先週のカープ、前半と後半では、まったくムードが違っていた。相手変われば、様子も変わる。
中日戦での総得点数は「4」。巨人戦は「18」。巨人戦は先発投手にみな勝ちがつき、中日戦ではつかなかった。そこも対照的。
先発した大瀬良大地と森下暢仁の発言もまた対照的だった。
4月9日、柳裕也と投げ合い、6回1失点の大瀬良。2回、1点先制され、8回同点に追いつき、8回裏、2失点したハーンが負け投手に。
試合後、「先制されると、こうやって球数が100球にいっていなくても代わっちゃうとか、リリーフ陣を助けてあげることができない。申し訳ない。何とか点を与えずにつなぎたかった」と、大瀬良。(「スポニチ」)
投手たるもの、点を与えたくないと思うのは当たり前。それでも言いたい、野手陣よ。投手に「点を与えずに」なんて窮屈なことを言わせてくれるな、と。
大瀬良と対照的だったのが、4月11日の巨人戦、12対3と大量援護を受けて、6回3失点(自責2)で2勝目を上げた森下暢仁。ヒーローインタビューで、「毎日打ってほしいです」と言ったのさ。
森下が野手へのメッセージを口にするのは珍しくない。また出た、森下節! と思った。しかも今回、どストレートの特大級。
こんなことサラッと言えるのは森下だけ。大瀬良も言っていいと思う。でも言わなくても、それが大瀬良。
「デイリースポーツ」では、その森下の発言を「冗談交じりに野手陣への感謝を口にした」と書いていたが、私は1ミリも冗談とは思わなかった。森下はいつも本気と思う。
だって、点をとってくれないと勝てないんだから!(自分のことだけとかじゃなく、チームも!)
この日、森下と対戦した、戸郷翔征。開幕投手対決は星の潰し合いになるものだが、4回途中10失点で降板。元気なかった。
3月15日、ドジャースとのプレシーズンマッチでも5失点。昨年のプレミア12の台湾との決勝戦でも4失点。元気なかった。
昨年8月5日、カープが戸郷に完封された試合があった。阿部監督はその試合、戸郷に捕手を選ばせた。そのころ調子がよくなかった戸郷は大城卓三とバッテリーを組んで、結果を出したのだ。
開幕してから結果が出ていなかったから、また大城と組ませてみてはと思ってしまった。甲斐拓也は今、打率もいいし、スタメンに入れたいだろうけど。
4月11日、戸郷が大量失点したのは、阿部監督がひっぱったこともあるけれど、単にコンディション(メカニック)に問題があるんだと思う。
戸郷は、いま2軍。菅野智之や田中将大の復活を導いた久保コーチの力を借りて、また元気になって帰ってきてほしいです。
巨人戦での森下は、久しぶりにストレートで押していく感じがよかった。と言っても、私の中では(みなさんの中でも?)いまだに1年目の森下が一番のまま。物足りない。
1年目からすでに完成され、即戦力だった森下。そういうタイプは徐々にピークが落ちていくものなのかもしれないけれど、2年目以降、坂倉将吾ではなく、會澤翼とバッテリーを組ませたカープベンチ。
森下の勢いを削いだような気がしている。2年目以降、テンポが悪くなった。
元中日で日本代表の投手コーチもある、吉見一起さんのこんな気になる指摘。
「かつて會澤に言ったことがあるが、開幕からカットボールを投げすぎると、だんだん真っすぐが弱くなって、夏場にはストレートが死んでしまう。夏場に先発が試合を作れなくなると、どうしても順位は下がる。僕はキャッチャーのリードに注目している」(「アサ芸プラス」)
捕手が誰であろうと結果を出すのがトップレベルの選手。「弘法筆を択ばず」と言うけれど、でも自分に合った筆なら、もっとやりやすいのでは?
当時、坂倉将吾の捕手としてのキャッチングや送球の技術には心許ないものはあったが、あのまま森下と坂倉でバッテリーを組ませていたら、もう少し違った景色になっていなかったかと空想してしまう。森下も、カープも(わからんけども)。カープベンチ(=佐々岡さん時代)め〜。
明日から、中日戦。ドミンゲスとマラーの投げ合い再び。先週、完封負けは回避して、カード引き分けに持ち込んだ。その後、巨人戦で打線があたたまってきた。
今度の中日戦、違う景色が見られるでしょうか。ロースコアじゃないやつ。