2019年12月10日

見送り三振より、空振り三振を。


バッターが打席に立って、一番がっかりさせられるのが、見送り三振で終わること。

それだけ相手ピッチャーの球が素晴らしかったという場合も、もちろんあります。それでも、空振り三振の方がどれだけいいかと思ったりするのだ。

そんなことを思い出したのは、12月7日、イタリアのトリノで行われたフィギュアスケート・グランプリファイナルの最終日、紀平梨花のフリー演技を見てのこと。

紀平は冒頭に4回転ジャンプを組み入れてきて、回転はしたものの着氷できなかった。

しかし、その後、2回のトリプルアクセルを含めたジャンプは全て成功。スピンやステップも素晴らしかった。

今シーズン、得点をとりこぼさないため、4回転ジャンプを回避した試合もあったが、それも順位を下げないための戦略。今回は最下位になったとしても6位というファイナルのゲーム。

挑んで失敗したとしても、どの程度回転できたか、その後のジャンプの出来映えにどう影響したのか、それは自分の経験(データ・情報)になる。



11月のプレミア12を見ていたとき、解説の新井貴浩さんだったかと思うのですが(記憶が不確かですみません。気になったことはメモしておかなくてはいけませんね)、こんな印象的なことを話していました。

「プレミア12のように初めて対戦するピッチャーの場合、バッターはどう対処していけばいいのか」とアナウンサーに問われ、「どんどんバットを振っていくこと」と。

シンプルだけど、名言だと思いました。

そうすることで、速さや変化を体感して、次に活かしていくことができる。見ているだけでは得られない情報を感じとることができる、と。

「初球からドンドン振って」という打撃コーチのアドバイスが裏目に出て、ポンポン打ち上げては終わり……というあっさり打線で迫力ない試合もあった今シーズンのカープでしたが。

そんなときは、早撃ちばかりして相手ピッチャーを楽にさせず、選球眼を活かして球数を投げさせる試みをする選手がいてもいいのにと思うことも少なくなかったですが。

そんな中にあって、今年、1軍デビューした小園海斗。打席に立つと、初球からどんどんバットを振っていました。その振りっぷりは見ていて気持ちがよかった。

新井さんが言っていたように、小園もバットを積極的に振りながら、初めて対戦することのピッチャーが多かった今年、体感しながら自分の中にデータを蓄えていったのだろうなと、紀平と重なって思い起こしたのでした。


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小園海斗、出た打った。なぜか田中広輔も出た。
小園2号ホームラン。打ったときのコメントからも逸材だと感じる。