2018年6月22日

2018年ほぼ折り返し地点、最もノーミソに刻まれたカープのトピックスはこれでした。

プロ野球、前半戦を終えるのはまだ3週間ほど先とはいえ、セ・パ交流戦が終わり、ほぼ前半を終えたような気分です。

交流戦の前半あたりまで、私の中でカープのトピックスと言えば、野間峻祥の覚醒。続いて、大瀬良大地の次期エースを期待させる投球でした。

もし仮に仮に、カープが今年リーグ優勝を成し遂げたとしたら、今の時点でMVPは野間か大瀬良?と、勝手に妄想エントリーしていたほどでした。

しかし、交流戦も後半に差しかかると、野間のバットから快音と「何か起こしてくれる」ムードが少しずつ影をひそめていきました。

大瀬良は、6月15日のソフトバンク戦で、ホームランを3本打たれ、気前よく7失点。

大量失点した投手陣と、チャンスで点を取れなかった野手陣の印象とが重なって、野間と大瀬良の活躍の印象がグッと薄くなってしまいました。

というくらい、交流戦での負けっぷりが色濃く刻まれたほぼ前半。順位もお尻から3番目。もちろん、後半、二人がどんな打撃&投球をしてくれるか、楽しみにしたいと思います。



しかし、前半のカープ、わたしが最もひっかかってしまったのは、5月31日の西武戦、薮田和樹が先発したときのこと。

薮田が1イニング10失点したことより、試合後の緒方監督の言葉でした。薮田の話になると、「そっちで評価して」と、足早に切り上げたという。

負けたゲームのあと、いつも「俺の責任」と語ることの多い緒方監督の切り捨てたような言葉。選手へのリスペクトが感じられなかった言葉。じつは今シーズン、一番ショックな出来事でした。

それだけ、緒方監督が薮田に期待をしていたが故の失望の現れだとしても。薮田が期待に応えられなかったのは事実としても。薮田に先発を託したのは自分なのに。

黒田博樹も1年目のキャンプが終わったとき、2軍で1イニング10失点したことがあるそう。当時の2軍監督は安仁屋宗八さん。そのときのことを黒田はこう語っています。

「ただ、すごかったと思うのは、安仁屋さんだ。あの試合以降も初回にいくら大量点を取られても、僕を絶対に変えなかった。どんな状況になっても、〈お前を使う、育てていくんだ〉という気持ちが、僕には嫌でも伝わってきた」(『決めて断つ』より)

1軍と2軍を同じに語れないとしても、黒田は安仁屋さんからのメッセージを受けとって、この経験を土台にしていった。

薮田はこのとき、緒方監督からどんなメッセージを受けとったのだろう。

それまでのゲームでも、薮田がまだ失点もしていないのに、フォアを連発したところで降板させたり、先発で結果が出ないと中継ぎとして投げさせたり。

中継ぎで調整させるという方法も実際にはあるのかもしれないが、それでどうにかなるような調子には見えなかったし、選手に恥をかかせているように感じてしまったくらいだった。



6月12日、日ハムの斎藤佑樹が阪神戦で4回投げて7失点したとき、栗山監督は試合後、「本人もいろいろと感じる思いもあると思う」「苦しめば苦しむほど生まれるものもある」と語っていた(「スポーツ報知」)。

斎藤に対して栗山監督は寛大すぎると思うこともありますが。栗山監督でなかったら、斎藤にこれほど何度もチャンスは与えられていないかもしれないと思ったりしますが、それも人の縁。斎藤も栗山監督のメッセージを受け止めてしっかりしないと、もう。

マスコミに報道されていないところで、緒方監督が薮田に直接どんな言葉をかけたか(かけなかったか)はわかりません。でも、人が聞いている(見ている)場所で伝わっていく言葉は大切。人の上に立つ仕事をしている人ならなおのこと。

今日からリーグ戦が再開。新井貴浩は、投手と野手の垣根をとっぱらってカバーしあおうと、呼びかけたとか(「デイリースポーツ」)。また1ミリずつ、積み重ねていってくだされ〜。



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