富山と石川を巡る巨人との北陸シリーズ、終わりました。
黒田博樹の『決めて断つ』(ベストセラーズ)の中に出てくる話を改めて思い出した。
「子どものころ、野球を見に行って、応援していたチームが勝つと、『きっと今日の試合は、僕が見に来たから勝ってくれたんだ』と、ものすごく嬉しかったこと。この経験が、自分のマウンドにおける姿勢の原体験となっている。選手にとってはシーズンのうちの一試合にすぎないかもしれないけれど、球場に来てくれたファンにとっては、思い出に残る大切な一試合かもしれない」

地元のリピーターで賑わうホーム球場でだって、年に一度来れるかどうかのお客さんもいるはず。どの球場でもそういうお客さんがいることは同じ。
地方球場での試合はそれが際立って感じられて、独特の空気というか、ライトアップもきらびやかじゃないかもしれないけど、お客さんがこの時間を楽しんでるって空気が感じられて、グッときてしまった。
いつもと違った球場でも、行われていることは変わらない。新井さんが攻撃的になりきれないのを改めて感じた北陸シリーズでもあった。
5月28日の2戦目では、2試合続いた「ショート小園」は継続されず、矢野雅哉がショートスタメン。打撃が期待できるルーキー・佐々木泰はスタメン外。いつも勢いが出てきたところで、それを止めるような選手起用を繰り返す。
昨年の最終戦後、「その先のカープのことを考えると、変わっていかなければいけない」と宣言をした新井さんだったが、変わっていかなければいけないのは新井さんだということを、新井さん自身は気づいているだろうか。
4月下旬から5月にかけて7連敗したとき、會澤翼や野間峻祥、堂林翔太らが声をかけ、選手だけのミーティングが行われたという。
あれよあれよと止まらなかった9月の大失速。その経験を経て、選手に起きた変化が嬉しかった。
ミーティングでは「やるのは選手だから頑張っていこう」という声も出たそうだ。そうだそうだ〜。選手に頑張ってほしいのだ、ファンは。
でも、選手が頑張ろうにも、どの選手を起用するかはベンチにかかっている。変化してほしいのはベンチなんですけども。
北陸シリーズ、5月28日、モンテロの思い出帖。
その1。先発の大瀬良大地が投げ終わった後、ベンチでモンテロが大瀬良をねぎらってハグしていた。あんまり見ない光景。大瀬良のまろやかな笑顔(ホームラン2本打たれたけど・・・)。
その2。7回、塹江敦哉がリチャードにワイルドピッチ。塹江はカバーに入って、地面と接触。1アウト1塁3塁のピンチ、マウンドに集まる野手陣。そこでモンテロ、塹江のユニフォームの泥をしきりに払ってあげていた。モンテロ、お母さんみたい。これもあまり見ない光景。
ファビアンとモンテロのナチュラルなチームへのとけ込み方、貴重。
あ、2017年、カープがリーグ優種を決めたとき、右足首を骨折して試合には出られなかった鈴木誠也をおんぶしてくれていたエルドレッドも宝だった。
2人がシーズン通して完走してくれますように。