2020年4月3日

伝説のスコアラー・・・トラックマン以上にほしい有能スコアラー。


プロ野球の開幕はどうなる? と先行き不透明な時期ですが、そんなときには、知ると楽しい、ちょっといい話を。

伊集院光とらじおと」(TBSラジオ)、3月9日のゲストは、伝説のスコアラー・三井康浩さん。

1978年、ドラフト外で強打の外野手として読売に入団。1985年、病気のため引退。その後、巨人の二軍マネージャーを経て、1987年、一軍スコアラーに。

巨人で22年間スコアラーをつとめ、2009年の第2回WBCでは、日本代表のチーフスコアラーとして優勝に貢献した方(現在は解説や野球教室などで活動中)。

そんな三井さんのしびれるエピソードをご紹介します。

韓国との決勝戦で、イチローがタイムリーを打った名場面。今までミーティングで1回も聞いてきたことがなかったイチローが、あの場面にかぎって、「僕、何狙います?」と、いきなり聞いてきたそうだ。

急なことに唖然としつつも、情報を駆使して、いろんなことを想像して、腹をくくって、「シンカー1本で」と言い切った三井さん。

「カーブとかスライダーは来たらごめんなさいでいいから、シンカー1本で行ってくれ」と。

「わかりました」と打席に立って、結果、シンカーを打って決勝打にしたイチロー。しびれる話です。



「今まで嬉しかったことって何ですか?」と問われ・・・

「勝つにはいろんな要素がある。偶然もいっぱいあって勝てるんですけど、負けない試合を作ることがスコアラー。そのためには相手の上を行かなきゃいけない。そういう見方でずっと野球を見てますから、負けない野球ができたときは、やっぱり嬉しいですね」

スコアラーの強味は、くるくる入れ替わる監督やコーチ陣以上に長く選手を観察してきていること、という話も印象的でした。

バッティングが不調な選手がいると、ティーバッティングから付き合うことも。こういったケースでは打てている・打てていないというデータ(観察)に基づいて、フォームについて技術的なアドバイスをすることもあったそう。

たとえば、松井秀喜。巨人時代に大スランプに陥ったとき、三井に「何かいい方法ない?」と聞いてきた松井にアドアイスしたところ、松井は不調を乗り越えたこともあったそう。

また、松井秀喜がメジャーに移籍して4年目の頃、メジャーのスピードに合わないのでフォームをもとに戻す必要を感じたとき、松井は三井さんに電話で「フォームをもとに戻していいですか」と断りを入れてきたそうだ。

これまたしびれる話です。それほどに選手から信頼されていたスコアラー。



カープだけが唯一導入していないトラックマンの話も出てきました。

「たしかに、球種もスコアラーの目より正確に出ます」とは三井さん。

ただ、いくらボールの回転数がデータとしてわかっても、経験あるスコアラーのアナログな感覚とが合わさってこそ活きるもの。それがないと、ただのデータで終わるのでは? と聞き手の伊集院さん。

ならば、有能なスコアラーがいるかどうかが大きくなってきますね。

三井さんも最初は何もわからない状態でスコアラーとしてスタートし、やっていくうちにいろんなことがわかっていき、自分で考え、工夫して、経験を積み重ねていった人。

トラックマン以上に、選手と豊かにコミュニケーションがとれるスコアラーの存在(育成)こそ大きいのではと感じたお話でした。

カープはどうなんだ〜?


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