2019年5月8日

山口翔の初登板を見て、プロ選手の条件について考えた


5月7日、中日戦(マツダスタジアム)。

6対0で、中日の大野雄大に完封負け。カープの安打は安部友裕の2本と野間峻祥の1本だけ。

これではいくら仮に野村祐輔が抑えていたとしても、勝てない。

野村は抑えるどころか、3回、長打のオンパレードで4失点、5回であまりにも早い降板となったのだが。連戦続き、リリーフ陣が連日連投しているこの状況で、先発として5回降板は早かった。

またも出た安部のエラーは痛かったが、投手にとって不運なことだが、野村にはふんばってほしかった。なんていうのは、酷なことだろうか。右も左もわからない新人ではないのだから。開幕投手をまかされたこともあるほどの投手なのだから。




5回6回を無失点に抑えた、20歳の山口翔の初登板。この日、カープにとって、唯一の明るい話題。

床田寛樹のように、マウンドに立つのをこわがっていない感じがいい。投手であれ、野手であれ、そういう人がプロに向いているのかなと思うことがある。

こわがってないというのは、なめている……という意味ではもちろんないです。こわい場所だということを心得た上で、そこに立つ。

得点圏打率の低い野間を見ていると、サッカーでPKを蹴りたくないオーラが出ている選手のようというか。身体能力がすぐれていることだけがプロの条件ではないのだなと思うことがある。

もちろんプロスポーツの世界はメンタルだけで何とかなるものではないが、身体能力がすぐれた人揃いの世界にあって、負けたくない気持ち、何とかしてやろうという気持ちが、差となって出てくるのではと。



緒方監督も山口の投球を「魅力のある球もみられたし、しっかり腕を振っていた。チャンスがあれば投げさせたい」と評価をしていたようだ(「デイリースポーツ」)。

でも、こんなときは「どんどんチャンスを作って投げさせたい」と言ってほしい。ちょっとしたことなのだけど、選手のモチベーションはグッと違ってくるはずだ。

采配の選択はベンチにあるのだから(ベンチにしかないのだから)、チャンスがあればなんて消極的な言い方はやめて、どんどんチャンスを与えてほしい。

願わくば、野手陣の硬直した選手の固定はやめて、風通しをよくしてほしい。


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