2023年9月22日

選手のモチベーションを上げる監督の手腕いろいろ


9月20日、東克樹に歯が立たず、カープとDeNAのゲーム差が1になった日、オリックスは2位のロッテを突き放して逆転し、優勝。

三連覇、おめでとうございます。

昨年は、10月2日の最終戦までソフトバンクと競り合うというシビれる展開でしたが、今年は早かったー。というか、大補強のソフトバンクはまさかの失速。


勝てば官軍で、勝ったチームの監督が話題に上ることは多い(中日と最下位争いしている今年のヤクルト、「絶対大丈夫!」の高津監督が話題になることはほぼない。立浪監督は逆の意味で何かと話題)。

打順を固定した岡田監督。かたや、130試合で123通りのオーダーを組んだ中嶋監督。

「打順は固定した方がいい」はセオリーのように言われることもあるけれど、固定しなくても優勝したオリックス。

どちらにしても、「選手をよく見る」がベースにあるから成功したという共通点はあるのかな?


岡田監督は開幕前、フォアの査定ポイントをアップするよう球団に交渉。そのことで選手の選球眼の意識が高まり、出塁率を格段に上げた。達川光男さん言うところの生活感が溢れ出ておった。

これは来季、追随する球団が増えるのでは? いや、絶対学んだ方がいいと思えるほどの効果。

その阪神。今度は、優勝が決まってからCSが始まるまでの期間、選手のモチベーションが下がらないよう、リーグ2位のチームが確定するまで、シーズンと同様の加点方式で選手たちを評価するという査定方式を採り入れているそう。(「東スポWEB」)

上手いなぁ。工夫があるなぁ。プロだもの、評価されることが何よりの奮起材料。「家族」とか言われるより、プレーに対するまっとうな評価(報酬)を!


中嶋監督の、監督室に置いてある2枚の大きなホワイトボードの話にも、うなるものがありました。

1枚は、1年のスケジュールがびっしり書かれたもの。もう1枚は、「1軍」「2軍」に誰がいるか、全選手の背番号が一目でわかるよう書かれているものだったそうだ。(「日刊スポーツ」)

また、監督室には、常に2軍の試合の映像が流れていて、2軍の選手の状態も把握できるようになっていたそうだ。(「森本毅郎・スタンバイ!」TBSラジオ、9月21日放送)

オリックスは、優勝した時点で、1軍に登録された選手の数は12球団最多の延べ130人とか(100試合以上出場したのは、4人だけ)。

随時、1軍と2軍の入れ替えがあるので、それも選手のモチベーションになっていたはず。


カープは、選手のコンディションより、「主力ありき」で事が運んでいただけに、この2軍選手への目配りはとってもいいなと思った。

主力(と新井さんが考えている)選手の離脱がなければ、末包昇大、田村俊介、中村貴浩らの1軍昇格はいつになっていたか。

新井さんも、2軍スタッフと連絡は取り合っているだろうけれど、まだ監督1年目。目の前の試合に注力して、2軍の試合を直接(間接的にも)見る余裕はなかったかもしれないと想像。

物理的に距離が離れすぎている、2軍の由宇球場とマツダスタジアム。もう少しアクセスよく、互いに見聞きできたらと思うのは甘いんだろうか。

選手のモチベーションを上げるというのも、監督の手腕なのだなと、阪神とオリックスの優勝を見て、思った。あ、逆の意味で中日を見ていても、思った。
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