2022年2月14日

3年目の佐々岡監督に小さな異変?


2月13日、宮崎・日南での1次キャンプを打ち上げ、15日から沖縄での2次キャンプがスタート。

この季節、12球団すべての選手、スタッフ、ファンがそれぞれのチームの優勝に向けて、「やるぞ」「行けそう」と期待をふくらませるとき。

という束の間の夢見る期間ということを差し引いても、今年のカープ、先発陣の充実ぶりや若手の打撃と、期待したくなるキャンプ情報がもれ伝わってくる。

情報というのは一面でしかないと心得つつ、この春のキャンプ、佐々岡監督の言動が、あれ? おや? 昨年までとちょっと違うような。


たとえば2月12日、紅白戦やフリー打撃でしっくりこなかった高橋昂也の2軍行きが決定。

「1軍に同行しても登板回数が限られる。2軍でしっかりと練習を重ねてほしい。また3月に報告があれば必ずチャンスはある。まだ先発6人は決まっていないから」と、佐々岡監督。(「デイリースポーツ」「スポニチ」)

この2年間、試合での選手の調子の悪さをあげつらい、選手のモチベーションをダダ下げしていたイメージが強かった佐々岡監督。

まだ開幕前、レース中とは状況も違うのだけど、なんか選手へのあたたかさが感じられるではないか。どしたん?


もうひとつ、おや? と思ったのが、2月5日、松田オーナーがキャンプに訪れたときのこと。

このとき、中崎翔太と堂林翔太への見守り愛、叱咤激励を滲み出していた松田オーナーでしたが(お願いだからそっとしておいて。思い入れで特定の選手の名前を出すの、やめて)、大瀬良大地の投球にも熱視線を。「すごい球を投げていた」と。

そのことを佐々岡監督に話すと、佐々岡監督、「森下もいいんです」と、オーナーに話していたそう。

さすがにオーナーが開幕投手にまで介入してくることはないだろうけど、オーナーは、前田健太と黒田博樹なき後、カープのエースとして張ってきた大瀬良のこと、気に入ってるんじゃないでしょうか。たぶん、まだ若い森下より。


2019年から3年間、大瀬良は開幕投手として、エースにふさわしい投球を見せた。大瀬良としても、開幕投手をゆずる気は毛頭ないだろう。

ただ、昨年の抜擢は、大瀬良のコンディションを見て出したゴーサインだとしても、佐々岡監督がエースの大瀬良を立てたような、忖度のようなものも少しあったような気がしてならなかった。大瀬良は結果を出したし、佐々岡監督の見立てに間違いはなかったのだけど。

大瀬良、森下暢仁、九里亜蓮。この3人、誰が開幕投手に選ばれてもおかしくない。今年は、佐々岡監督がそういった配慮抜きで、選手のコンディションを見極めて選んでくれたらいいなという気持ちが大きかった。

そんなところに、大瀬良をほめる松田オーナーに「森下もいいんですよ」と、ちゃんと話していたところに、おっ。今年の佐々岡監督、少し(ほんの少しですよ)トップらしくなってきたような気がして。

しかし、この「少し」はカープにとって、大きいことになるかも。


床田寛樹がキャンプで絶好調。左のエースとして期待が高まる。佐々岡監督から、指と手のひらをボールに全面的に付けるカーブの握り方を教わったそうで、「僕は浮かすように握っていたのですが、全部使った方がキレはよかったです」と。(「スポニチ」)

専門家だもんね、お仕事してますね。

とは言っても、この2年間、考えなしの采配や、選手のモチベーションを下げるような言動を見せつけられてきたので、油断はなりませんが。

どうしたんだ。誰か進言してくれたんだろうか。3年目で少しは気づくことがあったんだろうか。何にしても、そうやって行動を変えることができるのは、小さな希望の光。

人はなかなか変わらないが、変わることもあり得る。いや、まだ油断なりませんが(の無限ループに突入)。そんな春キャンプ。