若い頃はそうでもなかった母も、今では大相撲が大好き。場所が終わると、「明日からどうしよう」と思うくらい、楽しみなんだそうだ。
オフシーズンに突入するときの野球ファンと同じ心情。
年間通して、試合数が他のスポーツより多いという点でも、プロ野球と大相撲、近しいものを感じます。
横綱不在で終った2023年の初場所。最近、そんな状態がけっこう増えているから張り合いないのかなと思っていたが、母曰く、「若い子が頑張ってて面白いよ~」とのこと。
たしかに。プロ野球も、吉田正尚がメジャーに渡り、近い将来、山本由伸もいなくなるだろう。正直寂しいが、でも宮城大弥も、宇田川優希も、山崎颯一郎もいる。藤井皓哉だっている。
あれ? ここはカープブログなんだった。誠也がメジャー移籍したときも、「鈴木誠也の抜けた穴」と何度言われたことか(それ以上に「丸佳浩の抜けた穴」という話もあるが)。
全般的に冴えなかった2022年カープだったが、誠也がいなくなっても、楽しみな選手は坂倉将吾や西川龍馬、小園海斗、田村俊介ほかほか、いる。投手陣だって。
横綱の抜けた大相撲を楽しんでいる母の感じ、なんとなくわかります。
スポーツジャーナリストの生島淳さんが、相撲を楽しむ一つとして、解説の面白さ(妙)がある、と話していました。(1月21日放送「蓮見孝之 まとめて!土曜日」TBSラジオ)
これも共感します~。プロ野球も、解説者が誰かで、試合の楽しみ方が大きく違ってくる。
たとえば藤川球児さんとか、権藤博さんの解説にあたると、ラッキー!という気分になる。野球の見方を教えてもらっているようで、見ている時間が豊かになる。
生島さんは初場所、1月18日の白鵬こと宮城野親方の解説が面白かったとほめていました。大相撲の歴史にまつわる話や、相撲用語にまつわる哲学的な話が出てきたり、味わい深かったそうです。
で、若元春(佐野元春~)が攻め込んでいたのに、まわしをつかまずに負けてしまった一番のとき、「慌てずまわしを取った方がよかったですね」と宮城野親方。
その直後、支度部屋から若元春の「攻め込んだので悔いはないです」というコメントが入り、宮城野親方は「それじゃダメです」と、即効ダメ出し。
その一言で、現役時代の白鵬が強かった理由がわかった気がした。
攻め込んだことに満足して終わっていては、プロとして物足りない。アマチュア選手のようだ。
勝たねばな。プロとして、勝つことを目的としていた落合博満さんと白鵬が重なった。
今年のプロ野球、選手のプレーとともに、もっともっと面白い解説でも楽しませてほしい。そうやって野球界の質を一つ一つあげてほしい。勉強してほしい、白鵬のように。