2020年3月14日
無観客試合の難しさ、こんなところにも。
開幕は4月10日以降となったプロ野球。
無観客で行われることはおそらくないだろうから、貴重な(?)無観客試合を体験できたオープン戦も、残すところ3月15日の1試合。
いつもと違った環境で、選手がある程度慣れない感じを持つのは想像していましたが、別の角度から「なるほど〜」と思った話があります。
3月12日放送の「伊集院光とらじおと」(TBSラジオ)のオープニングで、伊集院さんがこんな話を紹介していました。
オープン戦の実況をしていたTBSの喜入友浩アナウンサーから聞いたという、意外で、でもすごく納得する話。
通常の試合だと、バッターが打つと、打った瞬間、お客さんの沸いてる度合いで、ホームランかどうかがやっぱりわかるそう。
プロの解説者や実況アナウンサーにとって見慣れているはずのホームラン性の打球。
それでも、打った瞬間の観客の「ハァッ」という、声にならないような声の感じで、「これはすごい当たりなんだ」というのを、みんな感じてるところがあるらしいのです。
無観客の静けさの中、外野フライで止まる当たりなのか、ホームランなのか、一瞬で判断する難しさに気づくことに。
無観客だけに、打球の音はよく聞こえるわけで、下手したらより正確に判断できるんじゃないかと思っていたけど、そうじゃないんだと、無観客試合の実況の難しさを紹介してくれていたのでした。
私なんか、初めて球場で野球観戦したとき、打球がどこに飛んだかまったくわからず、ぽかんとしたことがありました。
テレビの中継ではいつもカメラが球の行方を映し出してくれていますから。瞬時に判断できるプロの選手ってすごいなって、素朴に感動してました。
無観客試合が粛々と行われている大相撲三月場所。
あの異様な静けさと、力士同士の身体と身体がぶつかるブリンッという音は、ちょっと病みつきになりそうなものがありますが、横綱が負けても座布団がとばないっ。勝っても負けてもやるせないっ。
小柄な身体で技を繰り出し、自分よりずっと大きな身体の力士を打ち負かすのが魅力の炎鵬。
土俵際で競り合ったとき、大声援の中でアイデアが生まれることがあるとも話していました。
演出家で作家の鴻上尚史さんが「第三舞台」という劇団を立ち上げたとき、こう語っていたことをふと思い出しました。
「まず第一舞台がありまして、それはスタッフとキャストが力を合わせた舞台のこと。第二舞台は観客席。第三舞台は、第一と第二の舞台が共有する幻の舞台。劇団とお客さんが最上の形で共有する舞台、ということで、第三舞台と名付けました」(第三舞台)
競技する人と(スタッフと)、それを見ているお客さんが作り上げる空間。
娯楽って、そういうことなんだと、改めて思うのでした。
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