10月20日、上本崇司と磯村嘉孝がFA宣言せず、カープ残留を表明。23日には、中﨑翔太も残留を決めた。
上本崇司は、「取りに来る球団もないと思うので。行く球団ないので、ここにいます」。(「日刊スポーツ」)
上本流の自虐ギャグなんだろうけど、こんなこと言う選手、他球団にいます? 思っていても、口に出さないだけかもしれないとしても。
こういう物言いが通用してしまうのが、カープなんだなと、生ぬるさを感じてしまった。
上本も2年前までのことを思うと、打席も増え、今季は、新井さんに「いてもらわないと困る選手」と言ってもらっているのに、こんな言い方せんでも。
上本がいいプレーをしたときには、もちろん拍手を送る。けど、ちょいちょいこういう言動が垣間見える。カープの「家族」体質に浸かっている甘さを感じる。
同じカープでも、たとえば、森下暢仁や栗林良吏、秋山翔吾は、プロとしてこんな物言いはしないと思う。
「家族」といえば、10月17日、今江敏晃さんが楽天の新監督になったときの談話に、軽いショックを受けた。
今井新監督は、ロッテ時代のボス、ボビー・バレンタインがよく言っていた「チームはファミリー」というスピリッツで、新しいチームを率いたいと話していた。(「スポーツ報知」)
あの素敵なバレンタインも、「ファミリー」という言葉を使っていたのか、と。それにしても、「ファミリー」と「家族」とでは、こんなにも印象が違うものか、と。
野茂英雄さんが在籍していた頃のドジャースは、メジャーリーグ一でも一番の多国籍チームだったそう。
ラソーダ監督はチーム全体をひとつの家族と考え、一人で異国にやってきた英語を話せない野茂に「居心地のよい家族的な気分を感じてほしい」と、大らかに受け入れてくれていたようです。
新井さんが「カープは家族」と言ったとき、プロに「家族」という言葉は馴染まないと、ものすごい拒否感があった。今も違和感あります。
日本語で「家族」というと、どうも血縁というか、もっと狭い範囲を指しているような感じがして、大らかにとらえられない。風通しのよさを感じない。カープに「家族」という言葉を使い出したのは、新井さんというより、松田オーナかもしれないけれど。
西川龍馬の動向はまだ発表はないが、新井さんから残留の要請はされたもよう。
「(選手を)引き止める権限は監督にはない。冷たいとか、温かいとか、そういう問題じゃない。選手の権利なんだから」という落合博満さんの言葉は、もっともだと思っていた。(『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』より)
ただ、残りたい気持ちもある選手には、「一緒にやろう」という一言が、残ったときのモチベーションを高めると思う。中﨑も新井さんから直接電話をもらったと言う。
ほんとうに移籍したいときには、どう懇願されても断るだろうから、「残ってほしい」気持ちがあるときは、選手に伝えておく方がいいなと最近は思うようになった。
私は、どの選手でも、プレーしたい場所でプレーしてほしいので、残留要請はないです!
むしろ出ていく覇気がほしい。というか、他球団からも望まれる選手でいてほしい。