代走のスペシャリストとして活躍し、「盗塁成功率82.9%」「代走での盗塁数132」の日本プロ野球記録を持つ鈴木さん。
2015年6月30日、東京ドームでの巨人戦。ナマで黒田博樹の登板を見た最初で最後の試合にて、鈴木さんの足のプレッシャーを見せつけられたことがありました。
高木勇人との投手戦で速いペースでゲームは進み、1対0と広島がリードして迎えた9回裏。黒田の完封劇とヒーローインタビューを見届けて帰途につく心づもりをしていたときでした。
〔ヒーローインタビューを見るには絶好の位置での観戦
photo by azukimonaca〕
ノーアウトで長野久義がヒットで出塁し、代走に鈴木のコール。
このとき、黒田は、何度も何度も1塁に牽制球を投げていました。鈴木の足を警戒して神経をとがらせているのが伝わってきました。徐々にリズムが狂わされていくような、忘れられない光景でした。
その後、坂本勇人にヒット。阿部慎之助が同点打。亀井義行がサヨナラの犠牲フライ。巨人ファンが一斉に立ち上がってバンザイ、バンザーイ。
あの、勝負は何が起こるかわからない、突然オセロの白と黒が一瞬にして入れ替わるような感じは、スポーツの醍醐味と申せましょう。
牽制の臨場感というか、球場の空気は、テレビ中継の映像では得られないものがありました。代走の重要な役割をナマで感じさせてくれた鈴木さんであった。
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