2021年12月30日

石原がソフトバンク甲斐と自主トレ、に2つの違和感


石原貴規は、来年1月、ソフトバンクの甲斐拓也と合同自主トレ。(「デイリースポーツ」)

他チームの選手と自主トレするのはもはや珍しくない。ふた昔前くらいまではおそらく、他チームの選手と食事に行くこともご法度のイメージがあった。

黒田博樹は日本球界に復帰したとき、「対戦相手とは食事には行かないようにしている」と言っていた。そこにプロ意識を感じたこともあります。

自主トレで他チームの選手(ライバル)にアドバイスなんて、もってのほか。だって、敵だよ。そう思う一方で、球界全体のレベルが上がるのなら、このオープンな状況は素晴らしいこととも思えます。


玉村昇悟は大瀬良大地に間に入ってもらって、ソフトバンクの和田毅と自主トレをやるそう。(「デイリースポーツ」)

小園海斗は今年、自ら申し出て、小学生時代に所属していたリトルリーグの先輩、ヤクルトの山田哲人と自主トレ。川端慎吾も一緒にという豪華な顔ぶれ。

玉村が、40歳のベテラン・和田との自主トレを所望したというのは、意表をつくというか、渋い選択だと思った。経験豊富な、同じ左腕から、調整法や意識など、ヒントを得られることがあったら・・・という姿勢は好感持てた。

小園の山田との自主トレも、地元の先輩という縁あってのこと。球界のトップ選手から何か得るものがあるといいなと、これもまた好感を持った。


そこで、石原です。甲斐といえば、今、球界一の捕手と呼ばれる人。そんな人から学びたいと思うのはめちゃめちゃ王道。日本代表つながりで、菊池涼介に紹介してもらったとか。つながりって大事ね。

なんだけど、「スローイング、ブロッキング、技術、リードなりを聞きたい」という意気込みを聞いていると、あぁぁ。カープのコーチはなんにも教えてないのかな、と透けて見えるような気がした。そこがまず1つ目の違和感。

現役の、今のプロ野球で頭角を現している選手から臨場感ある話を聞きたいと思うのは、しごくまっとう。コーチとはまた違ったアドバイスやヒントも得られるかもしれない。

でも、それだけ、倉バッテリーコーチが的確なアドバイスが出来てるの? 何のためのコーチ?という不信感がまたまた噴出。


もう一つの強い違和感が、石原が「教わりたい」という受身の姿勢な気がしてしまったこと。

自分なりの考え(仮説)があって、甲斐先輩はどう考えているのか聞いてみたい。というより、全面的に甲斐から学べることがあったら学びたい。と、なんとなく、ものすごくなんとなく、自分の頭で考えようという土台があるのかと感じてしまった。

かつて、豊田泰光さんが、「プロには〈教える〉〈育てる〉はない。〈学ぶ〉と〈育つ〉があるのみ。何でも自分で考え、実践しなくては」と言っていた。

石原に物足りなさを感じるのはそういうことなのかなと思ってしまったのでした。

合同自主トレしたとして、受け取る側に力量があるかどうかも試される。だから、一歩先行く側には一緒に練習しても何の不都合もないかも。むしろ教えを請われることでプラスになることもありそう。

それでも、何かをつかみたい、何とかしたい、よくしたいという意志があってのこと。自分で考えるのとセットで、なにか吸収してきてね。コーチは当てにならないから。
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