2021年12月11日

森下が帰ってきた! その野望


12月10日、新人選手11人の入団発表会見。

新人のやる気に満ちたコメントを聞いていると、それと契約更改でのそれぞれの選手の来シーズンへの展望を聞いていると、「来年こそは優勝を」という気持ちになります。12球団すべてに共通するところだから、そう簡単には行かないけど。

ドライチの黒原拓未は背番号24に。かつて大野豊さんが付けていた番号。まわりからあんなにも尊敬されている人の番号。めっちゃ期待されてる感が。森下暢仁がエースナンバー18番を授けられた時とはまた別の重みが。

ドラニの森翔平は背番号16。今村猛がちょっと前まで付けていた番号。これはこれで胸にしみいるものが・・・。もう、あの人は、いない(どこへ行くのじゃー)。


森下暢仁は、12月9日の契約更改で、沢村賞をとりたいと公言。(「日刊スポーツ」)

いいわ~。新人王とりたい宣言をして、実際に獲得したあの確信をもった有言実行ぶり。

先日、大谷翔平がMVPに選ばれたとき、「メジャーでプレーすることになったとき、こうやってMVPをとれると想像できてましたか?」と問われ、「とりたいと、もちろん思ってました」と即答。

プロ野球選手たるもの、先発投手なら沢村賞をとりたい、ノーヒット・ノーラン達成したい。打者なら、打率10割目指したいと思っているかもしれない。新人王をとりたいと口にする新人も珍しくない。


でも、たとえば、メジャー移籍を待望してただいま待機中の鈴木誠也が、メジャーでMVPをとりたいと思っているかというと、まずは挑戦することが一番と思っているような気がする(誠也は今からとりたいと考えているかもしれないけれど)。

カープの中で、「沢村賞をとりたい」と、あんなに堂々と言える選手はいるだろうか。

今の九里亜蓮なら、思い切って言うかもしれない。大瀬良は言わなさそう(秘めているかもしれないけれど)。

今年、九里が開幕投手宣言したときは、ちょっとびっくりした。森下か大瀬良大地が有力候補と思っていたから、思い切ったこと言えるようになったと感慨深いものがあった。今の九里は言ってもいいキャラな気がする。


大谷や森下がこんなふうに公言しても、誰もビッグマウスと思わない。カープならずとも、全球団を見渡して見ても、いま、「沢村賞をとりたい」と堂々と言える人、少ない気がする。

数少ないその一人が、今年の受賞者、オリックスの山本由伸。

山本と森下はオリンピック代表で仲よくなって、連絡取り合う間柄とか。

12月1日には、山本が出演するライブ配信にも森下がゲストで登場。なんという豪華な組み合わせ。やっぱりトップ同士、呼び合うものがあるのか。いいわ~。すごくいい眺め。


契約更改で、森下が「プロ野球をやっている以上、どんどん年俸が上がるのはうれしいことですし、自分の活躍によってプラスにできる。来年も評価してもらえるようにやっていきたい」と言ったことも印象的だった。(「デイリースポーツ」)

プロらしい。仕事する人として当然の肝のすわり方。今シーズンは、打線の援護に恵まれず、なかなか勝ちがつかず、迷い込んだように見えた時期もあったけど、これが森下。

こんな言葉を聞くと、カープが優勝できそうな気になってしまう(というか、優勝してほしい)。そんなことが言えるのも、シーズン前ならでは。シーズン前だけ・・・。

野球は一人でやるもんじゃないから、そう簡単には行かないんだけど。野球は選手だけでやるもんじゃないから、現カープはそこがもっとも難儀なんだけど。がんばろう、選手(理からベンチは選手の足ひっぱらないで)。

余談ですが、大谷がまだ日ハムにいて、オフシーズンに中田翔とテレビ出演していたときのこと。「来シーズンの野望は?」と問われた中田が、大谷に小声で「野望って何?」と助けを求めた。

大谷は笑いをかみこらしながら、「夢や目標みたいなことですよ」と変換して教えてあげていた。この即答もまたなかなかだった(中田は、「あっ」と照れ笑いしていた)。
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