新井さんが監督になって以来、発信される言動が明るくてクリアで、期待したくなる開幕前(いや、始まってないからこそ)。
ちょっと待って、3年前。佐々岡さんが監督になったとき、多少は期待したことを思い出した。
それというのも、緒方前監督の最後の1年、コンディションより実績重視、田中広輔や中﨑翔太の起用に固執して、チームにとてつもない閉塞感が漂っていた。
監督が変われば、多少なりとも選手起用も変わるだろう。そう期待したのだった。
しかし、あんなことになるとは。しかも球団は3年も佐々岡さんを引っ張るという暴挙(放置)に出た(かと言って、緒方前監督に戻ってほしいとは思わなかった。あの重苦しさはもうご免です)。
打って変わって、今年は明るいカープの春季キャンプ。でもWBC前。日本代表が栗林良吏ひとりとあってか、メディアを通したカープのキャンプ情報、扱い少な目。
日本代表チームも、稲葉さんから栗山監督に変わって、当然、選手の入れ替えがあった。
稲葉さんも、コンディションのよくない田中将大や菅野智之(辞退したけど)ら、経験ある選手を重視していた。
結果、オリンピックで金メダルをとったので、問題なーい。なんだけど、栗山監督はそのへん、スパッとしていて、20歳の高橋宏斗(中日)をちゃんと選んでくれているところなんか、いいと思う。
やっぱり、たまに人が変わるのはいいことと思う。与党もたまに変わるといいと思う。
で、栗林。「カープの選手は一人しかいないですけど、それでもカープファンは応援してくれると思う。そういうファンの方々に明るい話題を提供できるように頑張ればいいのかなと思います」と。(「デイリースポーツ」)
どのチームの選手でも、いいプレーを見せてくれる選手は応援したくなる。でも、カープの選手が活躍してくれたら、そら嬉しい。ようわかってはる。
で、「メジャーに行きたい気持ちもない。カープで野球できたらいいという気持ちが強い」とも言っていた。
この先考えが変わるかもしれないとしても、栗林って、プロ野球選手の中でも、社会人らしさを感じる稀有な選手だ。
1年目のオフ、年棒が上がったときも、これから生活がどう変わるかわからないから、お金は大切にしようと家族と話している・・・みたいなことを言っていた。
浮ついた感じがない。ちょっと異色? あ、イチローも、年棒上がったとき、「セーター買います」とか言ってましたね。うんと若い頃。
森下暢仁も、野球は今の自分にとって「仕事」と言っていたけれど。どの選手にとってもそうではあるんだろうけど。
栗林って、野心とかギラついた感じがない。でも、心技体備えて、きっちり自分の仕事をして、まわりからもファンからも信頼されていて、プロだなと思う。
黒田博樹がメジャーからカープに帰ってきたとき、「職責を果たす」という言葉を使っていた。こんな言葉使う野球選手、いた? と思ったものだった。
そして黒田もプロフェッショナルだった。タイプは違うけど、そこのところは、栗林、黒田に近いものを感じてしまう。