「勝てる試合だった」・・・野球に限らず、勝負が終わった後、そう言う人がいる。
この言葉を聞くたび、違和感を覚える。何が起こるかわからない勝負の世界、そう予測どおりに行くものでもない。なにより実際に負けてるわけだし。
10月17日、森下暢仁の登板した中日戦。7回1失点と好投していた森下を降板させ、リリーフ陣が打たれ逆転負けした試合も「勝てる試合だった」と感じた人は少なくなかっただろう。
佐々岡監督も試合後、「勝てる試合だった」と言っていたのには、笑ってしまった。
ファンは、森下を続投させれば負けなかったかもしれないと思ったのに対し、佐々岡監督は、リリーフ陣が打たれるとは思っていなかったようだから。
あの試合、「勝てる試合だった」とは言えない。何が起こるか、やっぱりわからないもの。それでも、7回の攻撃、佐々岡監督が森下に代打を出した瞬間、気持ちが切れた。
ベンチも選手も含め、今のカープにあって、森下が一番プロとしての仕事を見せてくれている気がする。その心技体の充実ぶり。とても新人と思えない。何年かに一度あらわれる逸材なんだと思う。
チームメイトに覇気がなくても、監督やコーチがどんなであれ、まわりの空気に左右されず、自分の頭で考え、自分の足で立ってプレーしている森下は、野球の面白さを伝えてくれる。
これぞプロと感じる。ほかの選手との次元の違いを感じる。菊池涼介の守備もまたしかり、ですね。
そんな森下の勝ち星の可能性をあっさり消す素人のような采配をする佐々岡監督を見て、気持ちがさすがに切れてしまった。
森下には常に「勝つ意志」を感じる。球団やベンチ、ときには一部の選手たちにはそう感じないときがある。
選手たちが望んでいるのにトラックマンを導入せず、お友だち内閣みたいな、能力にかかわらずカープ出身者だけで固められた監督やコーチ陣。
こんなことが続くなら、未来を感じないというか、応援する楽しさが、昨年、今年と、うすまっていく。
森下にもっとよい環境でプレーさせてあげたいと勝手ながら思ってしまうほどだ。
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