2022年5月13日

順位予想は信用できない、でも真っ当なこと言う人もいる


2日続けて、雨で中止。アンダーソン、大瀬良大地と、充実したピッチングを見せてくれていた二人だけに、見たかった。

ところで、開幕前、最下位予想が多かったカープ(私も5位か6位をイメージ)。予想外の開幕ダッシュで、うろたえた解説者・記者も少なくなかったと思う。

後出しジャンケン的に、「カープが優勝にからんできたら面白い」と手のひらを返す人もチラホラ。

新型コロナやケガで戦力ダウンのチームが多い中での暫定1位、浮かれる気は毛頭ない。交流戦も近づいてるし。


何が起こるかわからないのが野球(スポーツ)。と、野球を見ている人なら、そう思うはず。だから順位予想を無意味に感じるときがある。

以前、サッカーのW杯で、明石家さんまさんが、日本代表のゲームの得点予想を聞かれ、「俺はそういうのはせえへん」と、断っていた。さんまさんはわかってはるなぁ、と思った。

そんなで毎年、順位予想には注目していません。

でも、予想に反してカープが上位にいる今(といってもまだ約4分の1)、どの解説者がどんな評価をしてたのか、ふと気になって。開幕前の『週刊ベースボール』を見返してみました。

すると、阪神の矢野監督について触れたものがいくつか目にとまって、興味深かった。

矢野監督が開幕前に「今年で最後」宣言をしたとき、そう言えば選手が結束すると思ったのかな(だとしたら、そんな単純なものか?)と、モヤモヤしていた。


張本勲さんはコラムで、「それなりの理由があったのだろうが、わざわざ発表する必要はない。選手は動揺するし、チームにとって良いことなど一つもないからだ。選手は敏感だから、どうしても次の監督は誰になるかと気になるだろうし、そのときは自分が使ってもらえるかどうか不安になる。そうなると、もう試合どころではない。そもそも長いプロ野球の歴史の中で、「来年の監督は誰になるか」と選手同士が話し合うようなチームは勝ったためしがない」と、バッサリ。(2022年3月28日号)

廣岡達朗さんもコラムで、「戦う前から辞めるという指揮官がどこにいるのか。ナンセンスだ。開幕して負けが込めば人心は離れていく。すでにその兆候はもう出ているかもしれない」と、バッサリ。(4月4日号)

ちなみに、カープについて「練習こそいいが監督が物足りない」と、バッサリ(ヒー~)。

定岡正二さんは、槙原寛己さん、篠塚和典との鼎談で、「僕が選手だったら、嫌です。黙っていてほしかった」と。

「勝ち出せば吹っ飛ぶのよ。でも、調子が悪くなると、絶対、そういうことのせいにするからね」とも。(4月4日号)

数年前、テレビで定岡さんを見たとき、長く人前に出ていなかったようなオーラのなさが全開で、勝手にハラハラしたのですが、この素直なコメント、好感持てました。大丈夫だ!


すると、じわじわと、黒田博樹(あえて呼び捨て失礼します)が引退会見したときのことが思い浮かんできた。

当初、黒田は日本シリーズ前に引退を発表するつもりはなかった。でも、新井貴浩さんが「黒田さんの最後の姿、見たいファンの方がいるから、試合前に発表した方がいい」と言ったことで、考え直したみたいだった。

新井さんめ~。余計なこと、しよって。黒田の引退セレモニーでも、背番号にちなんで黒田を15回も胴上げして。黒田の首の調子がおかしくなっちゃうじゃんか(いや、優勝したときの二人の抱擁はいつ見ても泣けますけども)。

黒田がNPBに復帰したとき、1年限りと覚悟していた。ところが、2年目も現役続行の朗報。そしてその年、カープは25年ぶりのリーグ制覇。

ファンは、会見せずとも、黒田さんは「今年で最後」と覚悟していたと思う。

そこをカラッとした平常の空気が飛ばされたというか、あの終わりを意識させられた湿っぽい空気、好きじゃなかった。普段どおり、試合に集中したかった(してほしかった)。


3月28日号の解説者陣の順位予想では、礒部公一さんは「矢野監督の最終年でもありますから、結束すればトップを狙えそう」。斉藤和巳さんは「矢野監督の最終年にやってくれるのでは」。

このお二人、オメデタイというか、短絡的というか、お若いなというか。

口をそろえるように「鈴木誠也の抜けた穴が大きい」と、カープを5位6位に予想する解説者が12人中、9人。

それ以外の3人のうち、OBの達川光男さんの1位は問題外として(すまんが)、谷沢健一さんが「2~4位は横一線」という但し書き付きで、カープを4位に。

「鈴木誠也の穴は痛いですが、林晃汰や坂倉将吾など伸びしろのある選手が多くて楽しみです」と、嬉しいことを。


藪恵壹さんは「広島は森下暢仁がめちゃくちゃいい状態ですし、後ろもしっかりしている。鈴木誠也のアナも新人の末包昇大などで補えます」と、破格のカープ2位。

落合博満さんの「監督の仕事は選手を見ること」という名言と重なってしまった。

「鈴木の向けた穴が大きい」と判を押したように評価を下げるのでなく、状態のいい選手をちゃんと見てくれている解説者に一目を置きたいと思ったのでした。

逆に、誠也が抜けたことで、西川龍馬にチームリーダーの意識が芽生えたり(おそらく)、チャンスを与えられた選手が起用に応えようとしたり、いろんなことが作用するんですから。

何が起こるかわからないんですから、野球って。
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