2021年1月7日

助っ人じゃないから


1月1日放送のお正月特番、「新時代のコトバ会議」(TBSラジオ、22時~23時55分)が面白かった。

「当たり前に使っていた言葉について一度立ち止まって考えてみませんか?」というもの。

たとえば、「旦那さん」などの呼び方。 今となっては、上下関係があるようにもとれるこの呼び方に抵抗ある人もいるかも。

私も、知人がお連れ合いのことを「家内」と呼んでいて、違和感覚えたことあります。その方は夫婦そろって仕事をしている方だったので。

出演者は、フリーライターの武田砂鉄さん、コラムニストのジェーン・スーさん、お笑い芸人のサンキュータツオさん(このお三方はTBSラジオのパーソナリティでもあります)と、国語辞典編纂者の飯間浩明さん。


番組の中ではいろんな言葉について出てきたのだけど、「助っ人外国人」も出てきた。

「外国の選手は助っ人のつもりで来てるわけではない。ちゃんと本流に入ろうとしてやっているのに、なんで助っ人として扱われているのかな」と、武田砂鉄さん。

たしかに、たしかに。日本のマスメディアでは当たり前のように使われているが、立ち止まって考えると、ヘンな言葉です。


そこで思い起すのが、メジャーの最優秀新人賞(日本では新人王と言いますね)。

これまで日本人メジャーリーガーでは、野茂英雄(1995)、佐々木主浩(2000)、イチロー(2001)、大谷翔平(2018)が最優秀新人賞に選ばれている。

実際に、外国からやってきてアメリカでプレーするのには、いろんな苦労があると思う。差別や偏見を経験した選手もいると思う。

それでもメジャーでは、キャリア、国籍に関わらず、新人賞の資格が与えられている。野球をする人に等しく与えられている。メジャーのそういうところ、面白いな、いいなと思う。 


日本のプロ野球だと、元メジャーリーガーが日本に移籍した1年目、どんなにいい成績を残しても、新人賞の候補には選ばれることはない。 

どんなキャリアを持つ選手でも、プロとして、生きていくためにプレーしている。日本人でも、外国籍の人でも。

振り返って見れば、自分から「助っ人」という言葉を使ったことはなかった。この言葉を浸透させている(きた)のはマスメディア。

報道する側の姿勢や日本のプロ野球の度量の狭さを感じる、この言葉。もう使うの、やめよ?


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