2021年1月31日

田中将大と 黒田博樹と 菅野智之


1月30日に行われた、田中将大の楽天入団会見。よけいなことは話さず、かといって包み隠すこともなく。

日本で再びユニフォームを着るなら、自分を育ててくれた球団で、という選択。生まれ育った場所ではない土地での縁を感じての復帰。

ところどころ、黒田博樹のことを思い出しながら聞いていました。

黒田の『クオリティピッチング』に、ヤンキース時代、モチベーションをあげるための映像(自分のよかったプレーなどを編集したもの)を球団が作ってくれ、それを見て登板するという話が出てきた。

2016年、カープがリーグ優勝したとき、黒田はこの経験を活かし、チームのモチベーションがあがる映像をつくることを発案。CSの試合前、みんなでそれを見て試合に臨み、選手たちからも好評だった。


ヤンキース時代、田中は、登板前に見るこの映像に、2013年の楽天が日本一になったときの映像を入れてもらっていたと話していた。

田中がメジャーで経験したことが、楽天に反映されていくかもしれない。メジャーでは試合(選手)にまつわるデータの量もかなり豊富だったようだ。そこは母体がIT企業、動きも早いかもしれない。

黒田が引退したとき、黒田を球団のアドバイザーとして招き、良いことはどんどん取り入れていけたらいいのにと思っていたが、そういう方向にはいかなかった。

いまだにカープにはトラックマンは導入されず、選手が得られるデータ量は少ない。


田中との契約は2年と発表されていたが、1年後、メジャーに移籍するという選択もできる設定になっているようだ。

「正直な話をすると、ヤンキースで再契約してプレーしたいとの思いがあった」

「どうなるかわからないが、まだアメリカでやり残したことはあると思っている。そこに関しての選択肢、オプションは捨て去りたくなかったのでこういう契約にしてもらった」

と、楽天や東北への想いとともに、メジャーへの想いも、ちゃんと話していた。

「腰掛けでなく、本気で日本一を取りにいきたい。生半可な気持ちではどこの世界でも成功することはできない」とも。


菅野智之がメジャー移籍を断念し、巨人残留を発表したとき、巨人ファンは喜んだことだろう。

田中が楽天に帰ってくるニュースは、楽天ファンだけでなく、楽天以外の野球ファンもそわそわした。

楽天という当時最も弱かったチームにドラフトで1位指名され、その後、チームが日本一になるという歴史をつくった田中。

どうしてもと浪人してまで巨人に執着した菅野(その選択をまるっきり否定はしませんよ)。

歯切れ悪かった菅野の巨人残留会見と、すがすがしそうだった田中の会見。そこはかとなく対照的。

結果がすべてのプロの世界、さて、田中の今シーズン、どうなりますか。それにしても、40代にして、2年続けて二桁勝利の黒田は素晴らしかった。うん。


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