2024年1月15日

野球ファンなら見てほしい、映画「42 世界を変えた男」


Amazonプライムに登録するときはたいてい野球がらみ。WBC日本代表の記録映画「憧れを超えた侍たち」を見るためとか、昨年11月の「アジアプロ野球チャンピオンシップ」で坂倉将吾と小園海斗を見るためとか。

でも、先日、Amazonの注文画面で不覚にも登録の罠にかかってしまい(人聞きの悪い・・・)。せっかくなので、Prime Videoを楽しもうと見つけたのが、「42 ~世界を変えた男」。

アフリカ系アメリカ人初のメジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンを描いた映画(2013年制作)。

4月15日、ロビンソンの功績をたたえ、MLBでは全球団の選手が背番号「42」のユニフォームを着てプレーする・・・というのはニュースで見聞きしていた。

普段、MLBは見ないけど、野球ファンですもの、ロビンソンのことを知っておきたいと思って。それに球場が出てくる映画だなんて、 スカ~ン。わくわくしますやん?


ロビンソンを見い出し、白羽の矢を立てたのは、ブルックリン・ドジャース(現ロサンジェルス・ドジャース)のGM、ブランチ・リッキー。

ロビンソンがまずドジャース傘下の3Aチーム、モントリオール・ロイヤルズへ入団したのが1945年。それまではニグロリーグでプレーしていた。そんなふうにパッキリとリーグが分かれていたことも、この映画で知った。

リッキーは、いずれ優秀なニグロリーグの選手たちがメジャーでプレーすることになるという先見の明があった。ニューヨークにたくさんいる黒人の野球ファンが球場に足を運んでくれる大事なお客さんだということも。


でも、当時、メジャーで黒人選手がプレーすることへの拒絶反応はすさまじいものがあった。

チームメイトはロビンソンの入団を拒否する署名活動をしたり、移籍を希望する者がいたり。対戦相手は彼が出場するなら試合はしないと言い出し、遠征先のホテルは宿泊拒否をする。

観客からブーイングも起こった。一方、黒人のお客さんたちからの素晴らしい歓声もあった。

試合中、セーフなのにアウトというあからさまな誤審があったり、頭部めがけて投球されたことも。


中でも、メジャーに昇格してからのフィリーズとの試合で、相手監督の口汚い野次の応酬。こんな監督ありなのか、いったい何様なのか、腹立つ。

映画では切り取られたシーンとして見ているけれど、ロビンソンにとっては、こうした様々なことが日常立て続けに起こっていた。それはハードな現実だった。

でも、「やり返さない勇気を持て」というリッキーとの約束を守って、ロビンソンは挑発や罵倒に耐えるんです。

その代わりに、俊足と打撃でチームに得点をもたらし、チームメイトからの尊敬を得ていくの。白人の子どもがロビンソンの打席の入り方を真似するようにもなっていくの。


1958年にドジャースは本拠地をロサンゼルスに移す。野茂英雄さんがドジャースに入団した当時、ドジャースはメジャーでも一番の多国籍チームだったそう。多様な選手を受け入れる土壌があったのかなって、つながるような気がした。

エンドロールでリッキーを演じていたのがハリソン・フォードだったことに気づいて、思わず声が出た。この何年か、洋画に目配りしていなかったので、面立ちが似てるな~と思いつつ、わー。

このリッキーの貫禄、素敵だったー。逆風の中、プレーヤーとして活躍し、リスペクトされたロビンソンも素晴らしかったけれど、その道を作ったリッキーも素晴らしかった。発明・発見に近い発案だったと思う。差別はまだ日常に起きていることではあるけれど。

地元出身者にこだわる日本の球団を小さく感じた。

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