11月4日に発表された、カープ2026年のコーチングスタッフ。
石井弘寿投手コーチの新加入はあったものの、打撃コーチは1軍2軍3軍での入れ替えのみ。例年通り、シャッフルのみ。
今年も昨年の経験が生かされず、投手陣が終盤失速。シーズン通しての投手のコンスタントな活躍も課題ではあるけれど、もっとも最重要事項の「点を取る」ことへのテコ入れナシ。
球団の「何も変えるつもりはない=優勝するつもりはない」という、ゆるぎない意志(というほどでもない)、考えなしの姿勢を見せつけられる。
唐突ですが、たとえば漫画を読んでいて、「この場面、何をしているのかもっとわかりやすい構図だといいのに」とか思うことがある。編集さんは何も言わないのかな、この作品(作者)についてどのくらいの熱量でアドバイスしているんだろう、とも。
そういうことに自分で気づけて作画に反映させることができるかどうかは、作家自身の力量がもちろんものをいう。
でも、客観的に見てくれている人からのアドバイス一つで、さらに(もっと)よくなることって、ある気がするんです。
編集者の力量や情熱も作品のどこかに表れているんじゃないか、と。ふと、野球選手とコーチの関係と重なってしまった。
雑誌に連載したり、それが単行本になることは、漫画家を目指している誰もができることじゃない。競争の厳しい世界、世に出る(発表される)自体が素晴らしいこと。
でも、ヒットを生み出せる人と、そうでない人は、いる。
プロを目指している人が誰でも野球選手になれるわけじゃない。ドラフト指名される人はごく一部。1軍で活躍できる人はさらに限られる。
ドラフトの季節になると思い出す、豊田泰光さんの言葉。
プロには「教える」「育てる」はない。
「学ぶ」と「育つ」があるのみ。
何でも自分で考え、実践しなくては。
プロの一歩を踏み出す新人たちに、
その覚悟をしておいてほしい。
今季、8年目にして、中村奨成が覚醒したのは、自分で考えて野球するようになったからだと思うんです。
戦力外から独立リーグに渡り、自分で練習方法や投球を工夫するようになって開花した、現在ソフトバンクの藤井皓哉も。
3球団競合で阪神に1位指名された立石正広は、落合博満さんの本を読んで、実際に打撃の参考にして、あれこれ試していると言っていた。こういう人はきっと伸びるタイプ。
鈴木誠也や小園海斗のように、素地を備えて自分で開花させられるのがプロと思う。
自分を育ててなんぼのプロの世界。でも、名コーチとまでいかなくても、いいアドバイスをしてくれるコーチ(編集者)の存在は小さくないとも思う。
どんなチームにして戦っていくかを方向づける監督と球団の存在も無視できないが、そこが難儀なカープだが、チームの土台はやっぱり選手。環境がどうあれ、選手がんばって!
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