2022年11月22日

新井さんのサービス精神、球団こそ見習え


11月21日、日南の秋季キャンプを打ち上げ。最後は、新井さん、選手、コーチ、スタッフ全員でタッチして終る。(「デイリースポーツ」)

なんなんだ、この明るさ、爽やかさはー!

監督に就任してからというもの、新井さん自らがスポークスマンのように、いろんな発信をしてくれている(というか、それが記事になってこちらに伝わってくる)。

打ち上げ後のインタビューがまた、新井さん全開。(「日刊スポーツ」)

「1軍キャンプだから、2軍キャンプだからというのは枠的なものもある。2軍スタートになったからといって、悲観することは何もないよと(選手たちに)伝えました」

「キャンプ中に限らず、オープン戦、シーズンに入ってもずっと競争、自分は見ているよということを伝えました」


シーズンが始まったら、思惑通りに動けないこともあるかもしれない。それでも、この3年(プラス1年)、ベンチにたれこめていた停滞ムードを思うと、この青空のようなスカッとした抜けのよさは天井知らずかと思うほど。

こんなこと言われたら、選手もポジティブになれる。言葉の力って、大きいと思う。佐々岡さんも、緒方前監督も、言葉を上手く使えないというか、言葉の大事さを認識していなかったように見えた。

中日監督時代の落合博満さんは、選手にもメディアにも多くを語らなかったが(でもたまに発する言葉が意味深で人を考えこませる)、指揮をとった8年間、リーグ優勝4回、すべてAクラス。「勝つことが一番のファンサービス」と考えていた。

言葉も大事。どんなマネジメントをするかも、大事。


選手とファンのモチベーションを上げてくれる
オープンな新井さんだが、気になることもある。

11月19日、新井さんは「選手が故障したとき、一部は情報を開示していく」という方針を発表した。(「スポーツ報知」)

ファンにしてみたら、「コンディション不良」というアナウンスは、事情がわからずモヤモヤする。そういうところは、新井さん、ファンの気持ちを考えてくれているんだな、と。

ただ、たとえば戦争している相手に、「今、ここがウィークポイント」「この物資が足りてない」と、自陣に不利益な情報を、手の内を明かします?

嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』では、西武からFA移籍してきた和田一浩が、骨折を隠して試合に出ていたエピソードが出てくる。

痛々しい話で、無理せずいられたらどんないにいいかと思う。骨折して休まないのは異常な非常な話だが、休めば自分の席がなくなる世界。隠すことが、選手にとっては自分を守ることになることも。

新井さんが考えているのは「ファンに対する最低限の情報を」だとは思うが、野球は客商売と同時に、戦いの場。

ファンのことを大事に思ってもらえるのは嬉しいと同時に、選手の不利益にならないようにバランスとってもらえたらと見守るばかり。


それにしても、まだシーズンは始まっていないけれど、新井さんのリー
ダーとしての資質には目を見張るものが。

2015年、カープを応援し始めたばかりのころ。新井さんの打席で「ツラゲ」という言葉がネット上に出てきたとき、意味がわからず検索して、あ~と乾いた笑いが出たことが。能ある貴浩は爪を隠していたんだね。

このファンサービスの精神、フロントとしても発揮してほしいくらいです。
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