたり、リリーフに無理な連投はさせていなかった。
が、不思議なことに新井さんがリミッター解除宣言した翌日から、ドドドと負けがこんできた。(「日刊スポーツ」)
先発の大量失点の連鎖はすごいものがあった。
ベンチのマネジメントは形の上ではうまく行っていたけれど、打線の援護の少なさが蓄積。「1点でも取られたら負け」という余裕のない投球が自ずと強いられた。
同じ投球回数投げたとしても、心身の疲労の蓄積がじわじわボディブローのように効いてきたんだろうなと思う。
昨日の中日戦で、森翔平がプロ初完投。8回1失点、1対0の完封負け。森は「先制点を与えてしまったことが全て。そこを大いに反省したいです」。(「デイリースポーツ」)
いやいやいやいや、森、十分だったよ。「打たれなくない」「完璧に抑えたい」と思うのは投手として当然のことだろうけど、いいピッチングした投手にそんなこと言わせる打線、いけないよ。
来季こそ(いえ、今から)、打線の層を厚くして、点を取れるチームづくりの計画を始めてほしい。選手がおのおの精進するのはもちろんのこと、ベンチとフロントが全体で取り組まないと、強いチームは作れない。
4月に始まった朝ドラの「虎に翼」が今週で終わる。プロ野球とほぼ同じスケジュールですね。
「トラつば」が終わるのも、野球シーズンが終わるのも、さびしいです。たくさん、たくさん、楽しませてもらった。
演じる人も(尾野真千子さんのナレーションも)、脚本も、演出も、美術などなども、すべてが充実したドラマだった。
野球も、選手とベンチ、運営側(NPBも含む)がそれぞれプロとして、サービス業として、力を発揮しないと、お客さんを楽しませることができない。
今年のカープは(も?)その域に達していなかった。
応援している球団について、自分の人生じゃないことなのに、一方的に文句を言うつもりはないです。でも、ファンは何らかの形で視聴するためにお金を払っています。手を抜いたものを見せられたら、ん? と思って当たり前。
選手も含めた球団のスタッフ全員で、いいもの創ってほしいと思う。人に見せる仕事なのだから。