2018年10月1日

黒田博樹「どんな投手にも120%手助けするつもりだ」


9月30日、西武のリーグ優勝が決まりました。ぜひ、日本シリーズでお目にかかりたいです。

西武は12連勝という勢いでマジック1としたあと、9月29日、本拠地で優勝を決めるには至らず。30日、ソフトバンクがロッテに敗れた結果を受けて、1対4で日ハムに敗れながらもアウェイにて胴上げ。

カープは、今か今かと待たれたマツダスタジアムでの優勝はジリジリ延び、迫力を欠いて見えたけれど、9月26日、九里亜蓮の力投と、中﨑翔太の三者凡退で、ヤクルトに10対0の完封勝ち。それまでのふがいなさは、この日のためのものだったんだと思えるような、優勝にふさわしいゲームでした。

と、今ごろ優勝話で失礼しまっす。19日に入院することとなり、29日に退院。そんなわけで、カープがリーグ3連覇を決めた日は病院におりました。

病院は10時消灯ですが、8時を過ぎると早くも病室はシーン。最後の瞬間は、スポナビのテキスト速報でそっと確認。なんとも静かでしたが、ホッとする瞬間でした。



そんなわけで、リアルタイムで祝福の瞬間は見ておらず、優勝にまつわるネットの記事も少ししか見ていないのですが、そんな中で、黒田博樹の特別寄稿「ボク同様に不器用な大瀬良 体の使い方覚えて変わった」(「スポニチアネックス」)の一文には感動しました。

今シーズン、最多勝のタイトルを期待されるほど飛躍した大瀬良大地。2016年のオフ、大瀬良から相談を受けた黒田は、動作解析の専門家・手塚一志さんを紹介したという。

「求められれば今後も、どんな投手にも120%手助けするつもりだ」と。

思い起こせば、『クオリティピッチング』(ベストセラーズ、2013)でも、商売道具とも言えるピッチングに関する考え方をオープンにしている黒田。



カープに復帰してからも、折にふれ、若いチームメイトにアドバイスを授けてきた黒田。

大瀬良は登板前に分厚い資料を持って歩いている黒田に「その資料は何ですか」と質問するところから始まったそう(『Number』2016年10月6日号)。

黒田は、対戦相手とのデータを自ら記録していて、「自分の持ち球と打者の特徴を考えて配球している」と大瀬良に丁寧に説明したそうです。

逆に、大瀬良はそれまで自ら記録をとって分析せず投げていたのかと素朴に驚いたりもしたのだけど。

2016年に飛躍的に活躍した野村祐輔も、黒田に率直に積極的にアドバイスを求めていったことが大きなきっかけになっていたと思います。

プロたるもの、自分であれこれ試行錯誤していくものだろうけれど、人のアドバイスを受けとることができる素直さって強い。野村を見ていて、そう思ったものでした。



そう言えば昨年、リーグ優勝のビールかけ後のインタビューで、石原慶幸がこんなエピソードを明かしていました。

黒田から何かあったらいつでも電話していいからと言われていた岡田明丈が、黒田に電話。「今、大丈夫なんか?」と確認された岡田は「あ。バスが出発するところです。またかけ直します」と切ったという。(ほんま岡田はマイペースなコやね)

しかし、黒田とのホットラインとは、なんという恵まれた環境。黒田を尊敬しているというヤクルトの小川泰弘にも分けてあげたいくらい。

今シーズン、揺り戻しの大きい、不安定なピッチングを見せている岡田。黒田に何か相談してないのかな〜?



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