2月1日のカープキャンプ初日。ドライチの小園海斗が「新人の小園です。よろしくお願いします」とあいさつしたところ、上本崇司に「声が小さーい」とダメ出しされ、「田中選手からショートのポジションを奪えるように頑張ります!」と成り代わり宣言されたとか。爆笑する周囲の中、本人はひたすら苦笑いだったとか。(「日刊スポーツ」)。
かつて楽天のキャンプで田中将大が、「4年連続の岩隈(久志)さんから、開幕投手を奪い、沢村賞をとります」と宣言し、みんなを驚かせたという。
豊田泰光さんが『日経新聞』に連載されていた名コラム「チェンジアップ」。2011年2月10日に掲載された「あっぱれ田中の〈開幕宣言〉」に、そう書かれていました。
そのコラムはこんな一文で締めくくられていました。
「大きなことを言う選手はチームも育てる。田中にとって開幕投手は現実的な目標で、大風呂敷とも言えないが、高い理想を掲げてみせる選手が一人いることで、全員の目の色が変わる」
実際、田中将大が初の開幕投手をつとめたのは翌年の2012年。しかし、このキャンプでの宣言通り、2011年には沢村賞を初受賞(2013年にも受賞)。
田中が開幕宣言をしたのはプロ入りして5年目のこと。高校を卒業してプロ野球界に入ったばかりの小園には、まだ田中広輔からポジションを奪うと本人の目の前で公言はできなかっただろうけど、そのつもりでやる気満々でしょう。
小園にとって、それは夢や憧れの世界ではなく、目の前の現実問題。堂々と宣言して奪い取るくらいのギラギラ感が出てきたら、また面白くなりそうだ。
堂林翔太にも、そのギラギラ感がにじみ出てきたら、面白いのだが。護摩行も本人にとってはその表れの一つだったのかもしれないが。
ギラギラ感。それは「覇気」と言い換えてもよいでしょう。
連覇、覇者……う〜ん、縁起のよさそうな言葉だ、覇気。安部友裕のみならず、チームの合い言葉にしてほしい、ハ・キー。
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