2025年1月21日

ファンクラブは球団を映す鏡? 12球団ファンクラブ20年の歴史がギュッと詰まった本


先月のブログでも、ちょこっとご紹介した『プロ野球12球団ファンクラブ全部に20年間入会してみた!』。


9歳のときファンクラブに入るほど、子どもの頃からヤクルトファンだったノンフィクション作家の長谷川晶一さん。

子どもの頃はあんなにワクワクしたのに、2004年春(当時33歳)、ファンクラブ特典が届いたとき、その内容をちょっと貧相に感じたそう。

ふとファンクラブへの不信感がよぎり、「他球団のファンクラブはどんな感じなんだろう?」と思ったのがきっかけで、12球団のファンクラブ全てに加入するライフが始まった。


2004年と言えば、球界再編成騒動が起きた年。翌年には楽天が発足。2005年から2024年まで、気づけば早20年。

12球団のファンクラブの歴史がギュッと詰まったクロニクル。特典グッズの数々も紹介されていて、おもちゃ箱のよう。とても面白かったです。

『野球小僧』(現『野球太郎』)に掲載されてきた、20年分のファンクラブ採点評も再集結(あの、時どき本屋さんで見かけるレトロな表紙の雑誌ですね)。


実際に12球団のファンクラブに入ってみると、他球団の選手への愛着も生まれ、ますます野球を見る楽しみが増したそう。

なんだかわかる気がします。オールスターや日本シリーズで普段追いかけてないチームの選手を見るだけでも、そういう気持ちになりますから。

長谷川さんから最も評価されているのは、西武。特典グッズのセンスもいいそう(それはオリックスも)。

2年に一度、ベルーナにカープ戦を見に行ってますが、球場に近づくにつれ、赤いアイテムを見につけたカープファンの方を見かけると心躍るのはもちろんですが、紺色アイテムの西武ファンの方もシックで素敵だな〜と思ってました(奇しくもオリックスも紺!)。


ロッテはファンクラブの運営に関していろいろ工夫があるそうなんですが、他球団の動向にも目配りして、他球団の良いところをお手本にして積極的に採り入れているという西武。いいものにしていこうという姿勢もいいなと思った。

以前、ブログでも紹介しましたが、松坂大輔がポスティングでメジャー移籍したときの松坂マネーをファンに還元したというエピソードには感動した。

2007年、球団が約5000万円を負担して、「ジュニア会員」の会費を2000円引きにし、特典を倍増。ファンに還元、素敵です!


一方、質のいいアイテムを提供しているのに、デザインがイマイチという中日(わ〜ん、ドアラかわいいのに)。

2005年から2011年にかけて低迷期が続いていた横浜、12年からDeNAが親会社となり、ファンクラブにも変化が見えてきたという話。

「球場に足を運んでほしい」という思いからの、楽天の来場者プレゼントは素晴らしいのだけれど、遠方のファンのケアは圧倒的に手薄という話。

それぞれの球団の状況・カラーが見えてきて、読み応えたっぷり。あぁ、書ききれない。続きは明日以降に!
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